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第26-2話 サンルカ侯爵家の没落②
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ルシアーノが訪れた3日後。サンルカ侯爵家には債権者が押し寄せた。
回収できる見込みのない借金。事業が上手く行くと踏んで何もかもサンルカ侯爵は担保に入れて金を借りていた。頼みの綱であった事業が無くなれば我先にと押しかけるのは当然のこと。
困ったのは金は払ってあるけれど、人を雇う金までは残らない運送業。
製造中のおよそ2000台の荷馬車が完成すれば引き渡しをされるけれど、屋敷も明日にはどうなっているか判らない今、製造の工房に引き取りに行く金もなければ保管場所も無い。
買い漁った馬は馬主となっているけれど、厩舎代や飼育料は別。
種付けまで前金で支払い、まだ母馬の腹に宿ったかも判らない仔馬の件もある。前金で支払っているため、仔馬が生まれるまで母馬、父馬の飼育料金も払わねばならないし、荷馬車を引く馬が引退した後の余生を過ごす牧場の手入れも怠れば草が生え放題となってしまい付近の地主から苦情が来てしまう。
支払いが終わっているばかりに!サンルカ侯爵は悔やんで頭を抱えた。
荷馬車が完成すれば売ればいい、馬も売ればいい
そんな考えも浮かんだが、運送業をしていた時ですら85台あれば十分だった。
同業者は多くいるが、2000台もの荷馬車を買い取ってくれる人を探すだけでも骨が折れる。
馬だって2000台の馬車を交代して引く頭数。隣国にまで足を伸ばし買い漁って3000頭。そこに仔馬を依頼したものだから買い手を探しても供給過多になり値崩れを起こすのは間違いない。
そんなサンルカ侯爵に救いの神が現れた。
「貴方の所有する馬、そして牧場や製造中の荷馬車、全てを引き取りますよ」
「本当ですか!?それは助かる!で?幾らで買い取ってくれるんだ?」
「それなんですが、こちらもね?一気に引き取るんです。馬の飼育料で荷馬車代は相殺させて頂かねばソロバンが合いません」
――それでも馬代は手に入る!――
そう思ったサンルカ侯爵だったが甘かった。
「人件費もありますし、お支払いできるのは金貨20枚でしょうか」
「たった金貨20枚?!」
「そりゃそうですよ。馬の寿命からすればこれでも奮発したほうです。良いんですよ?馬は別でも。荷馬車と相殺で飼育料を貰う勘定ですから厩舎に飼い葉など15年ほどは供給しますしね」
――馬だけ残されて餌は無料でも、厩舎代がない――
そして男は言った。
「その金貨20枚で田舎に幾つか買った牧場。こちらも相殺させて頂きますよ」
「それじゃ私には全く金が入らないじゃ無いか!」
「そこなんですよね…10年以上になるであろう厩舎代に餌代。荷馬車が完成した後の保管場所代、牧場の維持管理費を負担しなくて良くなるかなと思って提案させて頂いたんですけど…すみませんね。虫が良すぎました。この話はなかった事に」
立ち去ろうとする男の背がどんどん遠くなっていく。
サンルカ侯爵の頭の中にはさっきの男の言葉がグルグルと回る。
確かに15年ほど飼育せねばならない馬にかかる費用は莫大。事業をしようにも荷馬車の置き場所がない。最大で4000頭を超える馬。それまでの事業を展開してもとても食べさせることはできない。
――ダメだ。金をかけて買ったが維持するのは無理だ――
サンルカ侯爵は覚悟を決めて男を呼んだ。
「待ってくれ!さっきの話!それでいい。引き取ってくれ」
「いいんですか?後でやめるとか言わないでくださいよ?」
手際のよい男は持っていたカバンから譲渡書を取り出すとまだ命が芽生えているかも判らない仔馬など細部に至るまでサンルカ侯爵に確認をし、屋外にも関わらず契約が成立した。
「家印は要らないのか?」
「構いませんよ。だって私は平民なので家印の前に姓もありません」
「平民?!だとしたらこんなに大量の荷馬車や馬をどうするんだ?」
「事業をするんですよ」
男は契約書をカバンに入れて、パチンと留め具を掛けると満面の笑み。
「ま、まさかと思うがその事業で運ぶ荷と言うのは・・・」
「石灰って言うらしいです。働く意欲があるなら貧民窟に住む住人で構わないと。でも馬も荷馬車も無いと言うと屋号のない商会が教えてくれたんです。面白い名前ですよね。名前がないかと思ったら”屋号のない商会”ってのが屋号だなんて。アハハ。これで事業が出来ます。ありがとうございました」
「ま、待て。やはりこの話はなかった事にする。さっきの書類を返してくれ」
「後でやめたとか言わないでって言いましたよね?書類をよく見なかったんですか?正式な書類で国から発行されている有料の譲渡書でしたよ?気が付きませんでしたか?僕たち平民はそうしないとサインした後で気が変わったとか言われるからと教えてもらったんです。こんな便利なものがあるなんて全然知らなかったんですよ」
「ま、まさかそれを使えと言ったのも?」
「えぇ。屋号のない商会ですよ。僕たちのような貧乏人にも手厚く、なんでも教えてくれるんですよ。あ、違法な事はしていませんよ?全て合法。いやぁ…知らないと損することっていっぱいあるなぁって知りましたよ。じゃ!」
サンルカ侯爵が数十億の借金をして買った品を無料で手に入れた男は今度こそサンルカ侯爵の前から去って行った。
☆~☆
返せる見込みのない借金かと思われていた。
サンルカ侯爵は虎の子の運送業の事業そのものを子爵家に売り払った。
それで全ての借入金は無くなったが、無くなったのは借金だけでなく全てを失い、残ったのは爵位だけ。
サンルカ侯爵では爵位を維持する事も出来ず、爵位は弟が引き継ぐが事業のなくなったサンルカ侯爵家。爵位税の支払いをする事を条件に弟は兄の家族の面倒をみる事を拒んだ。
債権者と話をして屋敷には月末まで住んでよい事になったがそれもあと10日ほど。
妻は離縁し実家に身を寄せた。
長男はサンルカ侯爵家の籍を抜いて妻の実家に婿入りの形を取って引っ越していった。
長女はなんとか縁を切らずにいてくれると言うのだが、言葉にせずとも理解せねばならない事もある。サンルカ侯爵はお礼の金品を用意せねばならなくなった。
使用人もいなくなったサンルカ侯爵家。
あんなに沢山あった調度品は1つもないし、取り壊すのだからと窓枠すらない部屋も幾つかある。
債権者の中には色々な世界に顔が利く者がいる。
サンルカ侯爵はこれから先、生きていく金も必要だしとジェセニアを嫁がせる事を決めた。
「ここの旦那がね、20歳くらいなら良いと」
男に手渡す仲介料を差し引いて、長女の嫁ぎ先に金を払えば僅かだが残る。倹しく何か仕事をしながら暮らせば男一人だ。なんとかやっていけるだろう。
ジェセニアの夫となるのは58歳の平民の男。
親が資産家で、平民なのにかなりに大きな家に住んでいる。
夫となる男には過去に妻が11人いたが、よほど女運がないのか先立たれていた。
「若くて、ギャンギャンと囀るのなら躾のし甲斐があると言ってましたけどね」
11人の妻に先立たたれたのはそう言う事だ。
「ジェセニア、お前の嫁ぎ先が決まった」
「え?ルシーは嫌って言ったじゃない。物も買ってくれないしつまんないもの」
「あぁ、彼じゃない。資産家でね。女性の中でも我儘を言う子が特にタイプなんだそうだ」
「尽くす系?やった!何買ってもらおうかな~」
「いいか?我儘を言う時は演技でもいい。思いっきり暴れるくらいがいいそうだ。お前にはかなり手を焼いたが…これでやっと手が離れる」
屋敷を明け渡す期限の日。ジェセニアの嫁ぎ先から遣わされた馬車が玄関前に止まる。
見送る使用人など誰一人残ってはいない。
父親のサンルカ侯爵と2人だけで過ごした数日間。屋敷に別れを告げてジェセニアはサンルカ侯爵と馬車に乗った。
「わぁ、すっごいフカフカのクッション!どんだけお金持ちなのかしら」
「そうだな。お前が生きている間には使い切れないだろうな」
「そんなに?!」
住んでいる家も平民とは思えないほど豪奢で門道には幾つも鉄格子がありその度に馬車が止まってガラガラと鉄格子が開いていく。
屋敷の窓にも外から鉄格子が嵌められていてまるで要塞。
「うーん。外観がおっさん臭いわ。全部やり替えてあげなきゃ。ね?お父様、宮にいた時に工事をする方法を教えてもらったの。外壁はやっぱり石張りがいいわよね」
重厚な玄関。ギィと開くと内側にはドアノブもハンドルレバーもない。
尤も、あったところで女性の力では手前に引く事も押す事も出来ない本当の意味での重厚な扉。
「あら?使用人っていないの?このおじさんが執事?」
サンルカ侯爵は軽く会釈をすると、問いかけたジェセニアには言葉を掛けずに玄関の外に出た。
ゆっくりと閉じた扉は召し合わせの辺りからカチリと施錠の音がした。
回収できる見込みのない借金。事業が上手く行くと踏んで何もかもサンルカ侯爵は担保に入れて金を借りていた。頼みの綱であった事業が無くなれば我先にと押しかけるのは当然のこと。
困ったのは金は払ってあるけれど、人を雇う金までは残らない運送業。
製造中のおよそ2000台の荷馬車が完成すれば引き渡しをされるけれど、屋敷も明日にはどうなっているか判らない今、製造の工房に引き取りに行く金もなければ保管場所も無い。
買い漁った馬は馬主となっているけれど、厩舎代や飼育料は別。
種付けまで前金で支払い、まだ母馬の腹に宿ったかも判らない仔馬の件もある。前金で支払っているため、仔馬が生まれるまで母馬、父馬の飼育料金も払わねばならないし、荷馬車を引く馬が引退した後の余生を過ごす牧場の手入れも怠れば草が生え放題となってしまい付近の地主から苦情が来てしまう。
支払いが終わっているばかりに!サンルカ侯爵は悔やんで頭を抱えた。
荷馬車が完成すれば売ればいい、馬も売ればいい
そんな考えも浮かんだが、運送業をしていた時ですら85台あれば十分だった。
同業者は多くいるが、2000台もの荷馬車を買い取ってくれる人を探すだけでも骨が折れる。
馬だって2000台の馬車を交代して引く頭数。隣国にまで足を伸ばし買い漁って3000頭。そこに仔馬を依頼したものだから買い手を探しても供給過多になり値崩れを起こすのは間違いない。
そんなサンルカ侯爵に救いの神が現れた。
「貴方の所有する馬、そして牧場や製造中の荷馬車、全てを引き取りますよ」
「本当ですか!?それは助かる!で?幾らで買い取ってくれるんだ?」
「それなんですが、こちらもね?一気に引き取るんです。馬の飼育料で荷馬車代は相殺させて頂かねばソロバンが合いません」
――それでも馬代は手に入る!――
そう思ったサンルカ侯爵だったが甘かった。
「人件費もありますし、お支払いできるのは金貨20枚でしょうか」
「たった金貨20枚?!」
「そりゃそうですよ。馬の寿命からすればこれでも奮発したほうです。良いんですよ?馬は別でも。荷馬車と相殺で飼育料を貰う勘定ですから厩舎に飼い葉など15年ほどは供給しますしね」
――馬だけ残されて餌は無料でも、厩舎代がない――
そして男は言った。
「その金貨20枚で田舎に幾つか買った牧場。こちらも相殺させて頂きますよ」
「それじゃ私には全く金が入らないじゃ無いか!」
「そこなんですよね…10年以上になるであろう厩舎代に餌代。荷馬車が完成した後の保管場所代、牧場の維持管理費を負担しなくて良くなるかなと思って提案させて頂いたんですけど…すみませんね。虫が良すぎました。この話はなかった事に」
立ち去ろうとする男の背がどんどん遠くなっていく。
サンルカ侯爵の頭の中にはさっきの男の言葉がグルグルと回る。
確かに15年ほど飼育せねばならない馬にかかる費用は莫大。事業をしようにも荷馬車の置き場所がない。最大で4000頭を超える馬。それまでの事業を展開してもとても食べさせることはできない。
――ダメだ。金をかけて買ったが維持するのは無理だ――
サンルカ侯爵は覚悟を決めて男を呼んだ。
「待ってくれ!さっきの話!それでいい。引き取ってくれ」
「いいんですか?後でやめるとか言わないでくださいよ?」
手際のよい男は持っていたカバンから譲渡書を取り出すとまだ命が芽生えているかも判らない仔馬など細部に至るまでサンルカ侯爵に確認をし、屋外にも関わらず契約が成立した。
「家印は要らないのか?」
「構いませんよ。だって私は平民なので家印の前に姓もありません」
「平民?!だとしたらこんなに大量の荷馬車や馬をどうするんだ?」
「事業をするんですよ」
男は契約書をカバンに入れて、パチンと留め具を掛けると満面の笑み。
「ま、まさかと思うがその事業で運ぶ荷と言うのは・・・」
「石灰って言うらしいです。働く意欲があるなら貧民窟に住む住人で構わないと。でも馬も荷馬車も無いと言うと屋号のない商会が教えてくれたんです。面白い名前ですよね。名前がないかと思ったら”屋号のない商会”ってのが屋号だなんて。アハハ。これで事業が出来ます。ありがとうございました」
「ま、待て。やはりこの話はなかった事にする。さっきの書類を返してくれ」
「後でやめたとか言わないでって言いましたよね?書類をよく見なかったんですか?正式な書類で国から発行されている有料の譲渡書でしたよ?気が付きませんでしたか?僕たち平民はそうしないとサインした後で気が変わったとか言われるからと教えてもらったんです。こんな便利なものがあるなんて全然知らなかったんですよ」
「ま、まさかそれを使えと言ったのも?」
「えぇ。屋号のない商会ですよ。僕たちのような貧乏人にも手厚く、なんでも教えてくれるんですよ。あ、違法な事はしていませんよ?全て合法。いやぁ…知らないと損することっていっぱいあるなぁって知りましたよ。じゃ!」
サンルカ侯爵が数十億の借金をして買った品を無料で手に入れた男は今度こそサンルカ侯爵の前から去って行った。
☆~☆
返せる見込みのない借金かと思われていた。
サンルカ侯爵は虎の子の運送業の事業そのものを子爵家に売り払った。
それで全ての借入金は無くなったが、無くなったのは借金だけでなく全てを失い、残ったのは爵位だけ。
サンルカ侯爵では爵位を維持する事も出来ず、爵位は弟が引き継ぐが事業のなくなったサンルカ侯爵家。爵位税の支払いをする事を条件に弟は兄の家族の面倒をみる事を拒んだ。
債権者と話をして屋敷には月末まで住んでよい事になったがそれもあと10日ほど。
妻は離縁し実家に身を寄せた。
長男はサンルカ侯爵家の籍を抜いて妻の実家に婿入りの形を取って引っ越していった。
長女はなんとか縁を切らずにいてくれると言うのだが、言葉にせずとも理解せねばならない事もある。サンルカ侯爵はお礼の金品を用意せねばならなくなった。
使用人もいなくなったサンルカ侯爵家。
あんなに沢山あった調度品は1つもないし、取り壊すのだからと窓枠すらない部屋も幾つかある。
債権者の中には色々な世界に顔が利く者がいる。
サンルカ侯爵はこれから先、生きていく金も必要だしとジェセニアを嫁がせる事を決めた。
「ここの旦那がね、20歳くらいなら良いと」
男に手渡す仲介料を差し引いて、長女の嫁ぎ先に金を払えば僅かだが残る。倹しく何か仕事をしながら暮らせば男一人だ。なんとかやっていけるだろう。
ジェセニアの夫となるのは58歳の平民の男。
親が資産家で、平民なのにかなりに大きな家に住んでいる。
夫となる男には過去に妻が11人いたが、よほど女運がないのか先立たれていた。
「若くて、ギャンギャンと囀るのなら躾のし甲斐があると言ってましたけどね」
11人の妻に先立たたれたのはそう言う事だ。
「ジェセニア、お前の嫁ぎ先が決まった」
「え?ルシーは嫌って言ったじゃない。物も買ってくれないしつまんないもの」
「あぁ、彼じゃない。資産家でね。女性の中でも我儘を言う子が特にタイプなんだそうだ」
「尽くす系?やった!何買ってもらおうかな~」
「いいか?我儘を言う時は演技でもいい。思いっきり暴れるくらいがいいそうだ。お前にはかなり手を焼いたが…これでやっと手が離れる」
屋敷を明け渡す期限の日。ジェセニアの嫁ぎ先から遣わされた馬車が玄関前に止まる。
見送る使用人など誰一人残ってはいない。
父親のサンルカ侯爵と2人だけで過ごした数日間。屋敷に別れを告げてジェセニアはサンルカ侯爵と馬車に乗った。
「わぁ、すっごいフカフカのクッション!どんだけお金持ちなのかしら」
「そうだな。お前が生きている間には使い切れないだろうな」
「そんなに?!」
住んでいる家も平民とは思えないほど豪奢で門道には幾つも鉄格子がありその度に馬車が止まってガラガラと鉄格子が開いていく。
屋敷の窓にも外から鉄格子が嵌められていてまるで要塞。
「うーん。外観がおっさん臭いわ。全部やり替えてあげなきゃ。ね?お父様、宮にいた時に工事をする方法を教えてもらったの。外壁はやっぱり石張りがいいわよね」
重厚な玄関。ギィと開くと内側にはドアノブもハンドルレバーもない。
尤も、あったところで女性の力では手前に引く事も押す事も出来ない本当の意味での重厚な扉。
「あら?使用人っていないの?このおじさんが執事?」
サンルカ侯爵は軽く会釈をすると、問いかけたジェセニアには言葉を掛けずに玄関の外に出た。
ゆっくりと閉じた扉は召し合わせの辺りからカチリと施錠の音がした。
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