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第08話♠ 禁断の恋
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婚約をした時からファリティ‥いやファレンティナリティアは時間にはかなり正確な女性だった。
ホートベル侯爵家の娘と婚約を結べば国内でも3本の指に入る資産家であり事業家が後ろ盾になる。私の立太子はほぼ確実と言われた。
ファレンティナリティア‥面倒なのでファリティでいいだろう。
ファリティとの婚約は一言で言えば充実をしていた。
事業家でもあるホートベル侯爵家は幾つもの事業を手掛けていて、事業から派生する関税などの外交問題も私の功績となって父上も何かあれば相談をしてくれるようになった。
遅れる事2か月。兄の第1王子ライオネルは公爵家の令嬢と婚約。
抜きんでたと思ったら横並びになってしまい、父上はまだどちらを立太子するか発表してくださらない。
ファリティと婚約し2年半。今から半年前の事だ。
ホートベル侯爵家のイサミア氏が再婚をした。
再婚相手には連れ子がいて名をルシェル。
私はルシェルを見た瞬間に雷に打たれたような衝撃を受け、恋に落ちた。
婚約者の異母妹との禁断の恋。
誰にも言えないその関係は甘美で、背徳感も相まって私とルシェルはお互いをより強く求め合った。
「お義姉様は私の事、嫌いなんです」
「どうしてそんな風に思うんだ?」
「だって…お屋敷の中も自由にしていい場所を制限しているんですよ?お父様もお義姉様の機嫌を損ねるのは不味いって…何も言わないし。お母様と私はお義姉様に嫌われているから肩身の狭い思いをしているんです」
「そうだったのか。私から言ってやろうか?」
「ダメです。そんな事をしたらどうして殿下が知っているのかとお義姉様が怪しみます。屋敷の中の制限だけじゃなく、使っていいお金も制限されてるし…殿下と会う時間まで制限されたら…私、生きていけないっ」
「あぁルシェル。可哀想に。こんな小さな体で耐えているんだね」
「殿下が優しくしてくださるので平気。殿下がいれば私、耐えられます」
健気に耐えるルシェルにすっかりと心を奪われた私は苦悩したのだ。
愛しているのはルシェルなのに、異母姉を妻とせねばならない事に。
きっとこの関係をファリティに知られてしまえば大問題になり、咎められるだけでは済まない。
ルシェルと婚約をし直せばいいそんな優しい問題ではない。
婚約者の入れ替えなど成婚の儀の招待状を各国に出した以上出来ないのだ。第2王子である身分も婚約者の異母妹に手を出すと知られれば父上の逆鱗に触れ廃嫡の可能性だってある。
ファリティにルシェルを側に置くことを許してもらえないだろうかと言おうとしたが、それも不味い。
妻の異母妹であろうと愛人のように周囲に思われてしまってはルシェルが可哀想だ。
答えを出せず心で葛藤をしている間に成婚の儀の日になってしまった。
初夜ともなればファリティを抱かねばならない。
ルシェルに対しての大きな裏切りの行為に私は意を決しファリティに告げたのだ。
要約すれば至らない妃になって欲しいと。
しかし、ふたを開けてみればファリティは私とルシェルの関係を知っていたという。
そしてあっさりと「3年後に離縁しましょう」と話は上手すぎるほどに纏まってしまった。キツネに抓まれた気分だ。
約束事も書面にするなど事業の話をしていた時も感じたがファリティは抜け目がない。
正直言ってなんの憂いもなく「ハイ、離縁」と承諾されてしまうと私も傷ついたが、他人の心を読まない、その点については至らない妃を実行してくれているのだろう。
だとしてもだ。
少しくらい抗ってくれてもいいんじゃないのか?
少しくらい涙を流し縋ってくれてもいいんじゃないのか?
余りにもあっさりして淡々としているファリティ。
イサミア氏の再婚より妹となっただけなので姉妹と言えど、ルシェルとは何もかも違う。
それは判っていても私はこう思わざるを得ない。
「だから可愛げがないと言われるのだ」と。
ホートベル侯爵家の娘と婚約を結べば国内でも3本の指に入る資産家であり事業家が後ろ盾になる。私の立太子はほぼ確実と言われた。
ファレンティナリティア‥面倒なのでファリティでいいだろう。
ファリティとの婚約は一言で言えば充実をしていた。
事業家でもあるホートベル侯爵家は幾つもの事業を手掛けていて、事業から派生する関税などの外交問題も私の功績となって父上も何かあれば相談をしてくれるようになった。
遅れる事2か月。兄の第1王子ライオネルは公爵家の令嬢と婚約。
抜きんでたと思ったら横並びになってしまい、父上はまだどちらを立太子するか発表してくださらない。
ファリティと婚約し2年半。今から半年前の事だ。
ホートベル侯爵家のイサミア氏が再婚をした。
再婚相手には連れ子がいて名をルシェル。
私はルシェルを見た瞬間に雷に打たれたような衝撃を受け、恋に落ちた。
婚約者の異母妹との禁断の恋。
誰にも言えないその関係は甘美で、背徳感も相まって私とルシェルはお互いをより強く求め合った。
「お義姉様は私の事、嫌いなんです」
「どうしてそんな風に思うんだ?」
「だって…お屋敷の中も自由にしていい場所を制限しているんですよ?お父様もお義姉様の機嫌を損ねるのは不味いって…何も言わないし。お母様と私はお義姉様に嫌われているから肩身の狭い思いをしているんです」
「そうだったのか。私から言ってやろうか?」
「ダメです。そんな事をしたらどうして殿下が知っているのかとお義姉様が怪しみます。屋敷の中の制限だけじゃなく、使っていいお金も制限されてるし…殿下と会う時間まで制限されたら…私、生きていけないっ」
「あぁルシェル。可哀想に。こんな小さな体で耐えているんだね」
「殿下が優しくしてくださるので平気。殿下がいれば私、耐えられます」
健気に耐えるルシェルにすっかりと心を奪われた私は苦悩したのだ。
愛しているのはルシェルなのに、異母姉を妻とせねばならない事に。
きっとこの関係をファリティに知られてしまえば大問題になり、咎められるだけでは済まない。
ルシェルと婚約をし直せばいいそんな優しい問題ではない。
婚約者の入れ替えなど成婚の儀の招待状を各国に出した以上出来ないのだ。第2王子である身分も婚約者の異母妹に手を出すと知られれば父上の逆鱗に触れ廃嫡の可能性だってある。
ファリティにルシェルを側に置くことを許してもらえないだろうかと言おうとしたが、それも不味い。
妻の異母妹であろうと愛人のように周囲に思われてしまってはルシェルが可哀想だ。
答えを出せず心で葛藤をしている間に成婚の儀の日になってしまった。
初夜ともなればファリティを抱かねばならない。
ルシェルに対しての大きな裏切りの行為に私は意を決しファリティに告げたのだ。
要約すれば至らない妃になって欲しいと。
しかし、ふたを開けてみればファリティは私とルシェルの関係を知っていたという。
そしてあっさりと「3年後に離縁しましょう」と話は上手すぎるほどに纏まってしまった。キツネに抓まれた気分だ。
約束事も書面にするなど事業の話をしていた時も感じたがファリティは抜け目がない。
正直言ってなんの憂いもなく「ハイ、離縁」と承諾されてしまうと私も傷ついたが、他人の心を読まない、その点については至らない妃を実行してくれているのだろう。
だとしてもだ。
少しくらい抗ってくれてもいいんじゃないのか?
少しくらい涙を流し縋ってくれてもいいんじゃないのか?
余りにもあっさりして淡々としているファリティ。
イサミア氏の再婚より妹となっただけなので姉妹と言えど、ルシェルとは何もかも違う。
それは判っていても私はこう思わざるを得ない。
「だから可愛げがないと言われるのだ」と。
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