子宮が疼く愛が欲しい

環流 虹向

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Fake Friend

為体

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中心ちこちゃんと日没にちぼつくんが付き合うための手伝いって言っても、無子はバレンタイン事件があるから気安くは話しかけられないし、話しかけたとして周りが冷やかすだけ。

だから無子に出来ることは中心ちゃんがいつ日没くんと会っても可愛くいられるように、メイク崩れのチェックや日没くんの位置把握、日没くんが何を好きなのか遠方で出来るだけのリサーチをしていた。

そんな中、不意に日没くんが無子の近くに来ることがあれば中心ちゃんを呼んで距離感を狭めることに徹していた。

そういう日々が続く中、中心ちゃんはある良さげな交換ノートを見つけて無子と毎日のように交換していた。

その中には日没くん情報や、クラスメイトの愚痴、ドラマや漫画でおすすめなものなど、そういう他愛のないものを真っ黒な紙のノートに書き綴り、ぱっと見誰が見ても内容がすぐに読めないノートを使う中で無子は物語を書いてみた。

すると、中心ちゃんから『良い』を頂いたので今度はその日記ではなくて、別のノート書いていくことにした。

それが、私の人生初処女作。

しかもちゃっかり日没くんを出しちゃったのは、自分の不完全燃焼の気持ちが若干残っていたのかもしれない。

けど、そんな自分の気持ちより物語の中で現実世界ではそうならない日没くんと恋沙汰のないクラスメイトをくっつけたお話に無子はしてみた。

その中で、中学生らしからぬ浮気をしてしまったりするのはモテ男くんのイメージだったからなんだろう。

そんな処女作を自分ではあまり読み返さず、無子がただ書きなぐったものを中心ちゃんは完結まで読んでくれた。

だから無子も完結まで書けたんだろうし、また別の物語を作ってみようと思って中途半端でやりかけになってしまったノートが2、3個実家の押し入れに未だにある。

当時の無子は処女作を終えて一旦筆を休めることにした。

その理由は処女作を中心ちゃん以外の人に見られてしまったから。

中心ちゃんが無子の物語を教室で読んでいると、中心ちゃんがいじめられている時に助けてくれなかった友達2人がこっそりそれを覗き見て、無子がまだ日没くんのことが好きだと勘違いし、学年中にその噂を広めた。

これは自分にも非があるからしょうがない。

その小説に『明方 日没あけがた にちぼつ』って、しっかり本名で書いちゃったんだ。

しかも他の登場人物たちもしっかり本名。

これだから素人はやらかす。

それに反省して次の作品は別名にしたけど学がない能無しだから、もじりレベルが低くてちょっと考えればバレる。

だから他作品をまたすぐに書かなくて正解だったんだと思う。

無子はその小説がバレてからまた日没くんとその取り巻きとの距離が開き、学校での居場所がほとんどなくなった。

その当時、無子の居場所は、中心ちゃんの隣、自分の席、吹奏楽部の決められたパートくらいしかなかった。

けど、そんな吹奏楽部も百嘘ももきちゃん、他好たこちゃん、鍵音きねちゃんが好きで無子が苦手な友達ばかりで行く気が最高に失せた。

なので、部活は本当に幽霊部員レベルのスタンス。

けど、クラスに吹奏楽部で同じパートの他好ちゃんや鍵音ちゃんの友達で部長の踏心ふみこちゃんがいたからどうしても参加せざるを得なかった。

本当にただただ地獄でなんでわざわざ私を呼ぶんだろうさえ思っていた。

だって、真面目にやらない部員がいるからこそ、音のまとまりが悪いのにそれをわざわざ取り入れるなんて馬鹿のすることだと私は思っちゃう。

こういうのが多分、協調性がないって言うんだろうね。

でもこれが孤谷 無子だからしょうがない。

その部活を取り巻く環境が、私を受け入れようとも思ってないのがビンビンに伝わってくるからいないようにしてるのになんでチームに入れようって思うんだろう。

無子には“チーム”のあり方がずっと分からないままだったので、3年生のコンクールに向けての練習は本当にサボりまくった。


環流 虹向/子宮が疼く愛が欲しい
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