3 / 32
平気で私に嘘がつけるひと
しおりを挟む
ご自分からお声をかけてきたノーマン様でしたが、話を続けることが出来ないようでした。
はっきりとした口調で言いたいことを遠慮なくハキハキと話されていた、かつての姿はどこにも見えませんでした。
周囲にいらした皆様が私達の様子を注視していらっしゃるように感じられて、このような茶番には付き合えないと、私は思いました。
仕方なく、私から話して差し上げることに致しました。
「3年ぶりですわね。
ご実家の伯爵家の皆様はお変わりございませんか?」
(社交界からはすっかり距離を取られたけれど、皆様お元気だと、聞いたわ)
「変わりはないと、思うのだが……
私は家を出て、騎士団の宿舎に居るので……」
(また、嘘を吐かれた。
解雇になったから、騎士団の宿舎には入れませんよね)
帝国に居る私が何も知らないと、思っておられるようでした。
私は何食わぬ顔で会話を続けました。
「左様でございますか。
ブライトンのおじ様おば様には、大層可愛がっていただきましたし、お兄様方にも大変お世話をおかけしてしまいました。
帝国へ戻る前に是非ご挨拶をと、思っているのですけれど」
「帝国に戻る?
では、こちらに帰ってきたのではない?」
「帝国でお仕事させていただいております。
私、あちらに永住するつもりです」
私の言葉を聞き、ノーマン様は唇を噛まれました。
「ガルテン伯爵家の後継は、どうされるのですか?」
(もう貴方には何の関係もないでしょうに)
「従弟のギリアンが養子に入ってくれましたの。
綺麗でしっかりした婚約者にも恵まれましたし、領地の事は義弟夫婦にお任せ出来ると、父も私も安心しておりますわ」
ギリアンとの養子縁組の話もご存じないなんて。
本当に今のノーマン様は、ご実家とも社交界からも絶縁されているのでしょう。
(もう充分にお相手をしたわ。
ノーマン様もご満足でしょう)
そう思って、私はこの場を離れることに致しました。
「今夜は懐かしいお顔を拝見できて、とても嬉しかったですわ。
それでは、ごきげんよう」
軽く膝を折りお暇のご挨拶をするのですが。
お分かりにならないのか、気付かない振りをされているのか存じませんが、ノーマン様は私に身を寄せてこられました。
(やめて!近づかないで!)
「貴女に是非聞いていただきたい話があるのです。
お手間は取らせません。
少しでいいので、どこかでお会いできませんか?」
今のノーマン様には似合わない、コロンの香りがしました。
以前とコロンを変えていないのでしょうか……
あの頃と同じ香りが私を包みました。
ずっと忘れようと。
思い出さないよう、記憶の奥底に沈めた日々を思い出しました。
「承りました。
いつどこでと、確かなお約束は出来ませんが、可能であれば連絡を差し上げます」
「ありがとう、シャル。
連絡を待っているから」
(お願いだから、シャルなんて呼ばないで!)
彼はようやく私から離れてくれました。
彼の背中を目で追うと、私のお母様と同じような年齢のマダムに近づき、何かを囁いていました。
マダムは彼に頷くと、こちらに向き直りました。
そして私を見つめながら、手にした扇を広げて見せました。
扇の陰の口元が嗤っていることを、敢えて私に判らせようとしているかの様な仕草でした。
あからさまな悪意を見せつけられてゾッとしました。
私には見覚えのない、美しいひとでした。
ノーマン様はそのまま、おひとりで会場を出て行かれました。
私に会う為だけに、今夜彼は王宮に来たのでしょうか?
◇◇◇
私とエドガー様が合流出来たのは、夜も更けた頃でした。
エドガー・ナイ・バイロン。
『皇帝陛下の灰色狼』と、勇猛な通り名を持つ私の婚約者です。
彼は現在レオパード帝国近衛騎士団の副団長補佐の職に就いていらっしゃいます。
『婚約者の家族と交流を深めよ』と仰せになり、皇太子殿下ご本人が使節団の一員として、エドガー様をお加えになったのです。
今回のカステード王国ご訪問の目的は、王女殿下との婚約披露ですので、私とエドガー様の婚約は関係者以外にはお知らせを控えさせていただきました。
それゆえ、夜会に堂々とふたりで入場することを見合せたのです。
私は義弟をパートナーに、会場に入りました。
エドガー様は皇太子殿下と王女殿下の後ろに従って入場し、先程までずっとお二人のお側に立って控えられていました。
時折、私の方をご覧になり視線が合いますと、皇太子殿下に耳打ちをされるのですが、その都度殿下は首を振っておられました。
(大丈夫です、私は待っています)
ようやく殿下に解放されたエドガー様はまっすぐに私の所に来て下さって、手を取り甲に口づけをされました。
「ガルテン嬢は今宵もますます美しいですね」
「ありがとうございます、バイロン様。
貴方もいつもに増して、凛々しくていらっしゃいますわ」
周囲の方達の耳がありますので、私達はお互いに他人行儀な言葉を交わしました。
ダンスに誘ってくださったのですが、私が断りますとテラスへと誘われました。
「本当に悪魔のような御方だよ。
俺の前でわざと王女殿下の髪を撫で、手を握り、耳元で甘い言葉を囁かれていた」
「イライラしている貴方のご様子を楽しまれていらっしゃったのね」
エドガー様と皇太子殿下の年齢は8歳離れておりますが、辛い時間を共に過ごしたおふたりは、本当はとても仲良しなのです。
「ずっとロティが不足していたよ。
君を補充させて」
ロティというのはエドガー様だけの私の呼び名です。
エドガー様の胸に引き寄せられると、私は目を閉じました。
彼の腕の中に閉じ込められると、何もかもから護っていただけるような。
絶対的なものを感じるのです。
「ノーマンが君のところに来ていたね。
あいつに何を言われたの?」
「話を聞いてほしいと」
「今になって、浮気の言い訳?」
エドガー様は、私が留学した理由をご存じです。
私とエドガー様と殿下の3人だけのお茶会では、ノーマン様の名前が頻繁にのぼりました。
「殿下も気付いていらしたが、間に入らず見守れと、引き留められていた。
嫌な事は言われなかった?」
「大丈夫よ、もし何か言われたとしても、今の私はちゃんと言い返せるわ」
あの頃は言いたいこともノーマン様に言えなくて自分でも歯痒くなっていました。
納得出来ないことを指摘して、彼に『可愛くない』と思われたくなくて、我慢することが年々増えて。
今の私は変わったのだと、ノーマン様に思い知らせたい。
そんな気持ちから会うことになっても構わないかなと、思っていたのですが。
「貴方がノーマン様と会うのを止めたいと、思っていらっしゃるのなら、私は会いません」
「それで君はいい?」
「もう終わった話ですもの。
今の私には、貴方が誰よりも何よりも大切なの」
私はエドガー様にこの気持ちが伝わるよう、願いを込めて背の高い彼を見上げました。
「……ノーマンに会うのを止めないよ」
くちづけの後、彼は私の耳元で囁きました。
「復縁を持ちかけられても、絶対に絆されないように」
「もう!馬鹿なこと言わないで!」
「こちらからはよく見えなかったけれど、彼は美しい男だろう?」
「絆されるなんて有り得ません!」
考えただけで笑ってしまいました。
(あんな嘘つきが何を言ってきても、私は信じたりしないのに)
「あいつは全部失って、もう何も残っていない。
そんな奴が捨て身で来たら……」
「エドガー様! いい加減にしてくださいませ!
そんなに私は信用がないのかしら?」
少し気分を害した私はエドガー様の抱擁から出ようと彼の胸を押したのですが、その両腕はますます固く私を閉じ込めて来ました。
「すまなかった。
俺が信用してないのは君じゃなくてノーマンの事だよ。
それでつい、しつこく言ってしまったんだ」
「……」
「もう、この事は口にしないから機嫌を直してくれないか。
君に怒られたら、俺はどうしたらいいのかわからなくなるから」
私より8歳年上の頼りになる灰色狼さんが。
怒られて萎れてしまったワンちゃんに見えてきました。
エドガー様はノーマン様の様な美しい男性ではありませんが、彼の持つ強さや大きさ、深さ、優しさ……
エドガー様を形作るそれら全てが。
私は愛しいのです。
「あの人は平気で私に噓がつけるひとなんです」
あの日彼は私に信じて欲しいと嘘をつきました。
『夏が終われば、君の元に戻るよ』
そう言って彼は。
泣いている私を置いて彼女の所へ行き。
私の元へ戻ってくることはありませんでした。
はっきりとした口調で言いたいことを遠慮なくハキハキと話されていた、かつての姿はどこにも見えませんでした。
周囲にいらした皆様が私達の様子を注視していらっしゃるように感じられて、このような茶番には付き合えないと、私は思いました。
仕方なく、私から話して差し上げることに致しました。
「3年ぶりですわね。
ご実家の伯爵家の皆様はお変わりございませんか?」
(社交界からはすっかり距離を取られたけれど、皆様お元気だと、聞いたわ)
「変わりはないと、思うのだが……
私は家を出て、騎士団の宿舎に居るので……」
(また、嘘を吐かれた。
解雇になったから、騎士団の宿舎には入れませんよね)
帝国に居る私が何も知らないと、思っておられるようでした。
私は何食わぬ顔で会話を続けました。
「左様でございますか。
ブライトンのおじ様おば様には、大層可愛がっていただきましたし、お兄様方にも大変お世話をおかけしてしまいました。
帝国へ戻る前に是非ご挨拶をと、思っているのですけれど」
「帝国に戻る?
では、こちらに帰ってきたのではない?」
「帝国でお仕事させていただいております。
私、あちらに永住するつもりです」
私の言葉を聞き、ノーマン様は唇を噛まれました。
「ガルテン伯爵家の後継は、どうされるのですか?」
(もう貴方には何の関係もないでしょうに)
「従弟のギリアンが養子に入ってくれましたの。
綺麗でしっかりした婚約者にも恵まれましたし、領地の事は義弟夫婦にお任せ出来ると、父も私も安心しておりますわ」
ギリアンとの養子縁組の話もご存じないなんて。
本当に今のノーマン様は、ご実家とも社交界からも絶縁されているのでしょう。
(もう充分にお相手をしたわ。
ノーマン様もご満足でしょう)
そう思って、私はこの場を離れることに致しました。
「今夜は懐かしいお顔を拝見できて、とても嬉しかったですわ。
それでは、ごきげんよう」
軽く膝を折りお暇のご挨拶をするのですが。
お分かりにならないのか、気付かない振りをされているのか存じませんが、ノーマン様は私に身を寄せてこられました。
(やめて!近づかないで!)
「貴女に是非聞いていただきたい話があるのです。
お手間は取らせません。
少しでいいので、どこかでお会いできませんか?」
今のノーマン様には似合わない、コロンの香りがしました。
以前とコロンを変えていないのでしょうか……
あの頃と同じ香りが私を包みました。
ずっと忘れようと。
思い出さないよう、記憶の奥底に沈めた日々を思い出しました。
「承りました。
いつどこでと、確かなお約束は出来ませんが、可能であれば連絡を差し上げます」
「ありがとう、シャル。
連絡を待っているから」
(お願いだから、シャルなんて呼ばないで!)
彼はようやく私から離れてくれました。
彼の背中を目で追うと、私のお母様と同じような年齢のマダムに近づき、何かを囁いていました。
マダムは彼に頷くと、こちらに向き直りました。
そして私を見つめながら、手にした扇を広げて見せました。
扇の陰の口元が嗤っていることを、敢えて私に判らせようとしているかの様な仕草でした。
あからさまな悪意を見せつけられてゾッとしました。
私には見覚えのない、美しいひとでした。
ノーマン様はそのまま、おひとりで会場を出て行かれました。
私に会う為だけに、今夜彼は王宮に来たのでしょうか?
◇◇◇
私とエドガー様が合流出来たのは、夜も更けた頃でした。
エドガー・ナイ・バイロン。
『皇帝陛下の灰色狼』と、勇猛な通り名を持つ私の婚約者です。
彼は現在レオパード帝国近衛騎士団の副団長補佐の職に就いていらっしゃいます。
『婚約者の家族と交流を深めよ』と仰せになり、皇太子殿下ご本人が使節団の一員として、エドガー様をお加えになったのです。
今回のカステード王国ご訪問の目的は、王女殿下との婚約披露ですので、私とエドガー様の婚約は関係者以外にはお知らせを控えさせていただきました。
それゆえ、夜会に堂々とふたりで入場することを見合せたのです。
私は義弟をパートナーに、会場に入りました。
エドガー様は皇太子殿下と王女殿下の後ろに従って入場し、先程までずっとお二人のお側に立って控えられていました。
時折、私の方をご覧になり視線が合いますと、皇太子殿下に耳打ちをされるのですが、その都度殿下は首を振っておられました。
(大丈夫です、私は待っています)
ようやく殿下に解放されたエドガー様はまっすぐに私の所に来て下さって、手を取り甲に口づけをされました。
「ガルテン嬢は今宵もますます美しいですね」
「ありがとうございます、バイロン様。
貴方もいつもに増して、凛々しくていらっしゃいますわ」
周囲の方達の耳がありますので、私達はお互いに他人行儀な言葉を交わしました。
ダンスに誘ってくださったのですが、私が断りますとテラスへと誘われました。
「本当に悪魔のような御方だよ。
俺の前でわざと王女殿下の髪を撫で、手を握り、耳元で甘い言葉を囁かれていた」
「イライラしている貴方のご様子を楽しまれていらっしゃったのね」
エドガー様と皇太子殿下の年齢は8歳離れておりますが、辛い時間を共に過ごしたおふたりは、本当はとても仲良しなのです。
「ずっとロティが不足していたよ。
君を補充させて」
ロティというのはエドガー様だけの私の呼び名です。
エドガー様の胸に引き寄せられると、私は目を閉じました。
彼の腕の中に閉じ込められると、何もかもから護っていただけるような。
絶対的なものを感じるのです。
「ノーマンが君のところに来ていたね。
あいつに何を言われたの?」
「話を聞いてほしいと」
「今になって、浮気の言い訳?」
エドガー様は、私が留学した理由をご存じです。
私とエドガー様と殿下の3人だけのお茶会では、ノーマン様の名前が頻繁にのぼりました。
「殿下も気付いていらしたが、間に入らず見守れと、引き留められていた。
嫌な事は言われなかった?」
「大丈夫よ、もし何か言われたとしても、今の私はちゃんと言い返せるわ」
あの頃は言いたいこともノーマン様に言えなくて自分でも歯痒くなっていました。
納得出来ないことを指摘して、彼に『可愛くない』と思われたくなくて、我慢することが年々増えて。
今の私は変わったのだと、ノーマン様に思い知らせたい。
そんな気持ちから会うことになっても構わないかなと、思っていたのですが。
「貴方がノーマン様と会うのを止めたいと、思っていらっしゃるのなら、私は会いません」
「それで君はいい?」
「もう終わった話ですもの。
今の私には、貴方が誰よりも何よりも大切なの」
私はエドガー様にこの気持ちが伝わるよう、願いを込めて背の高い彼を見上げました。
「……ノーマンに会うのを止めないよ」
くちづけの後、彼は私の耳元で囁きました。
「復縁を持ちかけられても、絶対に絆されないように」
「もう!馬鹿なこと言わないで!」
「こちらからはよく見えなかったけれど、彼は美しい男だろう?」
「絆されるなんて有り得ません!」
考えただけで笑ってしまいました。
(あんな嘘つきが何を言ってきても、私は信じたりしないのに)
「あいつは全部失って、もう何も残っていない。
そんな奴が捨て身で来たら……」
「エドガー様! いい加減にしてくださいませ!
そんなに私は信用がないのかしら?」
少し気分を害した私はエドガー様の抱擁から出ようと彼の胸を押したのですが、その両腕はますます固く私を閉じ込めて来ました。
「すまなかった。
俺が信用してないのは君じゃなくてノーマンの事だよ。
それでつい、しつこく言ってしまったんだ」
「……」
「もう、この事は口にしないから機嫌を直してくれないか。
君に怒られたら、俺はどうしたらいいのかわからなくなるから」
私より8歳年上の頼りになる灰色狼さんが。
怒られて萎れてしまったワンちゃんに見えてきました。
エドガー様はノーマン様の様な美しい男性ではありませんが、彼の持つ強さや大きさ、深さ、優しさ……
エドガー様を形作るそれら全てが。
私は愛しいのです。
「あの人は平気で私に噓がつけるひとなんです」
あの日彼は私に信じて欲しいと嘘をつきました。
『夏が終われば、君の元に戻るよ』
そう言って彼は。
泣いている私を置いて彼女の所へ行き。
私の元へ戻ってくることはありませんでした。
127
あなたにおすすめの小説
もうあなた達を愛する心はありません
佐藤 美奈
恋愛
セラフィーナ・リヒテンベルクは、公爵家の長女として王立学園の寮で生活している。ある午後、届いた手紙が彼女の世界を揺るがす。
差出人は兄ジョージで、内容は母イリスが兄の妻エレーヌをいびっているというものだった。最初は信じられなかったが、手紙の中で兄は母の嫉妬に苦しむエレーヌを心配し、セラフィーナに助けを求めていた。
理知的で優しい公爵夫人の母が信じられなかったが、兄の必死な頼みに胸が痛む。
セラフィーナは、一年ぶりに実家に帰ると、母が物置に閉じ込められていた。幸せだった家族の日常が壊れていく。魔法やファンタジー異世界系は、途中からあるかもしれません。
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
断罪される前に市井で暮らそうとした悪役令嬢は幸せに酔いしれる
葉柚
恋愛
侯爵令嬢であるアマリアは、男爵家の養女であるアンナライラに婚約者のユースフェリア王子を盗られそうになる。
アンナライラに呪いをかけたのはアマリアだと言いアマリアを追い詰める。
アマリアは断罪される前に市井に溶け込み侯爵令嬢ではなく一市民として生きようとする。
市井ではどこかの王子が呪いにより猫になってしまったという噂がまことしやかに流れており……。
〘完結〛ずっと引きこもってた悪役令嬢が出てきた
桜井ことり
恋愛
そもそものはじまりは、
婚約破棄から逃げてきた悪役令嬢が
部屋に閉じこもってしまう話からです。
自分と向き合った悪役令嬢は聖女(優しさの理想)として生まれ変わります。
※爽快恋愛コメディで、本来ならそうはならない描写もあります。
婚約者様への逆襲です。
有栖川灯里
恋愛
王太子との婚約を、一方的な断罪と共に破棄された令嬢・アンネリーゼ=フォン=アイゼナッハ。
理由は“聖女を妬んだ悪役”という、ありふれた台本。
だが彼女は涙ひとつ見せずに微笑み、ただ静かに言い残した。
――「さようなら、婚約者様。二度と戻りませんわ」
すべてを捨て、王宮を去った“悪役令嬢”が辿り着いたのは、沈黙と再生の修道院。
そこで出会ったのは、聖女の奇跡に疑問を抱く神官、情報を操る傭兵、そしてかつて見逃された“真実”。
これは、少女が嘘を暴き、誇りを取り戻し、自らの手で未来を選び取る物語。
断罪は終わりではなく、始まりだった。
“信仰”に支配された王国を、静かに揺るがす――悪役令嬢の逆襲。
許婚と親友は両片思いだったので2人の仲を取り持つことにしました
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
<2人の仲を応援するので、どうか私を嫌わないでください>
私には子供のころから決められた許嫁がいた。ある日、久しぶりに再会した親友を紹介した私は次第に2人がお互いを好きになっていく様子に気が付いた。どちらも私にとっては大切な存在。2人から邪魔者と思われ、嫌われたくはないので、私は全力で許嫁と親友の仲を取り持つ事を心に決めた。すると彼の評判が悪くなっていき、それまで冷たかった彼の態度が軟化してきて話は意外な展開に・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
幼馴染以上、婚約者未満の王子と侯爵令嬢の関係
紫月 由良
恋愛
第二王子エインの婚約者は、貴族には珍しい赤茶色の髪を持つ侯爵令嬢のディアドラ。だが彼女の冷たい瞳と無口な性格が気に入らず、エインは婚約者の義兄フィオンとともに彼女を疎んじていた。そんな中、ディアドラが学院内で留学してきた男子学生たちと親しくしているという噂が広まる。注意しに行ったエインは彼女の見知らぬ一面に心を乱された。しかし婚約者の異母兄妹たちの思惑が問題を引き起こして……。
顔と頭が良く性格が悪い男の失恋ストーリー。
※流血シーンがあります。(各話の前書きに注意書き+次話前書きにあらすじがあるので、飛ばし読み可能です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる