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第29話 憲兵さーん。こっちです!①
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オズヴァルドは偶然に父の部屋から聞こえる声を耳にしてしまった。
――ファティが出国しようとしてる?まさか?――
オズヴァルドの心の中は掻き乱される。寝ても冷めても心の中にいてオズヴァルドを悩ませる。住まいが別なだけでも苛ついているところに出国しようとしているとなればもう躾けるだけのお仕置きで済ませられるはずがない。
意に添わね結婚を受け入れて、ベアトリスを妻に迎えるのも先日目を閉じてファウスティーナを思い浮かべなんとか奮い立たせた局部。ベアトリスが帰った後は腫れあがるまで体を擦り、洗い続けた。
――ここまで俺が奮闘しているというのに!何故好き勝手ばかりするんだ!――
苛立ちは最高潮になり、オズヴァルドの目からは涙が溢れていた。
部屋に戻ると騎乗用の服に着替え、まだレンダール家から帰宅していない母親がドレス用クローゼットに隠してあったへそくりをポケットに捩じ込んだオズヴァルドは厩舎に向かい屋敷で一番遠乗りに向いている馬に鞍を付けさせると「暫く留守にする」とだけ言い残し、飛び出して行った。
「ヤボス村なら馬を5、6回乗り換えれば1週間で追いつくはずだ。くそっ!手間ばかりかけさせて!」
ヤボス村はまだマガリン王国なので関所を通る必要もないが、急がないと早ければあと2週間で国境を超える。見つけたという知らせが屋敷に届くまでの日数もあるので、時間的にいっただろうはギリギリ。オズヴァルドは兎に角馬を走らせてファウスティーナを追いかけたのだった。
★~★
オズヴァルドが飛び出して行ったあと、午後の茶の時間まではラーベ子爵も気分よく「返金処理」という胸糞悪い書類ばかりだったが、ペンを走らせる手も軽くスイスイと執務を済ませていた。
午後の茶が運ばれてきて一息ついた時、先程「書類を作成する」と言ったきり戻ってこない執事見習いがまだ書類を作り上げていないのかと呆れ気味に執事たちのいる部屋に出向いた。
「おい、書類は出来たのか?」
「書類…で御座いますか?」
数人いる執事は顔を見合わせて「頼まれたか?」「いいや」小さな声で会話をする。
「旦那様、どのような書類でしょうか」
「何を言ってるんだ!王家に捜索隊を出せと!!要請書を作るといっただろう」
「申し訳ございません…誰に?」
「誰って執事見習いだよ!公爵家から育ててやってくれと預かった男だ」
「それなら今日は半休ですので昼にはもう帰宅しましたが」
「帰宅?半休?馬鹿も休み休み言え。執事に休みなんか要らないだろうが!」
ラーベ子爵が執事たちに怒鳴っていると玄関ホールで門番からの連絡を受ける係の従者が部屋に走り込んできた。
「旦那様ぁ!!旦那様ぁ!!大変です!」
「なんだ。騒々しい。ここにいる」
ラーベ子爵が大声で返事をすると、ドアの枠に手を置いて身を乗り出すようにして信じられない言葉を従者は告げた。
「大変です。憲兵団が!旦那様に用があると!」
「は?憲兵?何の用だ?」
「それが…旦那様に捕縛許可証が出ていると!」
「なんだって?!どうして…」
身に覚えがない訳ではない。どれが該当する?と覚えのある事ばかりで問われた事に違った返事を返してしまったら余罪が加算されていく。
間者を雇い入れている貴族は確かにいるのだが、40年ほど前なら合法でも今は違法。内容に問わず間者を使った事がバレてしまえば爵位剥奪と財産没収の罰が与えられる。
財産没収は姻族を含め3親等までが該当する。但し姻族場合は財産を共有するなど確約がない場合は逃れられる事もある。過去に白い結婚で離縁をするため契約結婚をしていた者達を取り締まる名残だ。
間者でなくとも誘拐を企てたりしていれば爵位剥奪どころではない。良くて絞首刑、最悪斬首刑だ。
会計院に虚偽の報告をした場合は偽った金額の5倍のペナルティを支払った上に向こう10年間は事業は停止。事実上の爵位剥奪に近い。稼ぐ術を奪われて生きていくことも出来ないのに爵位は残る。そしてこの爵位はペナルティを払いきるまで相続人が払い続けねばならず相続放棄が出来ないのだ。
だから会計院に報告をする書類は間違いがあればすぐに訂正をする。
しかし、売掛金を持ち逃げされたと申告をしているので明らかな虚偽となってしまい、その場合はペナルティも事業停止期間も倍になる。
冷や汗が止まらないラーベ子爵の元に使用人の制止を振り切って憲兵がやって来た。
「貴殿が当主のラーベ殿か」
「は、はい。本日はどのような・・・」
「話を聞くのはここではない。憲兵団の兵舎で聞く。貴殿には本日11時05分に捕縛許可証が国王陛下並びに裁判院より発効された。大人しく従うも抵抗するも自由だ。行き先は1つだからな」
「従います。従いますがこのような事をされる覚えがないのです。何の罪状か教えて頂けますか」
フン。鼻を鳴らした憲兵は後ろに控える部下から罪状が書かれた書面をラーベ子爵の目の前に上下を掴んで突きつけた。
「読み上げてもいいぞ。先ずは未成年婦女暴行、続いて人身売買、未成年への違法薬物強要、誘拐未遂、間者及び諜報所有及び利用、会計院への虚偽申告、憲兵団への虚偽報告、これまでの罪状で4、5回斬首刑が受けられるが、国王陛下より他国民への殺人未遂教唆も加えられた。これが一番重いがな」
「た、他国の?何かの間違いです!そんな大それたこと!」
「ここで話は聞かないといったはずだ。貴殿の家の間者と名乗る男3人の身柄もこちらにある。未成年云々についても7年前より以前は時効になっているが、届けを受理した分は被害者が直接提出した。娼館の女将も観念しているが?」
ラーベ子爵が憲兵団の収監専用の檻付き荷馬車に放り込まれると、そこに夫人も帰宅した。
「なんですの?どうして夫が?!」
「ラーベ子爵夫人とお見受けするが?」
「え、えぇそうよ…それが何か?」
「貴女にも捕縛許可証が出ている。未成年婦女暴行だ」
「な、何の事です?何故私が幼い少女を?」
「罪状は婦女となっているが、2年前から性別問わずとなっている。13歳の少年に対する暴行罪だ」
「お前ッ!!そんな事をしていたのかっ!」
「人の事が言えるのか?お前を訴えている最年少は当時12歳だぞ」
「まぁー!なんて汚い!人間の屑だわ!ゴミよ!人じゃないわ。人外よ!」
ラーベ子爵もビックリである。違法なお楽しみ場に足を踏み入れるとこうなる。2人は後世の見本になるだろう。
ラーベ子爵家は捜索差押令状も出ており、屋敷の中は徹底的に憲兵により捜索を受けた。使用人達もここまでの罪状が全て濡れ衣だとは考えられず、一番軽い罪だけだとしても財産没収の爵位剥奪。
会計院への虚偽申告が一番軽そうにも見えるが間者と関係しているので片方を認めて片方は却下はあり得ずセットになり重い刑罰が適用される。
そんなラーベ子爵のカタを持ったところで何の得があるわけでもなく、むしろ共犯と思われる可能性があるため使用人達は日々働く中で「怪しいな」と思った事を全て暴露してしまった。
そして1人の憲兵がオズヴァルドの部屋で1枚の紙を見つけた。
「レンダール家のベアトリス…あぁあの素人専門娼婦令嬢か。こんな所で名前が出てくるとはな」
憲兵はベアトリスについては別の捕縛許可証を既に取得していた。
罪状は建造物放火教唆。与えられる刑罰は恩赦なしの無期懲役か公開絞首刑。
その罪だけならレンダール家はかつてのルフィード伯爵家と同じく犯罪者を出した家だけで済んだはずだったが、たった1枚の紙きれが明暗を分けた。
ラーベ子爵が内装の改修費として受け取った代金ではなく、結婚式の費用の割合分でもない。融資や投資は書面が調っていれば問題にはならない。
ただ、問題になるのはラーベ子爵が間者を使っていた事。これは姻族も対象になるが逃げられる方法もある。書面などにしていなかった場合だ。
しかし、発見された書類には「持参金や個人資産は夫婦の共有とする」とあり、これが夫婦となってからならまだ審理はされただろうが結婚前の婚約時から確約されていたとなれば連座となる。
もれなくレンダール家も財産を没収され爵位は剥奪。
この書類を見つけた憲兵団に入ってまだ2カ月の新人憲兵は大手柄だった。
何と言ってもレンダール家はダイヤモンド鉱山を所有しており、その埋蔵量はあと30年掘っても掘り尽くせないと言われていて莫大。国庫への大きな貢献となり数か月後には報奨金と共に階級が上がるだろう。
憲兵団がラーベ子爵家を後にすると1時間もしないうちに使用人も逃げ出してしまい屋敷は無人となった。
そしてこの余波は当然ラーベ子爵家だけに限らなかった。
★~★
同時刻、もう1話公開になっております<(_ _)>
――ファティが出国しようとしてる?まさか?――
オズヴァルドの心の中は掻き乱される。寝ても冷めても心の中にいてオズヴァルドを悩ませる。住まいが別なだけでも苛ついているところに出国しようとしているとなればもう躾けるだけのお仕置きで済ませられるはずがない。
意に添わね結婚を受け入れて、ベアトリスを妻に迎えるのも先日目を閉じてファウスティーナを思い浮かべなんとか奮い立たせた局部。ベアトリスが帰った後は腫れあがるまで体を擦り、洗い続けた。
――ここまで俺が奮闘しているというのに!何故好き勝手ばかりするんだ!――
苛立ちは最高潮になり、オズヴァルドの目からは涙が溢れていた。
部屋に戻ると騎乗用の服に着替え、まだレンダール家から帰宅していない母親がドレス用クローゼットに隠してあったへそくりをポケットに捩じ込んだオズヴァルドは厩舎に向かい屋敷で一番遠乗りに向いている馬に鞍を付けさせると「暫く留守にする」とだけ言い残し、飛び出して行った。
「ヤボス村なら馬を5、6回乗り換えれば1週間で追いつくはずだ。くそっ!手間ばかりかけさせて!」
ヤボス村はまだマガリン王国なので関所を通る必要もないが、急がないと早ければあと2週間で国境を超える。見つけたという知らせが屋敷に届くまでの日数もあるので、時間的にいっただろうはギリギリ。オズヴァルドは兎に角馬を走らせてファウスティーナを追いかけたのだった。
★~★
オズヴァルドが飛び出して行ったあと、午後の茶の時間まではラーベ子爵も気分よく「返金処理」という胸糞悪い書類ばかりだったが、ペンを走らせる手も軽くスイスイと執務を済ませていた。
午後の茶が運ばれてきて一息ついた時、先程「書類を作成する」と言ったきり戻ってこない執事見習いがまだ書類を作り上げていないのかと呆れ気味に執事たちのいる部屋に出向いた。
「おい、書類は出来たのか?」
「書類…で御座いますか?」
数人いる執事は顔を見合わせて「頼まれたか?」「いいや」小さな声で会話をする。
「旦那様、どのような書類でしょうか」
「何を言ってるんだ!王家に捜索隊を出せと!!要請書を作るといっただろう」
「申し訳ございません…誰に?」
「誰って執事見習いだよ!公爵家から育ててやってくれと預かった男だ」
「それなら今日は半休ですので昼にはもう帰宅しましたが」
「帰宅?半休?馬鹿も休み休み言え。執事に休みなんか要らないだろうが!」
ラーベ子爵が執事たちに怒鳴っていると玄関ホールで門番からの連絡を受ける係の従者が部屋に走り込んできた。
「旦那様ぁ!!旦那様ぁ!!大変です!」
「なんだ。騒々しい。ここにいる」
ラーベ子爵が大声で返事をすると、ドアの枠に手を置いて身を乗り出すようにして信じられない言葉を従者は告げた。
「大変です。憲兵団が!旦那様に用があると!」
「は?憲兵?何の用だ?」
「それが…旦那様に捕縛許可証が出ていると!」
「なんだって?!どうして…」
身に覚えがない訳ではない。どれが該当する?と覚えのある事ばかりで問われた事に違った返事を返してしまったら余罪が加算されていく。
間者を雇い入れている貴族は確かにいるのだが、40年ほど前なら合法でも今は違法。内容に問わず間者を使った事がバレてしまえば爵位剥奪と財産没収の罰が与えられる。
財産没収は姻族を含め3親等までが該当する。但し姻族場合は財産を共有するなど確約がない場合は逃れられる事もある。過去に白い結婚で離縁をするため契約結婚をしていた者達を取り締まる名残だ。
間者でなくとも誘拐を企てたりしていれば爵位剥奪どころではない。良くて絞首刑、最悪斬首刑だ。
会計院に虚偽の報告をした場合は偽った金額の5倍のペナルティを支払った上に向こう10年間は事業は停止。事実上の爵位剥奪に近い。稼ぐ術を奪われて生きていくことも出来ないのに爵位は残る。そしてこの爵位はペナルティを払いきるまで相続人が払い続けねばならず相続放棄が出来ないのだ。
だから会計院に報告をする書類は間違いがあればすぐに訂正をする。
しかし、売掛金を持ち逃げされたと申告をしているので明らかな虚偽となってしまい、その場合はペナルティも事業停止期間も倍になる。
冷や汗が止まらないラーベ子爵の元に使用人の制止を振り切って憲兵がやって来た。
「貴殿が当主のラーベ殿か」
「は、はい。本日はどのような・・・」
「話を聞くのはここではない。憲兵団の兵舎で聞く。貴殿には本日11時05分に捕縛許可証が国王陛下並びに裁判院より発効された。大人しく従うも抵抗するも自由だ。行き先は1つだからな」
「従います。従いますがこのような事をされる覚えがないのです。何の罪状か教えて頂けますか」
フン。鼻を鳴らした憲兵は後ろに控える部下から罪状が書かれた書面をラーベ子爵の目の前に上下を掴んで突きつけた。
「読み上げてもいいぞ。先ずは未成年婦女暴行、続いて人身売買、未成年への違法薬物強要、誘拐未遂、間者及び諜報所有及び利用、会計院への虚偽申告、憲兵団への虚偽報告、これまでの罪状で4、5回斬首刑が受けられるが、国王陛下より他国民への殺人未遂教唆も加えられた。これが一番重いがな」
「た、他国の?何かの間違いです!そんな大それたこと!」
「ここで話は聞かないといったはずだ。貴殿の家の間者と名乗る男3人の身柄もこちらにある。未成年云々についても7年前より以前は時効になっているが、届けを受理した分は被害者が直接提出した。娼館の女将も観念しているが?」
ラーベ子爵が憲兵団の収監専用の檻付き荷馬車に放り込まれると、そこに夫人も帰宅した。
「なんですの?どうして夫が?!」
「ラーベ子爵夫人とお見受けするが?」
「え、えぇそうよ…それが何か?」
「貴女にも捕縛許可証が出ている。未成年婦女暴行だ」
「な、何の事です?何故私が幼い少女を?」
「罪状は婦女となっているが、2年前から性別問わずとなっている。13歳の少年に対する暴行罪だ」
「お前ッ!!そんな事をしていたのかっ!」
「人の事が言えるのか?お前を訴えている最年少は当時12歳だぞ」
「まぁー!なんて汚い!人間の屑だわ!ゴミよ!人じゃないわ。人外よ!」
ラーベ子爵もビックリである。違法なお楽しみ場に足を踏み入れるとこうなる。2人は後世の見本になるだろう。
ラーベ子爵家は捜索差押令状も出ており、屋敷の中は徹底的に憲兵により捜索を受けた。使用人達もここまでの罪状が全て濡れ衣だとは考えられず、一番軽い罪だけだとしても財産没収の爵位剥奪。
会計院への虚偽申告が一番軽そうにも見えるが間者と関係しているので片方を認めて片方は却下はあり得ずセットになり重い刑罰が適用される。
そんなラーベ子爵のカタを持ったところで何の得があるわけでもなく、むしろ共犯と思われる可能性があるため使用人達は日々働く中で「怪しいな」と思った事を全て暴露してしまった。
そして1人の憲兵がオズヴァルドの部屋で1枚の紙を見つけた。
「レンダール家のベアトリス…あぁあの素人専門娼婦令嬢か。こんな所で名前が出てくるとはな」
憲兵はベアトリスについては別の捕縛許可証を既に取得していた。
罪状は建造物放火教唆。与えられる刑罰は恩赦なしの無期懲役か公開絞首刑。
その罪だけならレンダール家はかつてのルフィード伯爵家と同じく犯罪者を出した家だけで済んだはずだったが、たった1枚の紙きれが明暗を分けた。
ラーベ子爵が内装の改修費として受け取った代金ではなく、結婚式の費用の割合分でもない。融資や投資は書面が調っていれば問題にはならない。
ただ、問題になるのはラーベ子爵が間者を使っていた事。これは姻族も対象になるが逃げられる方法もある。書面などにしていなかった場合だ。
しかし、発見された書類には「持参金や個人資産は夫婦の共有とする」とあり、これが夫婦となってからならまだ審理はされただろうが結婚前の婚約時から確約されていたとなれば連座となる。
もれなくレンダール家も財産を没収され爵位は剥奪。
この書類を見つけた憲兵団に入ってまだ2カ月の新人憲兵は大手柄だった。
何と言ってもレンダール家はダイヤモンド鉱山を所有しており、その埋蔵量はあと30年掘っても掘り尽くせないと言われていて莫大。国庫への大きな貢献となり数か月後には報奨金と共に階級が上がるだろう。
憲兵団がラーベ子爵家を後にすると1時間もしないうちに使用人も逃げ出してしまい屋敷は無人となった。
そしてこの余波は当然ラーベ子爵家だけに限らなかった。
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