29 / 43
第25話 ジェセニアを迎えに行って返り討ち
しおりを挟む
サンルカ侯爵家に行ってくれと言われたと御者から聞いたルシアーノは翌日ジェセニアを迎えにサンルカ侯爵家に向かった。
先触れは出してはいないが、婚姻する事を前提として宮に住まわせていたのだ。そんな物は必要ないだろうし、侯爵からは夜会に参加をと招待も受けていたのだからとルシアーノはまた勝手な判断をした。
だが、やはりルシアーノは待たされた。
「先触れも御座いませんので、お待ち頂く事になるかと」と申し訳なさそうに告げる執事。
サンルカ侯爵家もクルシュ公爵家と一緒で多くの調度品があちこちに飾られていた。
目が肥えた訳ではないし、美術品や骨董品に興味があるわけでもない。
どれくらい待たされただろうか。
座って眺めているのもなんだと、ルシアーノは立ち上がり花が生けられているトレイ?と思いつつ近寄った。
「トレイはトレイなのだろうな」
ルシアーノは花の道には明るくない。講義としては確かに学んだ記憶はあるが「花を愛でるなど女のする事」と興味も無かった。
針が沢山突き出した受け皿に花が刺されているのかと奥まで覗き込むように見ていると、遠目には綺麗に見えたトレイ型の花器にも細かい傷が幾つもあった。
「勿体ない事だ」
声に出してしまったルシアーノ。
「いいんですよ。レプリカですし」
背後からの声に、慌てて振り向くと年齢的には父の国王と然程変わらない年齢の男性が従者と共に立っていた。それがすぐにサンルカ侯爵だと気が付いたルシアーノは簡易の礼をした
「本日のご用件は何で御座いましょうか」
まるで事業の話を持ち掛けてきたのですか?と言いたげにサンルカ侯爵はルシアーノに問うてきた。
「いや、昨日ジェセニアがこちらに向かったと聞いたので」
迎えに来た。そう言おうと思ったが、無意識に言葉を切ってしまった。
サンルカ侯爵は運ばれてきた茶を「どうぞ」とルシアーノに勧める。叔母の茶とは違って嗅ぎ慣れた香りが鼻腔を擽る。
「娘のジェセニアが戻って来て、どうして殿下が?何の問題があるのでしょう」
「いや、ジェセニアとは宮で共に生活をしている。端的に言えば迎えに来たのだ」
「その件で御座いますが、殿下。中途半端な事をされるとこちらも困るのです。先日お会いしたいと先触れを出したのも公的な発表は何もなく未婚の娘を宮に留まらせ、どうされるおつもりかと伺おうと思いまして」
「いやいや、ジェセニアとは婚姻を前提に――」
「だとすれば猶更問題です。先程も申したように王家と当家で何の取り決めもない状態で娘を宮に取り込まれてしまい、正直なところ迷惑をしているのです。寵愛を受けているなど聞こえはいいかも知れませんが正式な段階を踏まずにこれではただの愛人です。まして殿下は婚約を白紙にされたばかり。以前のように親しくしている友人という立場ならいざ知らず、熱りも冷めぬうちに娘を宮に住まわせる。これは娘にとってもこの先どれほどのダメージとなるか」
「だからこちらは妃に迎えようと!こちらも準備をしていたんだぞ」
「ならば猶更です。準備をされていた?していませんよね?通常は婚約の儀を先ず済ませ、それから妃教育。何もかもを飛ばして共に住まうなど。今でも娘は夜会や茶会では酷い言われようなのです。至らない娘である事は重々承知で御座いますが、殿下は王族、娘は高位貴族の令嬢。平民同士の色事でもあるまいし一足飛びにされては迷惑なのです」
サンルカ侯爵の強い言葉にルシアーノは売り言葉に買い言葉。
頭に血が上ってしまい、つい声を荒げてしまった。
「まるでこちらが一方的に悪いような物言いだな。娘可愛さがあるとして、それを差し引いてもこちらはジェセニアには部屋を与え、金を使ってきた。こちらに文句を言う前にサンルカ侯爵家としてすべき事があったのではないか?」
「えぇ御座いました。それらを全て無にしたのは殿下です。当家としては娘は何処にも嫁がなくても全く問題ない。ですがどうしてもと願われれば手順を踏み、妃に相応しいと言われるよう教育も出来たでしょう。ですが今となっては今更要らぬと言われても嫁ぎ先はないでしょうし、殿下の宮に囲われていたという事実がある以上、ジェセニア以外の兄妹にも影響は御座います。妃となっても笑われ続けるでしょう。進んでも退いても娘には、いえ、当家には茨の道しか御座いません」
「失敬な!妃となれば誰にも何も言わせはしない!」
「どの口が仰るのです?貴方が廃太子となる事を知らぬ者などいないのです。王子として残れるかどうかも怪しいのに。そもそもで貴方は自らが宝を手放した時からもう坂道を転がり落ちているんですよ」
「手放した」と聞いてルシアーノは小さく息を飲む。
敢えて現実から目を背け、考えないようにしてきた。侯爵の言葉通りルシアーノは自身が坂道を、いや急傾斜の斜面を底なし沼に向かって転がり落ちているのではないかとの思いが過った事は何度もあった。
――判っていたんだ。でも認めたくなかっただけだ――
「もう当家とは関わらないで頂きたい。娘は他国の貴族か修道院に入れます。これ以上貴方と関わっていたら・・・いい加減乗り遅れたと言うのに。いい迷惑です」
「乗り遅れた?どういう意味だ?アンドレアスの後ろ盾になれなかったと言う事か」
「ぷっ!!」
意味が解らずサンルカ侯爵に問うたルシアーノの言葉に返って来たのは失笑。
そのサンルカ侯爵ですら、ルシアーノが知らなかった事に一瞬瞳孔が全開になるほど驚いた。
「少なからず娘が世話にはなったので手土産代わりに教えて差し上げましょう。貴方の元婚約者・・・おっと婚約の事実はもう無かった事になっていますが。彼女はね、あと10年もすればこの国なんかポケットマネーで買えるほどの資産を持つでしょう。みんな言ってますよ?王家との話を破棄ではなく白紙にしたのは破棄で得られる慰謝料など子供の駄賃だったからとね」
「そんな富豪と結婚をしたのか?!」
「ぶぶっ!笑わせないでください。彼女はまだ未婚です。どれだけ頭の中身が単純なんですか?貴方、いや王家は金の生る木をせっせと育て、捨てたんです。今頃彼女の元には各国から釣り書きが山のように届いているでしょう。知らないでしょう?彼女、個人的な籍はこの国にありますが、経営陣として名を連ねる事業所は隣国に置いたんです。その事業所があるとないとで国家の歳入も大きく変わる。賢いですよ。貴方と違ってね」
すっかり温度を失ったのはルシアーノだけではない。サンルカ侯爵は目の前、ぬるくなった茶を一気に飲み干すと言葉に感情を乗せて吐き捨てた。
「貴方がジェセニアに手を出さなかったら‥‥当家だって事業に食い込めた。ジェセニアの実家だと言うだけで門前払い。全くとんだ疫病神に魅入られたものです。さ、用件は済んだでしょう。お引き取りを」
ジェセニアを迎えに行ったルシアーノは帰りの馬車も1人。
揺れる馬車の中でルシアーノの頭の中に思い浮かんだのはアリステラだった。
――やはり、元に戻るのが一番なのか――
アリステラの外見はあまり好みではないが、サンルカ侯爵の言葉通りならアリステラには有り余る財産がある。感情と欲求を天秤にかけたルシアーノ。
天秤はいとも簡単に「欲求」に傾いた。
ルシアーノは閃いた考えに「何で早くこうしなかったんだ!」声をあげた。
所詮は金なのだ。アリステラもそう思ったから金儲けをした。
そのきっかけを作ったのはルシアーノなのだから、礼金くらい貰ってもばちは当たらない。
アリステラはまだ未婚。ゴードマン公爵なら隣国の王子でも頷かせて連れて来ることくらいしそうなのにまだ未婚だと言う事は‥‥つまり。
「僕に未練があるのか」
答えが行きつくとルシアーノは馬車の中で声をあげて笑った。
☆~☆
この後は(ΦωΦ)フフフ…
1時間おきになりますが、アリステラの意地悪物語が始まります。
頑張って今日!終わらせるぞー!っと‥‥なんとか頑張ります p(*^-^*)q
先触れは出してはいないが、婚姻する事を前提として宮に住まわせていたのだ。そんな物は必要ないだろうし、侯爵からは夜会に参加をと招待も受けていたのだからとルシアーノはまた勝手な判断をした。
だが、やはりルシアーノは待たされた。
「先触れも御座いませんので、お待ち頂く事になるかと」と申し訳なさそうに告げる執事。
サンルカ侯爵家もクルシュ公爵家と一緒で多くの調度品があちこちに飾られていた。
目が肥えた訳ではないし、美術品や骨董品に興味があるわけでもない。
どれくらい待たされただろうか。
座って眺めているのもなんだと、ルシアーノは立ち上がり花が生けられているトレイ?と思いつつ近寄った。
「トレイはトレイなのだろうな」
ルシアーノは花の道には明るくない。講義としては確かに学んだ記憶はあるが「花を愛でるなど女のする事」と興味も無かった。
針が沢山突き出した受け皿に花が刺されているのかと奥まで覗き込むように見ていると、遠目には綺麗に見えたトレイ型の花器にも細かい傷が幾つもあった。
「勿体ない事だ」
声に出してしまったルシアーノ。
「いいんですよ。レプリカですし」
背後からの声に、慌てて振り向くと年齢的には父の国王と然程変わらない年齢の男性が従者と共に立っていた。それがすぐにサンルカ侯爵だと気が付いたルシアーノは簡易の礼をした
「本日のご用件は何で御座いましょうか」
まるで事業の話を持ち掛けてきたのですか?と言いたげにサンルカ侯爵はルシアーノに問うてきた。
「いや、昨日ジェセニアがこちらに向かったと聞いたので」
迎えに来た。そう言おうと思ったが、無意識に言葉を切ってしまった。
サンルカ侯爵は運ばれてきた茶を「どうぞ」とルシアーノに勧める。叔母の茶とは違って嗅ぎ慣れた香りが鼻腔を擽る。
「娘のジェセニアが戻って来て、どうして殿下が?何の問題があるのでしょう」
「いや、ジェセニアとは宮で共に生活をしている。端的に言えば迎えに来たのだ」
「その件で御座いますが、殿下。中途半端な事をされるとこちらも困るのです。先日お会いしたいと先触れを出したのも公的な発表は何もなく未婚の娘を宮に留まらせ、どうされるおつもりかと伺おうと思いまして」
「いやいや、ジェセニアとは婚姻を前提に――」
「だとすれば猶更問題です。先程も申したように王家と当家で何の取り決めもない状態で娘を宮に取り込まれてしまい、正直なところ迷惑をしているのです。寵愛を受けているなど聞こえはいいかも知れませんが正式な段階を踏まずにこれではただの愛人です。まして殿下は婚約を白紙にされたばかり。以前のように親しくしている友人という立場ならいざ知らず、熱りも冷めぬうちに娘を宮に住まわせる。これは娘にとってもこの先どれほどのダメージとなるか」
「だからこちらは妃に迎えようと!こちらも準備をしていたんだぞ」
「ならば猶更です。準備をされていた?していませんよね?通常は婚約の儀を先ず済ませ、それから妃教育。何もかもを飛ばして共に住まうなど。今でも娘は夜会や茶会では酷い言われようなのです。至らない娘である事は重々承知で御座いますが、殿下は王族、娘は高位貴族の令嬢。平民同士の色事でもあるまいし一足飛びにされては迷惑なのです」
サンルカ侯爵の強い言葉にルシアーノは売り言葉に買い言葉。
頭に血が上ってしまい、つい声を荒げてしまった。
「まるでこちらが一方的に悪いような物言いだな。娘可愛さがあるとして、それを差し引いてもこちらはジェセニアには部屋を与え、金を使ってきた。こちらに文句を言う前にサンルカ侯爵家としてすべき事があったのではないか?」
「えぇ御座いました。それらを全て無にしたのは殿下です。当家としては娘は何処にも嫁がなくても全く問題ない。ですがどうしてもと願われれば手順を踏み、妃に相応しいと言われるよう教育も出来たでしょう。ですが今となっては今更要らぬと言われても嫁ぎ先はないでしょうし、殿下の宮に囲われていたという事実がある以上、ジェセニア以外の兄妹にも影響は御座います。妃となっても笑われ続けるでしょう。進んでも退いても娘には、いえ、当家には茨の道しか御座いません」
「失敬な!妃となれば誰にも何も言わせはしない!」
「どの口が仰るのです?貴方が廃太子となる事を知らぬ者などいないのです。王子として残れるかどうかも怪しいのに。そもそもで貴方は自らが宝を手放した時からもう坂道を転がり落ちているんですよ」
「手放した」と聞いてルシアーノは小さく息を飲む。
敢えて現実から目を背け、考えないようにしてきた。侯爵の言葉通りルシアーノは自身が坂道を、いや急傾斜の斜面を底なし沼に向かって転がり落ちているのではないかとの思いが過った事は何度もあった。
――判っていたんだ。でも認めたくなかっただけだ――
「もう当家とは関わらないで頂きたい。娘は他国の貴族か修道院に入れます。これ以上貴方と関わっていたら・・・いい加減乗り遅れたと言うのに。いい迷惑です」
「乗り遅れた?どういう意味だ?アンドレアスの後ろ盾になれなかったと言う事か」
「ぷっ!!」
意味が解らずサンルカ侯爵に問うたルシアーノの言葉に返って来たのは失笑。
そのサンルカ侯爵ですら、ルシアーノが知らなかった事に一瞬瞳孔が全開になるほど驚いた。
「少なからず娘が世話にはなったので手土産代わりに教えて差し上げましょう。貴方の元婚約者・・・おっと婚約の事実はもう無かった事になっていますが。彼女はね、あと10年もすればこの国なんかポケットマネーで買えるほどの資産を持つでしょう。みんな言ってますよ?王家との話を破棄ではなく白紙にしたのは破棄で得られる慰謝料など子供の駄賃だったからとね」
「そんな富豪と結婚をしたのか?!」
「ぶぶっ!笑わせないでください。彼女はまだ未婚です。どれだけ頭の中身が単純なんですか?貴方、いや王家は金の生る木をせっせと育て、捨てたんです。今頃彼女の元には各国から釣り書きが山のように届いているでしょう。知らないでしょう?彼女、個人的な籍はこの国にありますが、経営陣として名を連ねる事業所は隣国に置いたんです。その事業所があるとないとで国家の歳入も大きく変わる。賢いですよ。貴方と違ってね」
すっかり温度を失ったのはルシアーノだけではない。サンルカ侯爵は目の前、ぬるくなった茶を一気に飲み干すと言葉に感情を乗せて吐き捨てた。
「貴方がジェセニアに手を出さなかったら‥‥当家だって事業に食い込めた。ジェセニアの実家だと言うだけで門前払い。全くとんだ疫病神に魅入られたものです。さ、用件は済んだでしょう。お引き取りを」
ジェセニアを迎えに行ったルシアーノは帰りの馬車も1人。
揺れる馬車の中でルシアーノの頭の中に思い浮かんだのはアリステラだった。
――やはり、元に戻るのが一番なのか――
アリステラの外見はあまり好みではないが、サンルカ侯爵の言葉通りならアリステラには有り余る財産がある。感情と欲求を天秤にかけたルシアーノ。
天秤はいとも簡単に「欲求」に傾いた。
ルシアーノは閃いた考えに「何で早くこうしなかったんだ!」声をあげた。
所詮は金なのだ。アリステラもそう思ったから金儲けをした。
そのきっかけを作ったのはルシアーノなのだから、礼金くらい貰ってもばちは当たらない。
アリステラはまだ未婚。ゴードマン公爵なら隣国の王子でも頷かせて連れて来ることくらいしそうなのにまだ未婚だと言う事は‥‥つまり。
「僕に未練があるのか」
答えが行きつくとルシアーノは馬車の中で声をあげて笑った。
☆~☆
この後は(ΦωΦ)フフフ…
1時間おきになりますが、アリステラの意地悪物語が始まります。
頑張って今日!終わらせるぞー!っと‥‥なんとか頑張ります p(*^-^*)q
35
あなたにおすすめの小説
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。
はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる