15 / 25
12/26
20:00
しおりを挟む
心臓が脈打つ回数がいつもより早くてどうしようもなく汗が出る。
私は今日の朝、部屋の前まで来たゆきさんにカクテルを渡し何もなかったように過ごすけれど、どうしても体は反応してしまって温度設定が低めのこのBARで額に汗をかいてしまう。
それにゆきさんは気づいているかどうか知らないけれど、ここの店では普段通りなんの変哲も無い弾む声で会話を進めてくれる。
けれど、時たま『今度一緒に行こうよ』という言葉が聞こえてくる。
それが私の笑顔を強張らせてうまく笑えないでいると、流れ星がやってきた。
雅紀「一、おかえり。」
一「ただいま。ねえ、なんでパーティー来なかったの?」
と、一は私のこわばった顔には気にもとめず、ふてくされた顔でそう質問してきた。
雅紀「クリスマスにBARで働いてくれた子たちにありがとう会してたから行けなかった。」
一「ならしょうがないね。けど、俺はまだ姐さんにクリスマスプレゼント渡してないから今度時間作って。」
雅紀「んー…、そうだね…。」
私は一のおつまみとおしぼりを用意しながら、ゆきさんの方をチラッとみるとゆきさんは真顔で一の事を見ていた。
それの顔が何もない無の顔で私は初めてお客さんに恐怖を感じてしまった。
一「ハイボールとクリスマスのやつ飲みたい。」
と、私の恐怖を少し取り除いてくれる一の声で、私は緩んだ体からおつまみのナッツを乗せていた小皿を地面に落としてしまう。
一「姐さん大丈夫!?」
一は迷いなくバーカウンターに入ってきて、私の足元に割れて散らばってしまった小皿とナッツをそばにあった紙ナプキンで集めてくれる。
雅紀「…ありがとう。私がやるよ。」
私は一と一緒にバーカウンター下にしゃがみ、ゆきさんの視線から一度逃れる。
一「姐さんが備品割っちゃうの初めて見た…。なんかあった?」
と、一はとても心配そうな顔で強張っていた私の顔をまじまじと見ると、何かを感づいたのかゆきさんに一度目を向けて私を見た。
一「…あったら1回唇噛んで。」
私は一に言われた通り、自分の唇を噛むと一はわざと自分の指を切って私をスタッフルームに引き込んだ。
一「なにがあったの?俺、姐さんの嫌なこと全部無くしたいから教えて。」
そんな優しいことを言ってくれる一がやっぱり好きな私は今日の朝あったこと説明すると、人差し指に絆創膏を巻いた一は私の頬に手を置いてキスをしてくれた。
一「俺がいれば大丈夫。向こうはきっと姐さんのこと独り身って思ってるけど、そんなことないって教えればいいよ。」
雅紀「…どうやって?」
一「俺が姐さんを1人にさせないから。一緒に家帰ろう?」
雅紀「危ない目にあっちゃうかも…。」
一「あんな奴より、もっと怖いこと俺たちは経験したんだよ?だからあんなの追い払って姐さんとゆっくり家デートしたい。」
そう言いながら一は絆創膏がついた人差し指を私の首から胸へ這わして、今は芽の付いていない蕾に一度服越しで触れる。
一「姐さんが好きな人と幸せになれるように、俺はどんなハエも狂人も叩き潰すから姐さんはいっぱい俺を頼ってくれればいいよ。」
少し悲しげにそう言ってくれた一は私の手と人差し指で絡めて、体を引き寄せるとまたキスをしてくれる。
一「だから姐さんはなんの心配もしなくていいよ。俺だけ頼って好きな人と楽しく過ごして。」
雅紀「…ありがとう。」
私は『うん』とも『わかった』とも言えず、そう思ってくれたことだけに感謝をして一と一緒にあのバーカウンターに戻った。
環流 虹向/ここのサキには
私は今日の朝、部屋の前まで来たゆきさんにカクテルを渡し何もなかったように過ごすけれど、どうしても体は反応してしまって温度設定が低めのこのBARで額に汗をかいてしまう。
それにゆきさんは気づいているかどうか知らないけれど、ここの店では普段通りなんの変哲も無い弾む声で会話を進めてくれる。
けれど、時たま『今度一緒に行こうよ』という言葉が聞こえてくる。
それが私の笑顔を強張らせてうまく笑えないでいると、流れ星がやってきた。
雅紀「一、おかえり。」
一「ただいま。ねえ、なんでパーティー来なかったの?」
と、一は私のこわばった顔には気にもとめず、ふてくされた顔でそう質問してきた。
雅紀「クリスマスにBARで働いてくれた子たちにありがとう会してたから行けなかった。」
一「ならしょうがないね。けど、俺はまだ姐さんにクリスマスプレゼント渡してないから今度時間作って。」
雅紀「んー…、そうだね…。」
私は一のおつまみとおしぼりを用意しながら、ゆきさんの方をチラッとみるとゆきさんは真顔で一の事を見ていた。
それの顔が何もない無の顔で私は初めてお客さんに恐怖を感じてしまった。
一「ハイボールとクリスマスのやつ飲みたい。」
と、私の恐怖を少し取り除いてくれる一の声で、私は緩んだ体からおつまみのナッツを乗せていた小皿を地面に落としてしまう。
一「姐さん大丈夫!?」
一は迷いなくバーカウンターに入ってきて、私の足元に割れて散らばってしまった小皿とナッツをそばにあった紙ナプキンで集めてくれる。
雅紀「…ありがとう。私がやるよ。」
私は一と一緒にバーカウンター下にしゃがみ、ゆきさんの視線から一度逃れる。
一「姐さんが備品割っちゃうの初めて見た…。なんかあった?」
と、一はとても心配そうな顔で強張っていた私の顔をまじまじと見ると、何かを感づいたのかゆきさんに一度目を向けて私を見た。
一「…あったら1回唇噛んで。」
私は一に言われた通り、自分の唇を噛むと一はわざと自分の指を切って私をスタッフルームに引き込んだ。
一「なにがあったの?俺、姐さんの嫌なこと全部無くしたいから教えて。」
そんな優しいことを言ってくれる一がやっぱり好きな私は今日の朝あったこと説明すると、人差し指に絆創膏を巻いた一は私の頬に手を置いてキスをしてくれた。
一「俺がいれば大丈夫。向こうはきっと姐さんのこと独り身って思ってるけど、そんなことないって教えればいいよ。」
雅紀「…どうやって?」
一「俺が姐さんを1人にさせないから。一緒に家帰ろう?」
雅紀「危ない目にあっちゃうかも…。」
一「あんな奴より、もっと怖いこと俺たちは経験したんだよ?だからあんなの追い払って姐さんとゆっくり家デートしたい。」
そう言いながら一は絆創膏がついた人差し指を私の首から胸へ這わして、今は芽の付いていない蕾に一度服越しで触れる。
一「姐さんが好きな人と幸せになれるように、俺はどんなハエも狂人も叩き潰すから姐さんはいっぱい俺を頼ってくれればいいよ。」
少し悲しげにそう言ってくれた一は私の手と人差し指で絡めて、体を引き寄せるとまたキスをしてくれる。
一「だから姐さんはなんの心配もしなくていいよ。俺だけ頼って好きな人と楽しく過ごして。」
雅紀「…ありがとう。」
私は『うん』とも『わかった』とも言えず、そう思ってくれたことだけに感謝をして一と一緒にあのバーカウンターに戻った。
環流 虹向/ここのサキには
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
人生の全てを捨てた王太子妃
八つ刻
恋愛
突然王太子妃になれと告げられてから三年あまりが過ぎた。
傍目からは“幸せな王太子妃”に見える私。
だけど本当は・・・
受け入れているけど、受け入れられない王太子妃と彼女を取り巻く人々の話。
※※※幸せな話とは言い難いです※※※
タグをよく見て読んでください。ハッピーエンドが好みの方(一方通行の愛が駄目な方も)はブラウザバックをお勧めします。
※本編六話+番外編六話の全十二話。
※番外編の王太子視点はヤンデレ注意報が発令されています。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる