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ななみんが1人いてくれるおかげで昨日よりもうまく回っている。
しかも今日だけで逆ナンをされる回数が20回目を超えると、ななみんは空になったグラスを持ってカウンターの中に戻ってきた。
なな「やっぱりクリスマスはウハウハ?」
雅紀「そうだけど、人手が足りないのが悩みもの。」
なな「バイトだったらどれだけ働いても同じ給料だからね。」
雅紀「うちは指名入ったらプラスでお給料渡してるよ。」
なな「めっちゃホワイトじゃん。こっちに転職したい。」
雅紀「私はいいけど、ななみんは今頑張ってるところなのにいいの?」
私は思うように働けないと愚痴を吐いてくれたななみんにそう聞くと、ななみんは少し間を開けて頷いた。
なな「元々、才能なかったっぽいし。バーテンの才能もあんまなさそうだけど、お客さんと話してるの楽しい。」
雅紀「料理はレシピがあるからある程度美味しく出来ちゃうの。お昼に教えたレシピはマドラー1つでも出来るから振らなくたっていいんだよ。」
ななみんは少し手先が不器用みたいでシェイカーから何度もカクテルを飛ばしていたけれど、そんなことしなくったって美味しいものは作れる。
だから才能とかで自分を諦めてほしくない。
雅紀「私だってなんの才能もなかったけど、毎日お店に出てお客さんに楽しんでもらえるよう頑張ったら2つお店を持てるようになったよ。だからななみんも出来るよ。」
なな「きっと雅紀の愛嬌がお客さんを引き寄せるんだよ。それも一種の才能でしょ?」
雅紀「ななみんだって両手でグラス10個も持てちゃうの才能あるじゃん。」
なな「あんまり使えない才能だけどね。」
…なんだか自分に否定的で心配になる。
そんなななみんが私の中学生時代を思い出すから、その思考をなんとか変えたいと思うけれどそれは自分自身の考えが変わるきっかけがないと変われない。
雅紀「ここのお店で才能発掘してもらってもいいよ。一旦バイトで入ってみる?」
なな「え?本当にいいの?」
雅紀「うん。今から30分休憩入ってもらうからその時に契約書読んでサインしてもらっていい?」
なな「うん!30分じゃなくて10分で戻るよ。」
そんなやる気満載のななみんに私は雇用契約書を渡し、ななみんに休憩に入ってもらい帰ってきた直後に身分証を見せてもらう。
雅紀「栄田 七海でエイナくんだったんだ?」
七海「そう。ありそうでなさそうな名前の方がインパクト残るかなって。」
雅紀「いいね。ここのお店でもネームプレートに愛称書くんだけど何がいい?」
七海「ななみんでいいよ。」
雅紀「エイナじゃなくていいの?」
七海「そんな気に入ってないし、『ななみ』って呼ばれる方が嬉しい。」
雅紀「分かった。じゃあななみんのんは小さく書いてってポップ字得意な子にお願いするね。」
七海「うわぁ…!楽しみ!毎日働いちゃおうかな。」
こんな仕事に前向きなのに、なんで自分のことだと前向きになれないんだろう。
そう思いながら私はななみんに辛口のジンジャーエールを飲ませて体を温めさせる。
雅紀「あと3時間、頑張って。ちゃんとお給料渡すから。」
七海「え、今日はいいよ。」
雅紀「もう契約したもん。だからちゃんと時給分の16200円は渡すよ。」
七海「計算早っ。そんなもらえるんだ?」
雅紀「うん。一応繁盛させてもらってる間はしっかりリターンしたいし。」
七海「うわ…ぁ。就職してぇ…。」
雅紀「とりあえず半月、お試し期間って事でよろしくね。」
私はななみんの手を取り握手をするとななみんはしっかり握り返してくれた。
七海「うん!しっかり転職活動頑張ります!」
そんな嘘みたいな本音を言ったななみんは溜まったグラスをみんなよりは遅い手さばきで洗い進める。
私はそんなななみんの隣でクリスマスで賑わうBARをもっと楽しんでもらうためにカクテルを作り続けた。
環流 虹向/ここのサキには
しかも今日だけで逆ナンをされる回数が20回目を超えると、ななみんは空になったグラスを持ってカウンターの中に戻ってきた。
なな「やっぱりクリスマスはウハウハ?」
雅紀「そうだけど、人手が足りないのが悩みもの。」
なな「バイトだったらどれだけ働いても同じ給料だからね。」
雅紀「うちは指名入ったらプラスでお給料渡してるよ。」
なな「めっちゃホワイトじゃん。こっちに転職したい。」
雅紀「私はいいけど、ななみんは今頑張ってるところなのにいいの?」
私は思うように働けないと愚痴を吐いてくれたななみんにそう聞くと、ななみんは少し間を開けて頷いた。
なな「元々、才能なかったっぽいし。バーテンの才能もあんまなさそうだけど、お客さんと話してるの楽しい。」
雅紀「料理はレシピがあるからある程度美味しく出来ちゃうの。お昼に教えたレシピはマドラー1つでも出来るから振らなくたっていいんだよ。」
ななみんは少し手先が不器用みたいでシェイカーから何度もカクテルを飛ばしていたけれど、そんなことしなくったって美味しいものは作れる。
だから才能とかで自分を諦めてほしくない。
雅紀「私だってなんの才能もなかったけど、毎日お店に出てお客さんに楽しんでもらえるよう頑張ったら2つお店を持てるようになったよ。だからななみんも出来るよ。」
なな「きっと雅紀の愛嬌がお客さんを引き寄せるんだよ。それも一種の才能でしょ?」
雅紀「ななみんだって両手でグラス10個も持てちゃうの才能あるじゃん。」
なな「あんまり使えない才能だけどね。」
…なんだか自分に否定的で心配になる。
そんなななみんが私の中学生時代を思い出すから、その思考をなんとか変えたいと思うけれどそれは自分自身の考えが変わるきっかけがないと変われない。
雅紀「ここのお店で才能発掘してもらってもいいよ。一旦バイトで入ってみる?」
なな「え?本当にいいの?」
雅紀「うん。今から30分休憩入ってもらうからその時に契約書読んでサインしてもらっていい?」
なな「うん!30分じゃなくて10分で戻るよ。」
そんなやる気満載のななみんに私は雇用契約書を渡し、ななみんに休憩に入ってもらい帰ってきた直後に身分証を見せてもらう。
雅紀「栄田 七海でエイナくんだったんだ?」
七海「そう。ありそうでなさそうな名前の方がインパクト残るかなって。」
雅紀「いいね。ここのお店でもネームプレートに愛称書くんだけど何がいい?」
七海「ななみんでいいよ。」
雅紀「エイナじゃなくていいの?」
七海「そんな気に入ってないし、『ななみ』って呼ばれる方が嬉しい。」
雅紀「分かった。じゃあななみんのんは小さく書いてってポップ字得意な子にお願いするね。」
七海「うわぁ…!楽しみ!毎日働いちゃおうかな。」
こんな仕事に前向きなのに、なんで自分のことだと前向きになれないんだろう。
そう思いながら私はななみんに辛口のジンジャーエールを飲ませて体を温めさせる。
雅紀「あと3時間、頑張って。ちゃんとお給料渡すから。」
七海「え、今日はいいよ。」
雅紀「もう契約したもん。だからちゃんと時給分の16200円は渡すよ。」
七海「計算早っ。そんなもらえるんだ?」
雅紀「うん。一応繁盛させてもらってる間はしっかりリターンしたいし。」
七海「うわ…ぁ。就職してぇ…。」
雅紀「とりあえず半月、お試し期間って事でよろしくね。」
私はななみんの手を取り握手をするとななみんはしっかり握り返してくれた。
七海「うん!しっかり転職活動頑張ります!」
そんな嘘みたいな本音を言ったななみんは溜まったグラスをみんなよりは遅い手さばきで洗い進める。
私はそんなななみんの隣でクリスマスで賑わうBARをもっと楽しんでもらうためにカクテルを作り続けた。
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