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第30話 注意はしたのに
プリンガ―伯爵家のベルドーマンが来たと聞き、カーティスは浮足立った。
扉が開いた時、わざわざ1、2歩の位置まで出迎えたほどの歓迎ぶり。
しかし、ベルドーマンの後ろに数人の大臣がいる事にカーティスの顔が曇った。
「なんだ、お前たちも一緒か…チッ」
舌打ちをする国王に最早苦言を呈する者もいない。
「本日は突然の事ですのに面会を許可頂きありがとうございます」
「気にするな。ベルドーマンだったな。今日はどうしたのだ?代替わりの報告か?」
「代替わり…似たようなものでしょうか」
「そうか。それは喜ばしい事だ。で?何時からだ?」
「それは何時でも。10分後と言えば10分後ですし明日からと言えば明日から。陛下の御意向に従いましょう」
「そうか!ならば善は急げという。今すぐにでも認めようぞ」
「宜しいのですが?話も聞かずにその様なご決断をされても」
「構わん。どこに問題があるというのだ?私が決める事だぞ?」
「説明の手間が省けて何よりと言いたいところですが、今1つ、話を聞いてからの方が宜しいのでは御座いませんか?」
「くどい!!構わんと言っている。話などどうせどこも同じで似たり寄ったり。省略するに限るだろう」
「左様でございますか。ここにいる全員が陛下のご決断には心からの感謝を。つきましては署名を頂きたく」
カーティスの目の前には厚さにして3cmはあろうかという書類の束が置かれた。
まさかこれ、1枚ごとに署名をするのか?カーティスは息を飲んだ。
ベルドーマンは笑顔をそのままに告げた。
「御署名は最後の1枚です。手前にある書面に全て目を通して頂き、納得をされたのであれば――」
「あ~後で読んでおく。最後の1枚だな?」
誰もが声を発することもない。息をする呼吸すら止めてしまいカーティスが署名をするのを見守る。まさか1枚も捲りもせず、いきなり最後のページを開いて署名をするとは思わなかった。
ベルドーマンは最初の数枚は目を通すだろうから、そこに厳しい内容を記載をしていた。
反論をするのであれば昨日ウェルシェスとベールジアンにより取り付けて来たレブレス王国の王太子との話はまだ伏せておき、説き伏せるつもりだった。
「同じものがもう1つ御座います。確認を頂きまして――」
「まだあったのか。それもそうだな。正本と副本があるのは当然だ。そちらも最後のぺージだな?」
「はい。ですがお読みいただくことをお勧めします」
「後で読んでおく」
これが国王だったのかとその場にいる誰もがこれまでの事を思い出し、ガッカリした。
思えば執務も政務も側妃に丸投げだったのだから仕方がない事でもあるがそれで成り立ってきた国。やはりもう末期だったのだと思うしかない。
カーティスは署名を終えると、にこやかにベルドーマンに語り掛けた。
「で?事業は引き継ぐのか?それから…ウェルシェスから何か連絡はあったか?」
前者か後者かと言えばカーティスの聞きたいのは後者だろう。
ベルドーマンはせめてもの餞別だとウェルシェスの所在を明かした。
「妹のウェルシェスは王都に戻っております」
「おぉ!そうか。で?登城は何時だ?」
「登城?致しませんよ。何故妹が登城をせねばならないのです?訳も解らぬまま王都追放を命じられ大人しく従ったと思えば捜索していると聞き、何故だと問うてきたのです」
「そうなんだ。いや、私もあの時はそれでよいと思っていたが知っての通りレブレス王国が無理難題を突き付けてきてな。いやもう~困ったのなんの。で?対話に向かってくれるのだろう?」
「向かったとしてももう、貴方には関係のない事です。ライラ殿と末永くこの国の安寧を祈って頂くのですから」
「は?ベルドーマン。いったい何を言っているのだ?」
カーティスは目を丸くしてベルドーマンの顔を見たが、同時に護衛だとばかり思っていた兵士2人に両腕を掴まれ、強制的に立たされた。
「な、何をするんだ!」
「陛下には先ほど申しました通り、ライラ殿と末永くこの国の安寧を祈って頂きます。祈りを捧げるのにこんな華美な部屋は不要。城でも一番風通しの良い部屋に移って頂きます」
「どういうことだ!貴様!」
「なんとでも。私は念押しもしたはずですよ。署名をする前に数枚でもいいので目を通してほしいと。先ほどの書面は貴方とライラ殿には民衆の模範、そしてお飾りの王家となる旨が事細かに記されております。いくら執務、政務をしなくても文字は読めるでしょうし、読み疲れる前に納得をして頂こうと最初の数枚にその事を記したのです。ここまで全てが無駄になるとは…全く予想外でしたが」
「なんだと?!そんな事は了承していない!騙したな?!」
「騙すも何も。何度も読めと言ったでしょうに。あとで副本はお渡しします。夜更かしをされると翌日に響きますので日に1行でも読んで頂ければ」
何とも呆気ない。
ベルドーマンの隣で控えていた大臣もまさかここまでとは思っていなかったようで呆けてしまっている。
兵士に連れられて行くカーティスの声に重なるようにライラの叫び声も暫くこだましていた。
カーティスとライラの声が聞こえなくなった時、ドベールマンは隣でまさか自分には何もないと長い息を吐いた大臣に微笑んだ。
「今のうちに大事な物は持ち帰った方がいいですよ。貴方たちも同罪です」
「え?は?…どういうことだ?」
「まさかと思いますが読まれていないのですか?」
ドベールマンは先ほどカーティスが署名をした2つの書類の束を指で示した。
まさかと大臣の顔は汗が吹き出している事から体温は上がっているはずなのに真っ青になっていく。
「全877ページ御座いますが、そのうちの538ページから702ページまでは現在の大臣たち、そして議会について書かれていますよ。貴方にも同じものをお渡ししたんですけどね?」
大臣は読むには読んだ。但し最初の15ページほど。
カーティスが国王としての座にはそのままとなるが、そこは読んでも大臣は解任若しくは罷免、現議会は解散し広く民衆から議員を選出することが書かれていた自分たちに関する事までは読んでいなかった。
「国王が署名をしたのです。従って頂きますよ」
「き、貴様!たかが伯爵家の小童の分際で!」
「間違えられては困ります。署名をしたのは国王、小童の私ではありません。そして読んでおいて欲しい、ただ分厚くなっているので大臣たちで読みまわすようにと渡したのは1か月も前です。まさかと思いますが?」
そこには従者の目もある。まだ兵士もいる。大臣はまさか自分もカーティスと同じで読んでいないとは言えなかった。
「よ、読ん…だ」
「なら問題ありませんね。たかが小童なんて仰るから同類かと思ってしまいました。ではレブレス王国との話の期限はあと2か月ほどあります。民衆に議員選出の件を伝えるのに1か月、選ぶのに1週間。十分に間に合いますのでご安心ください。勿論、貴方も新議会の議員に選ばれるかどうかは解りませんが立候補の権利だけはありますので、ご安心を」
にこりと笑みを残し、ベルドーマンは王宮を後にした。
玄関まで来た時、既に王宮で有志達の息がかかった者は全てを刷新するために動き始めていた。
歴代国王の肖像画が壁から取り外されると誰も受け取らず、床に向かって放り投げられる。
大きな音に何事?!と何も知らない使用人や従者は視線を向けるが誰に何を言われずとも足早にその場を去っていく。その光景が今までのマルスグレット王国が築き上げて来たもの。
ベルドーマンは「やれやれ。ゴミの処分にも時間がかかるね」そう呟いて馬車に乗り込んだ。
扉が開いた時、わざわざ1、2歩の位置まで出迎えたほどの歓迎ぶり。
しかし、ベルドーマンの後ろに数人の大臣がいる事にカーティスの顔が曇った。
「なんだ、お前たちも一緒か…チッ」
舌打ちをする国王に最早苦言を呈する者もいない。
「本日は突然の事ですのに面会を許可頂きありがとうございます」
「気にするな。ベルドーマンだったな。今日はどうしたのだ?代替わりの報告か?」
「代替わり…似たようなものでしょうか」
「そうか。それは喜ばしい事だ。で?何時からだ?」
「それは何時でも。10分後と言えば10分後ですし明日からと言えば明日から。陛下の御意向に従いましょう」
「そうか!ならば善は急げという。今すぐにでも認めようぞ」
「宜しいのですが?話も聞かずにその様なご決断をされても」
「構わん。どこに問題があるというのだ?私が決める事だぞ?」
「説明の手間が省けて何よりと言いたいところですが、今1つ、話を聞いてからの方が宜しいのでは御座いませんか?」
「くどい!!構わんと言っている。話などどうせどこも同じで似たり寄ったり。省略するに限るだろう」
「左様でございますか。ここにいる全員が陛下のご決断には心からの感謝を。つきましては署名を頂きたく」
カーティスの目の前には厚さにして3cmはあろうかという書類の束が置かれた。
まさかこれ、1枚ごとに署名をするのか?カーティスは息を飲んだ。
ベルドーマンは笑顔をそのままに告げた。
「御署名は最後の1枚です。手前にある書面に全て目を通して頂き、納得をされたのであれば――」
「あ~後で読んでおく。最後の1枚だな?」
誰もが声を発することもない。息をする呼吸すら止めてしまいカーティスが署名をするのを見守る。まさか1枚も捲りもせず、いきなり最後のページを開いて署名をするとは思わなかった。
ベルドーマンは最初の数枚は目を通すだろうから、そこに厳しい内容を記載をしていた。
反論をするのであれば昨日ウェルシェスとベールジアンにより取り付けて来たレブレス王国の王太子との話はまだ伏せておき、説き伏せるつもりだった。
「同じものがもう1つ御座います。確認を頂きまして――」
「まだあったのか。それもそうだな。正本と副本があるのは当然だ。そちらも最後のぺージだな?」
「はい。ですがお読みいただくことをお勧めします」
「後で読んでおく」
これが国王だったのかとその場にいる誰もがこれまでの事を思い出し、ガッカリした。
思えば執務も政務も側妃に丸投げだったのだから仕方がない事でもあるがそれで成り立ってきた国。やはりもう末期だったのだと思うしかない。
カーティスは署名を終えると、にこやかにベルドーマンに語り掛けた。
「で?事業は引き継ぐのか?それから…ウェルシェスから何か連絡はあったか?」
前者か後者かと言えばカーティスの聞きたいのは後者だろう。
ベルドーマンはせめてもの餞別だとウェルシェスの所在を明かした。
「妹のウェルシェスは王都に戻っております」
「おぉ!そうか。で?登城は何時だ?」
「登城?致しませんよ。何故妹が登城をせねばならないのです?訳も解らぬまま王都追放を命じられ大人しく従ったと思えば捜索していると聞き、何故だと問うてきたのです」
「そうなんだ。いや、私もあの時はそれでよいと思っていたが知っての通りレブレス王国が無理難題を突き付けてきてな。いやもう~困ったのなんの。で?対話に向かってくれるのだろう?」
「向かったとしてももう、貴方には関係のない事です。ライラ殿と末永くこの国の安寧を祈って頂くのですから」
「は?ベルドーマン。いったい何を言っているのだ?」
カーティスは目を丸くしてベルドーマンの顔を見たが、同時に護衛だとばかり思っていた兵士2人に両腕を掴まれ、強制的に立たされた。
「な、何をするんだ!」
「陛下には先ほど申しました通り、ライラ殿と末永くこの国の安寧を祈って頂きます。祈りを捧げるのにこんな華美な部屋は不要。城でも一番風通しの良い部屋に移って頂きます」
「どういうことだ!貴様!」
「なんとでも。私は念押しもしたはずですよ。署名をする前に数枚でもいいので目を通してほしいと。先ほどの書面は貴方とライラ殿には民衆の模範、そしてお飾りの王家となる旨が事細かに記されております。いくら執務、政務をしなくても文字は読めるでしょうし、読み疲れる前に納得をして頂こうと最初の数枚にその事を記したのです。ここまで全てが無駄になるとは…全く予想外でしたが」
「なんだと?!そんな事は了承していない!騙したな?!」
「騙すも何も。何度も読めと言ったでしょうに。あとで副本はお渡しします。夜更かしをされると翌日に響きますので日に1行でも読んで頂ければ」
何とも呆気ない。
ベルドーマンの隣で控えていた大臣もまさかここまでとは思っていなかったようで呆けてしまっている。
兵士に連れられて行くカーティスの声に重なるようにライラの叫び声も暫くこだましていた。
カーティスとライラの声が聞こえなくなった時、ドベールマンは隣でまさか自分には何もないと長い息を吐いた大臣に微笑んだ。
「今のうちに大事な物は持ち帰った方がいいですよ。貴方たちも同罪です」
「え?は?…どういうことだ?」
「まさかと思いますが読まれていないのですか?」
ドベールマンは先ほどカーティスが署名をした2つの書類の束を指で示した。
まさかと大臣の顔は汗が吹き出している事から体温は上がっているはずなのに真っ青になっていく。
「全877ページ御座いますが、そのうちの538ページから702ページまでは現在の大臣たち、そして議会について書かれていますよ。貴方にも同じものをお渡ししたんですけどね?」
大臣は読むには読んだ。但し最初の15ページほど。
カーティスが国王としての座にはそのままとなるが、そこは読んでも大臣は解任若しくは罷免、現議会は解散し広く民衆から議員を選出することが書かれていた自分たちに関する事までは読んでいなかった。
「国王が署名をしたのです。従って頂きますよ」
「き、貴様!たかが伯爵家の小童の分際で!」
「間違えられては困ります。署名をしたのは国王、小童の私ではありません。そして読んでおいて欲しい、ただ分厚くなっているので大臣たちで読みまわすようにと渡したのは1か月も前です。まさかと思いますが?」
そこには従者の目もある。まだ兵士もいる。大臣はまさか自分もカーティスと同じで読んでいないとは言えなかった。
「よ、読ん…だ」
「なら問題ありませんね。たかが小童なんて仰るから同類かと思ってしまいました。ではレブレス王国との話の期限はあと2か月ほどあります。民衆に議員選出の件を伝えるのに1か月、選ぶのに1週間。十分に間に合いますのでご安心ください。勿論、貴方も新議会の議員に選ばれるかどうかは解りませんが立候補の権利だけはありますので、ご安心を」
にこりと笑みを残し、ベルドーマンは王宮を後にした。
玄関まで来た時、既に王宮で有志達の息がかかった者は全てを刷新するために動き始めていた。
歴代国王の肖像画が壁から取り外されると誰も受け取らず、床に向かって放り投げられる。
大きな音に何事?!と何も知らない使用人や従者は視線を向けるが誰に何を言われずとも足早にその場を去っていく。その光景が今までのマルスグレット王国が築き上げて来たもの。
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