絶対的支配者である暴虐王太子の義弟は愛玩の檻の中

椎葉たき

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◆6.初めてのお勤め (1)◆

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 侍従と護衛を伴ってやってきた。

「父上、なんの用ですか」

 威厳に満ちたその男を、ヴァルグードが不機嫌そうに父と呼ぶ。
 国王であり、フェレルの義父であるバードンとの初対面が、全裸で股を開いてテーブルに乗った状態だなんて。動けないフェレルは恐ろしくて縮み上がる。

 あられもない姿で震え上がる義弟の、萎縮した睾丸をやわやわと揉みしだき手の中で弄ぶ。温かくて柔らかい触り心地のいいフェレルの急所を優しく苛めながら、ヴァルグードは一国の長と話し始めてしまい、フェレルからしたらたまったものではない。
 ズキンズキンと突き刺す痛みに襲われる尻もつらいが、急所を揉まれる股間がソワソワする。フェレルは支配者たちの会話を邪魔してはならないと、嬌声を飲み込んで耐えた。

「お楽しみ中か」
「見ての通りです」
「アルランテ王国が酒の関税を下げよと言ってきている件はどうなった?」
「そんなことより、見てください! フェレルが頑張って俺に奉仕してくれた姿を。今、俺の男妾になると約束してくれたんだ!」
「い゛っ!」
 興奮気味のヴァルグードに、指を痛む後孔に挿れられ、抜き差しされて痛みに体を捩った。

「痛いのに、必死に我慢して体を捧げるんですよ。俺の義弟は健気でかわいいでしょう? フェレルが俺専用の男妾になってくれたから、他の玩具で我慢しなくていいんだ。死体処理をする手間もなくなった! 俺の男妾が務まるくらい、大人になったあなたの義息ですよ!」

「男になんぞ興味ない」

「父上がフェレルに興味なくて良かったです」

 子供みたいにはしゃぐヴァルグードとは対照的に、虫けらを見るように見下す国王バードンに、フェレルは怯える。

「それを殺すなよ」
「俺の大事な義弟なのですから、死なせるはずがありません。使い捨て玩具で遊んでどこまでなら壊れないか実験したから、ちゃんと生きているでしょう?」
「ぎゃっ!」

 ギュウッと睾丸を強く握り潰される。目の前に火花が散って意識が白くなる激痛で叫びそうになり、慌てて口を抑えた。
 一瞬だったが、潰された激痛に泣くフェレルは、狂気の義兄に恍惚と観察され、大きなその手からは解放されず、慰められるように優しく睾丸を揉みしだかれる。

 王太子宮の居間で繰り広げる凌辱に、国王バードンは冷めた目を向ける。王族の血を引いていないのに無理矢理養子にした義息を助けようともせず、無関心だ。

「お前の玩具などどうでもいい。そんなことより、酒の関税の話だ」
「姉上が嫁いだ小国ですね。あの女も使えない」
「優秀な軍馬を持っていたのも昔の話だ。ウチであの馬は生産できる。食料自給率も低い荒れ地ばかりの金山くらいしか価値のない国だ」
「考えてあります。搾り取れるだけ搾り取って、あの国を隷属させましょう」
「必ず成し遂げろ」

 国王バードンが出ていく。
 動けないフェレルは人形のように抱き上げられて、頭を撫でられた。

「よしよし。痛かったね」
「痛かった、怖かった……」
「可哀想に。よく我慢したな、偉い」

 義兄が甘い声で褒めてくれて、抱きしめてくれる。人の温もりが嬉しい。
 ヴァルグードの胸に縋って泣いた。

「美味しいものを沢山食べさせてあげたいな。農場を広げるには労働力がいる。アルランテの人間を奴隷にしよう。
 酒が欲しいなら、連中に酒を作らせてやればいい。
 俺の男妾になったフェレルにお祝いの品が必要だな。あの国の金山を手に入れたら、その黄金で俺の大事なフェレルにふさわしい装飾品を作らせよう。全部可愛い義弟のためだ。
 義弟思いの義兄さんで、嬉しいだろう?」

「嬉しいです。ありがとうございます」

 政治なんてわからないフェレルでも、恐ろしいことが起こる気がした。だが、王宮の王子宮に閉じ込められて外の世界を知らず、平民とは教師たちが教えてくれた知識に過ぎない。実態を知らない者より、ヴァルグードがフェレルの為にしてくれる目の前の温もりが全てだ、素直に嬉しかった。

「パンギス、聞いたか」

 ヴァルグードは後ろに控えていた側近のパンギスを呼びつける。

「アルランテ王国で貴族や王族を集め、大々的にウチの酒を広める試飲会を兼ねた夜会をやるなら、関税を下げてやると書簡を送る。夜会で薬入りの酒を飲ませろ。ウチから二番目の兄を使わそう。あの廃人に、タダで薬入りの酒が飲み放題だと言えば、喜んで行ってくれるぞ。
 関税を下げて手に入りやすくなった薬入りの酒を浴びるように飲み、酒を買う金もなくなり、薬で幻覚を見た連中が殺し合う。客として行った兄が殺されれば、大義名分が立つというものだ」

「そのように手配いたします」

 こうしてヴァルグードの義弟の為、アルランテ王国は薬付けにされて国を乗っ取られ、隷属させられたのだ。
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