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23 愚かな企みがバレたわたし
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「経済学部で、エルと同じクラス?」
「いえ? 彼女は史学部の優等生で有名で、俺なんかとは全然違う……」
経済学部ではないとばれた!
「史学部? ……俺には経済学部って言ってたよな?」
……兄がわたしの顔を見ていた。
きっと今わたしの頭の中に、わたしを信用して諸々の手続きを任せてくれた兄を騙して、史学部に入学した邪な計画が浮かんでいるんだろう。
それを見た兄の顔が歪んで見えた。
「アイリーン・シーバスか!?
あの女に近付いて、何をするつもりだった?」
金曜日に最終学年ではアイリーン・シーバスのゼミの一員になり、国外活動にも参加してもいい、と本人から言われた。
彼女の教えを受けたい、そのために史学部を選んだ事を、多忙な兄には黙っていた……違う、騙していた。
大学を卒業して直ぐに魔法庁の特務で秘かに入庁し、そこから外務省へ派遣される、引っ越しする等の兄のどたばたに紛れて、受験願書も入学書類も兄の名前で自分で記入して。
悪巧みが見える兄の前では、その事を極力考えないようにして、別居する悲しみをずっと装って、経済学部に入学したと騙していたわたしだった。
「……俺を手伝おうとしたのか?」
兄からこんな厳しい表情を向けられたのは、初めてだ。
兄の能力は、その対象人物の全ての過去が見える訳じゃない。
対象者が兄と対峙したその時に、頭に浮かべた邪な考えと、そこにたどり着く前の因果関係が見えるのだ。
つまり、わたしはフィニアスが大学の話をしだしたので焦って、兄を騙していたと知られたくないと考え、それが兄に見えた。
『人を騙していること』は邪悪なものだからだ。
わたしが瞬時に頭に思い浮かべた女の姿を兄は見た。
3年掛けて、兄が『見える能力』以外の物的な不正の証拠を入手するために部下になった、外務省事務官のドナルド・シーバス。
その妻が、王都大史学部教授のアイリーン・シーバスだった。
「3年も掛かってるのに、疑り深くて慎重なドナルドの物的証拠が掴めない。
そんな情けない兄貴を手伝おうとしたのか」
兄の声は怒っていると言うより悲しげで、罪悪感に胸が潰れる。
兄を情けないなんて思っていない。
潜入捜査に時間が掛かるのは知っている。
犯罪者は簡単には人を信用しないからだ。
わたしはもっと自分本位の考えで……
「……わたしの能力を、お父さんと兄さんに認めて貰いたかった。
だからなの、兄さんがドナルド・シーバスに付くと知って、彼を調べて、妻のアイリーンの事も知って。
夫よりも怪しい彼女の罪を暴こうと」
「……」
それはまだ、大学受験前。
事前に対象者ドナルド・シーバスの資料を渡されていた兄が、怒りを抱えていたのを感じたわたしは、彼の妻が大学の史学部に居ると知って、彼女に近付きたくて受験先を経済学部から変更した。
歴史は得意だったから高校の成績は良かったし、入試選抜の提出レポートもそれなりに書けて、どうにか奨学金制度試験も合格して。
3年間成績を維持して、雑用係として気に入って貰って。
来年度には1番人気のアイリーンのゼミ生になれるところまで来たんだ。
ここまで来て、簡単には引き下がれない。
無言で睨み合うわたし達に挟まれて、身の置き所が無さそうに見えたフィニアスが、
「あのさ、全く無関係の俺が口出しするのは申し訳ないけど」と言い出して。
その気の抜けた口調に、少しピリピリした空気が緩んだ。
「史学部のシーバス教授はうちの大学じゃ、いわゆるスター教授だろ?
彼女の罪って何?」
フィニアス本人が言う通り、彼には全く無関係の話なのに、何故だろう。
彼が持つ、刺々しさの無い独特の雰囲気からなのか。
ここで間を取り持つように、口を挟んできたのはわざとかもしれない。
兄も緊張を解いて、肩をすくめている。
これは話してもいい、と言うことかも。
「研究資金が潤沢過ぎる。
彼女の専門は歴史美術史なの。
うちの大学は王立でしょう、いくらシーバス教授がマスコミ受けする見映えのいい女性教授であっても、彼女1人に多くの予算は割り当てない。
なのに、彼女が長期の休みの度に現地調査等の理由を付けて国外へ出る回数は、史学部の他の教授達よりも多い。
お金持ちのパトロンが資金提供して後援している感じでもないし、夫のドナルドは外務省職員で、そんなには稼げない。
それで考えられるとしたら、妻が手に入れた外国の歴史的な芸術品を、夫の外交ルートを利用して持ち込み、自分達は表に出ず人を使って好事家達にオークションで競わせて、高く売りつけて……」
「俺が夫を調べてるから、自分は妻の方を、ってことか……
魔法庁も外務省もその上も、関係者を一斉に捕縛したいから、ふたりを敢えて泳がせているんだぞ?
どうして勝手にそんな危険な真似をする?
アイリーンだけを捕まえても、却って他の奴等を逃がすだけだ。
自分の能力を認めて貰いたかった、って……
親父も俺も、お前には好きな道を自由に選んで欲しいから、魔法庁には見つからないように……」
「だから! だからなの!
わたしはお父さんや兄さんと同じ特務に進みたいの!
来年、アイリーンの国外調査に同行して、現地で証拠を掴んで。
それから兄さんには話そうと決めてた。
勝手に捕まえるなんてしない。
……わたしだってマッカーシーの人間だもの、ちゃんと出来る、って兄さんに証明して……」
わたしの愚かな企みの言い訳のような主張には、その先は無かった。
「いえ? 彼女は史学部の優等生で有名で、俺なんかとは全然違う……」
経済学部ではないとばれた!
「史学部? ……俺には経済学部って言ってたよな?」
……兄がわたしの顔を見ていた。
きっと今わたしの頭の中に、わたしを信用して諸々の手続きを任せてくれた兄を騙して、史学部に入学した邪な計画が浮かんでいるんだろう。
それを見た兄の顔が歪んで見えた。
「アイリーン・シーバスか!?
あの女に近付いて、何をするつもりだった?」
金曜日に最終学年ではアイリーン・シーバスのゼミの一員になり、国外活動にも参加してもいい、と本人から言われた。
彼女の教えを受けたい、そのために史学部を選んだ事を、多忙な兄には黙っていた……違う、騙していた。
大学を卒業して直ぐに魔法庁の特務で秘かに入庁し、そこから外務省へ派遣される、引っ越しする等の兄のどたばたに紛れて、受験願書も入学書類も兄の名前で自分で記入して。
悪巧みが見える兄の前では、その事を極力考えないようにして、別居する悲しみをずっと装って、経済学部に入学したと騙していたわたしだった。
「……俺を手伝おうとしたのか?」
兄からこんな厳しい表情を向けられたのは、初めてだ。
兄の能力は、その対象人物の全ての過去が見える訳じゃない。
対象者が兄と対峙したその時に、頭に浮かべた邪な考えと、そこにたどり着く前の因果関係が見えるのだ。
つまり、わたしはフィニアスが大学の話をしだしたので焦って、兄を騙していたと知られたくないと考え、それが兄に見えた。
『人を騙していること』は邪悪なものだからだ。
わたしが瞬時に頭に思い浮かべた女の姿を兄は見た。
3年掛けて、兄が『見える能力』以外の物的な不正の証拠を入手するために部下になった、外務省事務官のドナルド・シーバス。
その妻が、王都大史学部教授のアイリーン・シーバスだった。
「3年も掛かってるのに、疑り深くて慎重なドナルドの物的証拠が掴めない。
そんな情けない兄貴を手伝おうとしたのか」
兄の声は怒っていると言うより悲しげで、罪悪感に胸が潰れる。
兄を情けないなんて思っていない。
潜入捜査に時間が掛かるのは知っている。
犯罪者は簡単には人を信用しないからだ。
わたしはもっと自分本位の考えで……
「……わたしの能力を、お父さんと兄さんに認めて貰いたかった。
だからなの、兄さんがドナルド・シーバスに付くと知って、彼を調べて、妻のアイリーンの事も知って。
夫よりも怪しい彼女の罪を暴こうと」
「……」
それはまだ、大学受験前。
事前に対象者ドナルド・シーバスの資料を渡されていた兄が、怒りを抱えていたのを感じたわたしは、彼の妻が大学の史学部に居ると知って、彼女に近付きたくて受験先を経済学部から変更した。
歴史は得意だったから高校の成績は良かったし、入試選抜の提出レポートもそれなりに書けて、どうにか奨学金制度試験も合格して。
3年間成績を維持して、雑用係として気に入って貰って。
来年度には1番人気のアイリーンのゼミ生になれるところまで来たんだ。
ここまで来て、簡単には引き下がれない。
無言で睨み合うわたし達に挟まれて、身の置き所が無さそうに見えたフィニアスが、
「あのさ、全く無関係の俺が口出しするのは申し訳ないけど」と言い出して。
その気の抜けた口調に、少しピリピリした空気が緩んだ。
「史学部のシーバス教授はうちの大学じゃ、いわゆるスター教授だろ?
彼女の罪って何?」
フィニアス本人が言う通り、彼には全く無関係の話なのに、何故だろう。
彼が持つ、刺々しさの無い独特の雰囲気からなのか。
ここで間を取り持つように、口を挟んできたのはわざとかもしれない。
兄も緊張を解いて、肩をすくめている。
これは話してもいい、と言うことかも。
「研究資金が潤沢過ぎる。
彼女の専門は歴史美術史なの。
うちの大学は王立でしょう、いくらシーバス教授がマスコミ受けする見映えのいい女性教授であっても、彼女1人に多くの予算は割り当てない。
なのに、彼女が長期の休みの度に現地調査等の理由を付けて国外へ出る回数は、史学部の他の教授達よりも多い。
お金持ちのパトロンが資金提供して後援している感じでもないし、夫のドナルドは外務省職員で、そんなには稼げない。
それで考えられるとしたら、妻が手に入れた外国の歴史的な芸術品を、夫の外交ルートを利用して持ち込み、自分達は表に出ず人を使って好事家達にオークションで競わせて、高く売りつけて……」
「俺が夫を調べてるから、自分は妻の方を、ってことか……
魔法庁も外務省もその上も、関係者を一斉に捕縛したいから、ふたりを敢えて泳がせているんだぞ?
どうして勝手にそんな危険な真似をする?
アイリーンだけを捕まえても、却って他の奴等を逃がすだけだ。
自分の能力を認めて貰いたかった、って……
親父も俺も、お前には好きな道を自由に選んで欲しいから、魔法庁には見つからないように……」
「だから! だからなの!
わたしはお父さんや兄さんと同じ特務に進みたいの!
来年、アイリーンの国外調査に同行して、現地で証拠を掴んで。
それから兄さんには話そうと決めてた。
勝手に捕まえるなんてしない。
……わたしだってマッカーシーの人間だもの、ちゃんと出来る、って兄さんに証明して……」
わたしの愚かな企みの言い訳のような主張には、その先は無かった。
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