27 / 66
第27話 ゴミ箱が無い!?
「で、色々とルーフェルズ伯爵家絡みでご迷惑をお掛けするので、事前に切り離して頂きたいんです」
「なるほどな。良いだろう。シアの好きなように作成すればいい」
「良いんですか?」
「あぁ」
「後でこれがダメとか書き直しは嫌ですよ?」
「書き直す必要はない。シアがこうしたいと思う文言を書けばいい」
「ありがとうございます!じゃぁ早速作りますね」
(話の判る人で良かったわ。やっぱり不貞腐れてて拗ねてただけね)
初日にいきなり掛布を剥ぎ取って有無を言わせず、グイグイと押し切ったのも本当にイカれているのなら国王陛下に問われた時に、口調を変えたりはしない。
ライオットも自分の状況が受け入れられないし、何をどうしていいのか判らなかっただけだ。
(バレス侯爵家の人って良い人ばかりね)
ついつい鼻歌も飛び出し、パトリシアは同じ文面の書面を3つ作成した。
今夜侯爵夫妻と食事をする時にライオットは婚姻届けを作成するつもりなのだから時間もないし、そうなる前に手を打っておかねばならない。
1つはパトリシア、1つはライオット、もう1つは侯爵夫妻でもいいし貴族院の個人保管庫に預けても良い。我ながら完璧!!パトリシアはフンフン鼻息荒くライオットに説明を始めた。
「先ずはですね、この先私の携わる事業で起こりえるであろう揉め事などはバレス侯爵家には関係がない。よろしいですか?」
「ふむ。次は?」
「私、パトリシアが負債を抱えてもライオット様には弁済や肩代わり、立て替えの必要はない。よろしいですか?」
「なるほどね。次は?」
「バレス侯爵家に私が要因で不利益になる事象が起きた時、私パトリシアは離縁をし身1つで出て行く。慰謝料を残したいんですけど…払えるかどうかは判らないのでその時の個人資産全て…で、宜しいですか?」
「ふーん。これだけか?」
「これだけ…他に何かご要望が?」
「いいや?私はシアがこうしたい、その文面を書けと言った。私からは何もない」
「良かった!では署名を頂けますか?」
署名は3つとも作成者であるパトリシアは先に済ませてあった。
ライオットの目の前に3通が並べられ、パトリシアはペンを差し出した。
「すまないが、ゴミ箱を取ってくれないか」
「ゴミ箱?いいですよ。‥‥あれ?ない??ゴミ箱が無い?どうしよう」
キョロキョロするパトリシアに扉の外にいた従者がやってきてそっと教えてくれた。
「バレス侯爵家にゴミ箱は御座いません」
「えぇっ?!じゃ、どうしよう…」
「そうですねぇ…いくつかある花瓶を使えばどうでしょう」
「花瓶っ?!いやいや。どれも国宝級の花瓶ですよね?」
「まぁそうですが、その中から価値が無さそうなのを選んで頂ければ」
(選べるわけないでしょうに!!)
パトリシアは廊下に飛び出し、クリーンメイドが風で入り込んだ葉などを入れる箱をクリーンワゴンに載せていた。
「それ、貸してぇ!!」
「パトリシア様、どうされました?」
「それっ!その箱が欲しいの!」
「でしたら、これはもう廃棄する箱なので綺麗な箱を――」
「それが良いの!それじゃないとダメなの!捨てる箱が良いの」
廃棄をする箱なら価値はない。うっかり新しい箱を貰ってしまうと価値のある箱なら大変だ。
パトリシアは箱を受け取ると急いでライオットの待つ部屋に戻った。
「なるほどな。良いだろう。シアの好きなように作成すればいい」
「良いんですか?」
「あぁ」
「後でこれがダメとか書き直しは嫌ですよ?」
「書き直す必要はない。シアがこうしたいと思う文言を書けばいい」
「ありがとうございます!じゃぁ早速作りますね」
(話の判る人で良かったわ。やっぱり不貞腐れてて拗ねてただけね)
初日にいきなり掛布を剥ぎ取って有無を言わせず、グイグイと押し切ったのも本当にイカれているのなら国王陛下に問われた時に、口調を変えたりはしない。
ライオットも自分の状況が受け入れられないし、何をどうしていいのか判らなかっただけだ。
(バレス侯爵家の人って良い人ばかりね)
ついつい鼻歌も飛び出し、パトリシアは同じ文面の書面を3つ作成した。
今夜侯爵夫妻と食事をする時にライオットは婚姻届けを作成するつもりなのだから時間もないし、そうなる前に手を打っておかねばならない。
1つはパトリシア、1つはライオット、もう1つは侯爵夫妻でもいいし貴族院の個人保管庫に預けても良い。我ながら完璧!!パトリシアはフンフン鼻息荒くライオットに説明を始めた。
「先ずはですね、この先私の携わる事業で起こりえるであろう揉め事などはバレス侯爵家には関係がない。よろしいですか?」
「ふむ。次は?」
「私、パトリシアが負債を抱えてもライオット様には弁済や肩代わり、立て替えの必要はない。よろしいですか?」
「なるほどね。次は?」
「バレス侯爵家に私が要因で不利益になる事象が起きた時、私パトリシアは離縁をし身1つで出て行く。慰謝料を残したいんですけど…払えるかどうかは判らないのでその時の個人資産全て…で、宜しいですか?」
「ふーん。これだけか?」
「これだけ…他に何かご要望が?」
「いいや?私はシアがこうしたい、その文面を書けと言った。私からは何もない」
「良かった!では署名を頂けますか?」
署名は3つとも作成者であるパトリシアは先に済ませてあった。
ライオットの目の前に3通が並べられ、パトリシアはペンを差し出した。
「すまないが、ゴミ箱を取ってくれないか」
「ゴミ箱?いいですよ。‥‥あれ?ない??ゴミ箱が無い?どうしよう」
キョロキョロするパトリシアに扉の外にいた従者がやってきてそっと教えてくれた。
「バレス侯爵家にゴミ箱は御座いません」
「えぇっ?!じゃ、どうしよう…」
「そうですねぇ…いくつかある花瓶を使えばどうでしょう」
「花瓶っ?!いやいや。どれも国宝級の花瓶ですよね?」
「まぁそうですが、その中から価値が無さそうなのを選んで頂ければ」
(選べるわけないでしょうに!!)
パトリシアは廊下に飛び出し、クリーンメイドが風で入り込んだ葉などを入れる箱をクリーンワゴンに載せていた。
「それ、貸してぇ!!」
「パトリシア様、どうされました?」
「それっ!その箱が欲しいの!」
「でしたら、これはもう廃棄する箱なので綺麗な箱を――」
「それが良いの!それじゃないとダメなの!捨てる箱が良いの」
廃棄をする箱なら価値はない。うっかり新しい箱を貰ってしまうと価値のある箱なら大変だ。
パトリシアは箱を受け取ると急いでライオットの待つ部屋に戻った。
あなたにおすすめの小説
文句を言わない婚約者は、俺の愛する幼馴染みを許していなかった【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
幼馴染を優先しても、婚約者アウローラは何も言わない。だから、これからも幼馴染みとイチャイチャできる──
侯爵令息トリスタンは、そんな甘い幻想を信じていた。
だが婿入りした瞬間、彼の“軽んじた態度”はすべて清算される。
アウローラは冷徹に、トリスタンの傲慢と欲望を1つずつ暴き、労働と屈辱を与える。
そして最後に残ったのは、誰にも必要とされない現実だけ。
「どうして……俺は、こんなにも愚かだったんだ」
これは愛を勘違いし、身分を過信し、自分の価値を見誤った男の終焉を描くダークドラマ。
⚠️ 本作は AI の生成した文章を一部に使っています。過激ざまぁタグあります。
4/1「エステルに対する殺意」の内容を一部変更しました。
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)
【完結】不貞された私を責めるこの国はおかしい
春風由実
恋愛
婚約者が不貞をしたあげく、婚約破棄だと言ってきた。
そんな私がどうして議会に呼び出され糾弾される側なのでしょうか?
婚約者が不貞をしたのは私のせいで、
婚約破棄を命じられたのも私のせいですって?
うふふ。面白いことを仰いますわね。
※最終話まで毎日一話更新予定です。→3/27完結しました。
※カクヨムにも投稿しています。
【完結】え、別れましょう?
須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」
「は?え?別れましょう?」
何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。
ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?
だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。
※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。
ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。
完結 この手からこぼれ落ちるもの
ポチ
恋愛
やっと、本当のことが言えるよ。。。
長かった。。
君は、この家の第一夫人として
最高の女性だよ
全て君に任せるよ
僕は、ベリンダの事で忙しいからね?
全て君の思う通りやってくれれば良いからね?頼んだよ
僕が君に触れる事は無いけれど
この家の跡継ぎは、心配要らないよ?
君の父上の姪であるベリンダが
産んでくれるから
心配しないでね
そう、優しく微笑んだオリバー様
今まで優しかったのは?
【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
【完結160万pt】王太子妃に決定している公爵令嬢の婚約者はまだ決まっておりません。王位継承権放棄を狙う王子はついでに側近を叩き直したい
宇水涼麻
恋愛
ピンク髪ピンク瞳の少女が王城の食堂で叫んだ。
「エーティル様っ! ラオルド様の自由にしてあげてくださいっ!」
呼び止められたエーティルは未来の王太子妃に決定している公爵令嬢である。
王太子と王太子妃となる令嬢の婚約は簡単に解消できるとは思えないが、エーティルはラオルドと婚姻しないことを軽く了承する。
その意味することとは?
慌てて現れたラオルド第一王子との関係は?
なぜこのような状況になったのだろうか?
ご指摘いただき一部変更いたしました。
みなさまのご指摘、誤字脱字修正で読みやすい小説になっていっております。
今後ともよろしくお願いします。
たくさんのお気に入り嬉しいです!
大変励みになります。
ありがとうございます。
おかげさまで160万pt達成!
↓これよりネタバレあらすじ
第一王子の婚約解消を高らかに願い出たピンクさんはムーガの部下であった。
親類から王太子になることを強要され辟易しているが非情になれないラオルドにエーティルとムーガが手を差し伸べて王太子権放棄をするために仕組んだのだ。
ただの作戦だと思っていたムーガであったがいつの間にかラオルドとピンクさんは心を通わせていた。
(完)貴女は私の全てを奪う妹のふりをする他人ですよね?
青空一夏
恋愛
公爵令嬢の私は婚約者の王太子殿下と優しい家族に、気の合う親友に囲まれ充実した生活を送っていた。それは完璧なバランスがとれた幸せな世界。
けれど、それは一人の女のせいで歪んだ世界になっていくのだった。なぜ私がこんな思いをしなければならないの?
中世ヨーロッパ風異世界。魔道具使用により現代文明のような便利さが普通仕様になっている異世界です。