ここのサキには

環流 虹向

文字の大きさ
12 / 25
12/25

10:00

しおりを挟む
頭、痛い…。

久しぶりに呑み過ぎた私はベッドから起き上がろうとすると、腕が体に巻きついていることに気がつく。

雅紀「…ななみん、朝だよ。携帯に電話かかってきてるし。」

私はホテルのベッド脇にあるななみんの携帯に手を伸ばすと、ななみんははだけて出てきた私の胸に顔を埋めて口でオナラを鳴らした。

なな「もうちょっと寝よ…。」

雅紀「ホテルの時間がもうギリギリだよ。」

なな「えー…?んなわけない。」

そう言ってななみんは自分の携帯を見て時間を確認すると、パンツしか履いていない綺麗に筋肉が付いている彫刻像みたいな体を起こした。

なな「やっべー…、友達との約束間に合わねぇ。」

雅紀「え?遊ぶ約束あったの?」

なな「でも、あっちも寝坊したっぽいし、夜どうせ会うし大丈夫。」

雅紀「そっか。じゃあ朝活でもする?」

なな「もう昼活だし、モーニング売ってないよ。」

雅紀「目が覚めたらそれが自分の朝なの。だから夜の6時でも朝だよ。」

なな「夜って言ってんじゃん。」

ななみんは私の矛盾に笑うと喉が乾いていたのか咳き込み、そばにあった水を飲んだ。

それが一との行動瓜二つで私は一に会いたくなってしまった。

けれど、昨日は音己の家でパーティーすると言ってたし、今日は瑠愛くん家でもパーティーをするから忙しくて会えないだろう。

なな「本当に雅紀って面白い。全部があべこべ。」

と言って、昨日の夜一気に酔いが覚めた私の体を見たななみんは人差し指で私の蕾をひと撫でした。

それに私が思わず反応してしまうと、ななみんは意地悪げに笑う。

なな「女だったら抱いてた。雅紀って姉ちゃんいないの?」

雅紀「…いないよ。妹もいない。」

なな「ひとりっ子?」

雅紀「うん。ななみんもひとりっ子な感じする。」

なな「ぴんぽん、正解♡」

そう嬉しそうに言ってくれたななみんは立ち上がり、服を着始めたので私も服を着替えて外に出る準備をする。

なな「ひとりっ子って親からのプレッシャーすごくない?俺ん家だけ?」

雅紀「私の場合は放任主義だったからそんな感じはしなかったかな。」

なな「で、女になったの?」

と、ななみんは私のコートを手に持ち着させてくれる。

雅紀「んー…。まあ、元を辿ったらそこに行き着くのかもね。」

なな「ふーん。そこに行き着くまでが複雑だと。」

雅紀「まあ、そうだね。」

なな「俺も複雑な人生してみたかったなー。」

そんな事を言いながらななみんはダウンを着ると、靴を履いて私の手を取ってパンプスを履くのを手伝ってくれる。

こんな人が自分の彼氏だったらきっと彼女は嬉しいんだろうなと私はお試し彼氏をしてもらったななみんと焼き魚が美味しい定食屋に入り、クリスマスの朝に昨日まで赤の他人だった人と食べているとななみんはとても綺麗にホッケの塩焼きを食べ終え満足そうな顔をする。

なな「ご馳走さま。奢ってもらうとは思わなかった。」

雅紀「ホテル代出してもらったし、このくらいはさせて。」

なな「じゃああと1個。わがまま聞いてもらっていい?」

雅紀「内容によるね。」

なな「雅紀のBARで働いてみたい。無給でいいから今日ちょっとだけ働かせてよ。」

雅紀「え…、今日クリスマスだし、夜予定あるって言ってなかったっけ?」

なな「終電乗れれば大丈夫だからそれまで働かせてよ。グラスの片付けとかなんでもやるし。」

…確か、人は足りてないんだよな。

今日はなるべく休みたい子たちを休ませて、明けで呑みに行くつもりの4人で回す予定だったから今日の反響具合を観ると圧倒的に足りてないのが分かる。

雅紀「カクテルは作ったことある?」

なな「マドラーで混ぜるくらいなら。」

雅紀「じゃあこれから人気のカクテルのレシピ教えるから一旦服着替えて初めて飲んだBARに集合しよ。」

なな「え?俺、採用された?」

雅紀「うん。後で一応身分証見せてね。」

なな「やった!バーテンダーになれる!」

そう嬉しそうに喜んでくれるななみんの顔を見て私は昨日の酔いつぶれて苦しそうに泣いていたななみんがいなくなったことに安心し、1日限定でバーテンダーをやってもらうことにした。


環流 虹向/ここのサキには
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!

翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。 「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。 そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。 死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。 どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。 その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない! そして死なない!! そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、 何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?! 「殿下!私、死にたくありません!」 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ ※他サイトより転載した作品です。

人生の全てを捨てた王太子妃

八つ刻
恋愛
突然王太子妃になれと告げられてから三年あまりが過ぎた。 傍目からは“幸せな王太子妃”に見える私。 だけど本当は・・・ 受け入れているけど、受け入れられない王太子妃と彼女を取り巻く人々の話。 ※※※幸せな話とは言い難いです※※※ タグをよく見て読んでください。ハッピーエンドが好みの方(一方通行の愛が駄目な方も)はブラウザバックをお勧めします。 ※本編六話+番外編六話の全十二話。 ※番外編の王太子視点はヤンデレ注意報が発令されています。

すべてはあなたの為だった~狂愛~

矢野りと
恋愛
膨大な魔力を有する魔術師アレクサンダーは政略結婚で娶った妻をいつしか愛するようになっていた。だが三年経っても子に恵まれない夫妻に周りは離縁するようにと圧力を掛けてくる。 愛しているのは君だけ…。 大切なのも君だけ…。 『何があってもどんなことをしても君だけは離さない』 ※設定はゆるいです。 ※お話が合わないときは、そっと閉じてくださいませ。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

貴方の側にずっと

麻実
恋愛
夫の不倫をきっかけに、妻は自分の気持ちと向き合うことになる。 本当に好きな人に逢えた時・・・

処理中です...