一なつの恋

環流 虹向

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「えっ!今日告白するのぉ!?」

と、明が海斗のびっくり発言を聞いて昼飯を食べていた教室中に響き渡らせる。

今は夏休みの中盤でとても暑いからか、俺たち5人以外のクラスメイトが来ていなかったことに奏たちと一緒に胸を撫で下ろす。

奏「明、廊下まで聞こえちゃうからもう少し静かに。」

明「ご、ごめん!応援してたからびっくらぽんだよ。」

将「俺はこの日を待ちわびていた!」

一「なんで今日にしようと思ったんだ?」

今日は家の近場で祭りや花火大会があるとは聞いてないし、2人が夜にデートに行くなんて珍しいと感じた俺は質問してみた。

海斗「今日は流星群が見える日らしいんだ。」

明「星降る夜に告白♡いいね!将、俺たちも流星群見に行こっ!」

将「…おう!行こ行こ!酒呑みリターンズだ!」

2人は星より酒を優先している中、奏は羨ましそうな顔をして海斗に微笑む。

奏「いいね。愛子ちゃん喜びそう。」

海斗「まあ…、願掛けしながらじゃないと勇気が出ないヘタレな俺に愛子が振り向いてくれるわけないけどな。」

その言葉に俺たちは頭の上に?を浮かべる。

きっとみんな愛子ちゃんが海斗のことを好きなのを知っているからだけれど、海斗自身気づいていないのか…?

毎晩寝る前に電話して、バイトがない日は大体俺たちと遊ばずに愛子ちゃんの元に行ってる一途な海斗を見て、元から海斗が好きな愛子ちゃんはもっと好きになったと思うんだけどな。

一「願掛けでもなんでも伝えようって思ったならいいじゃん。振られてもチャンスが1回だけなんて決まりないんだし。」

明「…そうだよ!どっかの俳優は何回もアタックして結婚したじゃん!」

将「自信がなくても自信ありげな雰囲気の方がカッコよく見えるぞ。」

奏「海斗の気持ちが伝われば愛子ちゃんもその気持ちにしっかり答えてくれるよ。2人なら大丈夫。」

俺たちがあまり見ない気弱な海斗を元気づけていると、海斗はまだいない我が子を見るように微笑んだ。

海斗「ひとり身の言葉は心強いな。」

と、海斗は冗談交じりに言いながら笑う。

将「明日は永海の知り合いと合コンだから!海斗に追いつくぞ。」

明「そうだそうだ!俺、海斗の次に彼女出来ちゃうよ!」

2人は若干ムキになりながら穏やかに笑う海斗に宣戦布告した。

一「明日の合コンに来たいと言いださないように願ってる。」

奏「そんなことないと思うけどね。」

海斗以外の4人がそう頷くと海斗は自分の自信を取り戻したのか、1度頷いてしっかりと伝えてくると言って今日の夜の意気込みを掲げてくれた。

そんな海斗を見ていた俺も、今好きな人にちゃんと思いを伝えに行くことにした。




→ 星にのせて
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