国を滅ぼされた生き残り王女は、男装して運命を切り拓く。

青花美来

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カイの本音

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 砦へ戻る頃には、夜明けが近づいていた。

 灰色の空に、かすかな光が滲みはじめている。

 二人は帰還するとすぐに団長のもとへ向かった。

 書類の山に囲まれた執務室で、団長は椅子にもたれながら二人を見据えていた。


「……で、その文書には何が書かれていた?」


 カイが報告する。

 "悪夢""器""還る"――その言葉の一つ一つを、正確に思い出しながら。


「……妙な文面だな。それも、ルミナリアの紋様ときた」


 団長が低く呟いた。


「まるで……五年前の"黒炎"を連想させるようだな」


 その言葉に、リシェルの胸が跳ねた。

 けれど顔には出さない。唇を結んだまま、静かに俯く。そんなリシェルを団長は一瞥するものの、声はかけなかった。


「……この件はこちらで引き取る。だから不用意な動きは避けろ。王の命令ひとつで、黒炎が蘇る可能性がある」

「はい」


 カイが返事をすると、団長は視線をリシェルに向けた。


「お前は少し休め。顔色が悪い」

「……いえ、問題ありません」

「ダメだ。これは命令だ。しばらく休め」

「……はい」


 短い返事に、団長は眉を寄せた。


「無理をしないためだ。任務中に倒れられたら困るぞ」

「大丈夫です。わかっています」


 そう言い切って頭を下げるリシェルに、団長は深くため息をついた。


「カイ。しばらくはお前が監視役だ。……こいつを頼むぞ」

「了解」


 二人が退出したあと、部屋には短い沈黙が残った。

 団長は椅子にもたれ、ぼそりと呟く。


「"悪夢"、か……。まさか、またあの夜の再現じゃあるまいな」


 天を仰ぐ団長の声は、誰にも拾われることはなかった。



 執務室を出たリシェルは、たまらず前を歩くカイを呼び止めた。


「隊長!」

「なんだ」

「なぜ言わなかったのですか」

「何をだ?」

「俺が、また命令違反をしたことです!」


 リシェルはカイに詰め寄る。

 しかしカイは当たり前のように


「お前が無事だったんだ。今はそれでいい。それに、理由を聞いたってお前は何も言わないだろ」


 それだけ言ってリシェルをおいて宿舎に戻っていってしまった。


 (……だからって、これは違う。庇ってもらってまで、その優しさに甘えるのは違う)


 リシェルは唇を噛み締めた。 

 それから数刻が経ち、空が白み始めた頃。

 リシェルは、眠ることもせずに団長室の前に立っていた。

 胸の奥が痛いほど脈打っており、何度も手を上げては下ろし、ようやくノックをした。


「……入れ」


 扉の向こうから、いつもの低い声。

 団長は机に広げた地図から視線を上げる。


「……どうした。報告なら先ほど済ませただろう」


 リシェルは息を整え、まっすぐ立った。


「追加の報告があります」

「追加? なんだ」

「……潜入中、俺は命令違反をしました」

「……違反?」

「はい。隊長と別れて、単独で行動しました」


 団長の眉がわずかに動く。


「……理由は?」

「書庫を出た際、魔導士の姿を見つけて……確認しようと思い、気が付けば身体が動いておりました」


 言葉が詰まる。


「そこで、彼らの会話を聞いてしまいました。"門を開く準備が整った"と。"こんなに早く器に再会するとは"と」


 団長の表情が硬くなる。


「"器"だと?」

「はい。そして、"黒炎"という言葉も――」


 短い沈黙が流れた。

 紙のめくれる音も、風の気配も消える。


「……なぜ、今になってそれを言う」


 リシェルは俯いた。


「……任務中の逸脱です。隊長は庇ってくれたのでしょうが、黙っていられませんでした」

「お前の判断で動いた、ということか」

「はい」

「命令違反は隊長にも責任があるとわかった上での報告なんだな?」

「……隊長は悪くありません。俺の独断です」


 団長はため息を吐きながらゆっくり椅子に背を預け、目を閉じた。

 長い沈黙のあと、その声が低く響く。


「……お前を信じて任せたんだ、リシュ」


 その言葉が、刃のように重かった。


「はい」

「判断力もある。根性もある。この件に関して、並々ならぬ思いがあることは俺が一番よくわかっている。だからこそ、この任務を与えた。お前が適任だと思った。今もそう思っている。だが、命令違反を看過することはできない」


 リシェルの喉がきゅっと締まる。


「今回は外交問題にも関わると言ったはずだ。慎重にと何度も言っただろう。傭兵団の存続にも関わると」

「……はい」

「命があったから良かったものを、一歩間違えれば取り返しのつかないことになっていたかもしれないんだ。もうガキじゃないんだから、それくらいわかるだろう」

「……はい」


 団長の言葉ひとつひとつが胸に刺さり、抉っていく。


「任務を遂行できない者は外す。それが、俺の決めたルールだ。……例外は認めない」

「……はい」

「もちろん、報告義務を怠ったカイも同様だ。カイには別途話をする」

「……っ」


 声が出なかった。


 (私のせいで、隊長にまた迷惑を……)


 しかし、黙っていることはもうできないと判断したのはリシェルだ。甘えていられないと決めたのは、リシェルだ。

 自分の行いの責任は、自分で取る。

 唇を噛んで、どうにか形にした。


「申し訳……ありません」

「……しばらく頭を冷やせ」

「はい」


 団長はそれ以上何も言わなかった。

 ただ、無言のまま視線を外す。

 リシェルは深く頭を下げ、扉を開けた。

 外はもう薄明るく、夜と朝の境が溶けていく。

 遠くで、焚き火が燃え尽きるような音が聞こえた。

 その音が、自分の心の糸をも燃やしてしまったような気がして。


(……何やってんだろう)


 拳を握る。

 あの夜から、何も変われていない。

 誰かを守りたい、大切な人を失いたくない、真実を知りたい。そう思うほど、全てが遠ざかっていく。


(どうして、こうなるんだろう……)


 薄い光の中で、影だけが濃く伸びていた。


 
 俯いたまま宿舎に戻ろうと歩き始めると、角の向こうから誰かが現れる。

 見上げると、そこに立っていたのはカイだった。


「……どこへ行ってた」


 その声に、リシェルは思わず背筋を伸ばす。


「……すみません。団長のところへ報告に行っておりました」

「報告?」


 カイの眉がわずかに動く。


「報告はもう済んだはずだろう」

「……はい。しかし、王宮での件について……追加でお伝えしたいことがありまして」


 わずかに間が空いた。

 カイは彼女の表情を見つめたまま、低く問う。


「……まさか、一人で行動したことを話したのか」


 リシェルは小さく頷いた。


「はい。報告を怠るわけにはいかないと思いました」

「それで……何と言われた」

「……任務を、外されました。それと、隊長にも別途話をすると。ご迷惑をおかけして申し訳ございません」


 その一言に、空気が凍りついた。

 カイは沈黙のまま彼女を見据え、やがて低く息を吐く。


「……俺のことはいい。報告を怠ったのは俺自身だ。俺が責任を取るのは当たり前だろう。気にするな」

「……申し訳ありません」


 リシェルは頭を下げた。


「それより、なぜ団長に話した」


 喉の奥が震えて、言葉がうまく出てこない。


「一度目の時、隊長は俺のために黙っていてくれました。でも、そんな隊長を裏切り、また命令違反をしてしまった。隊長までも危険にさらしてしまいました。許されないことです。それを隊長に甘えて隠すわけにはいかないと思いました」

「……本当、お前は」

「……すみません」


 カイの声には呆れが混じる。


「じゃあ質問を変える。あの時、何を見た」

「っ……」

「何で一人で突っ走った。無鉄砲な真似はやめろとあれほど言っただろ」


 責めたいわけではない。カイはただ心配しているだけだ。それなのに、口から出るのはリシェルを責めるような言葉ばかり。


「はい。あの時魔導士を見て、思わず身体が動いてしまいました……」


 そして萎縮するように声が小さくなるリシェルを見ると、自分に苛々が募り言葉を飲み込むことしかできなかった。


「……そうか。それで、何を見たんだ」


 わずかに鋭さが緩む声に、リシェルは顔を上げる。


「……魔導士たちが、話しているのを聞きました」


 団長に話したことと同じことを伝えると、カイは全てを悟ったように


「それでああなったわけか」


 と頷いた。


「理由はわかった。それを黙っていられなかったのもわかった。隊長は俺だ。責任は全て俺が持つ」

「それはいけません! 俺が、俺が悪いんです。隊長は何も悪くない」


 リシェルは必死にカイを庇おうとするものの、それはむしろカイを怒らせるだけで。


「……お前、俺を馬鹿にしてんのか?」


 カイの声が冷たくなり、リシェルは息を呑む。


「お前は、俺が自分の保身のために黙っていたとでも思ってんのか?」

「……そうではなく……。ただ、俺は自分のことは自分で責任を、と」

「それが違うって言ってんだよ!」


 声を荒げたカイに、リシェルは肩を振るわせた。

 ……こんなに怒りを露わにしているカイを、リシェルは初めて見た。


「お前は、俺にとってクソ生意気なやつだ。無鉄砲だし、すぐ落ち込むし、すぐ悩んで自分の身体のことなんて二の次で馬鹿みたいに無理して。団長に任された日のことはまだ根に持ってるくらいだ。だけどな! ……それと同じくらい、俺にとってお前は大切な部下なんだよ! 俺の背中を預けられる存在なんだよ! ……そんなお前が、初めて泣きながら苦しんでる。初めて、周りが見えなくなるくらいに突っ走ってる。何も話さずに一人で抱え込んで。それを、俺がどうやって売るような真似ができるってんだよ!」


 ──胸がいっぱいになるとは、こういうことなのかもしれない。


「上司が部下を守るのは当たり前なんだよ! 勝手に一人前になったつもりか? 笑わせんじゃねーよ。何のために俺がいると思ってんだ! 
──お前を守るためだろ!」


 カイの本音を、初めて聞いた。カイがこんなに自分のことを想ってくれているなんて、知らなかった。初めて知った。

 どうにか蓋をしていた感情が、涙となり溢れ出していく。

 カイの前で涙を流すのは、もう何度目だろうか。揺れる目で見上げてしまうのは、もう何度目なのだろうか。

「た、いちょう……すみません。本当に、申し訳ございません……」


 泣きながら謝るリシェルに、カイも少しずつ落ち着きを取り戻す。


「……悪い。俺も感情的になりすぎた」


 立っていられなくてしゃがみ込むリシェルに、カイも同じように膝を曲げる。リシェルの頭に手を置き、息を吐きながら何度も撫でた。


「確かに命令違反は良くない。お前は傭兵団の一員だ。一人で動いているわけじゃない。仲間に迷惑をかけてはいけない。独断で仲間の命を危険に晒してはいけない」

「はい……っ」

「だが、一人で動いているわけじゃないんだから、責任だって一人で取る必要はないんだ」

「っ……」

「団長は厳しい人だ。外されたなら、それはもう覆らない。だが、そんなことでお前を見捨てるような人じゃない」

「わかってます」

「……ならいい。少し休め。寝てないだろ」


 頷くリシェルの涙を、指で拭う。そしてカイだけが立ち上がった。


「俺は団長のところに行ってくるから。お前はゆっくり寝てろ」


 それだけ言い残して、その場を離れていく。

 リシェルは、しばらくその場から動くことができなかった。

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