単純な俺たちのありふれた恋の話

みーくん

文字の大きさ
1 / 45

占いは当たらないよね

しおりを挟む
 高二の二学期が始まって二週間が経とうとしている今日。

 俺、巻島直樹まきしまなおきは泣いている。



 六月から付き合っていた彼女にフラれた。しかも、俺史上最悪な形で。



 きょうも一緒に帰る約束をしていたから、日直だった俺は早く仕事を済ませ、彼女のクラスに急いだ。教室の戸を開けようとした時、彼女と誰か男の話声がしたから、そっと覗いてみたんだ。



 そしたら、そいつとキスしてた。男の顔は見えない。



 俺はその場を動けなくて何をどうしたら良いのかも分からず、間抜けな顔で立ち尽くしていたと思う。



 彼女が「直樹は顔が可愛いからアクセサリー感覚で横に置いてた。でも本当はさとしくんみたいな男らしい人が好きなの。」なんて言うんだよ。しかも、その聡って男は一年の時に同じクラスで、俺が一番仲の良かった奴。もちろん今でも仲は良い・・・と思ってた。



 その後の事はよく覚えてなくて、何か言って別れたんだと思う。彼女から言い出したのかもしれないし、俺が言ったのかもしれないけど、俺がフラれたんだからどっちでも同じ事だ。



 気付いたら、自分の席で窓の外を見ながら泣いてた。



 だって、向こうに告られて付き合ったけど俺だってちゃんと彼女を好きになったし、夏休みだって沢山遊びに行って、それなりにエッチもしてたし。・・・・でも、その時には既に聡とも繋がっていたのかもしれない。



 今日、友達と彼女を同時に失った。最悪だ。朝テレビで観た運勢は一位だったのに。さっきまで幸せだったのに。なんでこんな事になったんだろうな。



「あれ?直樹まだ居たの??」



 俺の沈み切った気持ちとは真逆の明るい声で元気よく入ってきたのは、二年になって仲良くなってつるんでる野田のだ圭一郎けいいちろう

こいつはモテるイケメン野郎だ。身長も高く180cm以上はある。168cmの俺には羨ましい身長だ。一部の女子からは王子と呼ばれているらしい。そして性格も良いんだよな。



「どうしたんだ?直樹・・・泣いてる?」

「いや、大丈夫。もう帰るよ。」



 俺はいつも「悩み事とかなさそうだね」って言われるくらい能天気な自覚はあるが、今ばかりはいつもみたく上手く笑う事が出来なくて頑張って笑ってみたけど、既に涙と鼻水でぐちゃぐちゃの顔で笑ったところで全然ごまかしきれなかったから心配してくれた圭一郎に全てを話した。

彼女をちゃんと好きだったこと。

でも向こうは本気じゃなかった事。

仲の良い友達とデキてた事。

俺はモテないから、やっとできた彼女だったんだ。それがこんな形で終わるなんて。



「お前は悪くないよ。俺は直樹の事好きだよ。明るくていつもニコニコしてるし優しいし面白い。そんなひどい奴の事なんて忘れてしまえよ。直樹にはもっとイイ娘がいるはずだよ。」



「くそぉ~お前に言われるとなんか腹立つな。このイケメンが!俺はお前みたいにモテないんだよ。少し分けろよその身長!・・・・罰としてお前が慰めろ!」



 そう言って、圭一郎の胸に抱きつきまた泣いた。



 そんな俺に呆れもせず、ぽんぽんと背中を叩いて頭をヨシヨシしてくれる。お前は行動もイケメンだなっ!こいつと友達になって良かった。ありがとう!











 圭一郎に話を聞いてもらったお陰で思ったよりも早く立ち直った俺は次の日の昼休みに、別れた事を他の友達にも報告した。



「まあまあ元気出せ。」

そう言って、パックの牛乳を差し出してきたのは田中順一たなかじゅんいち。一年の時からのツレでスポーツマンの爽やかイケメンだ。



「今度、俺と合コン行こうぜ!」

と言って、ビン牛乳を渡してきたのは石中友也いしなかともや。二年で同じクラスになってから仲良くなった。



「直君も別に彼女なんて無理に作らなくていいんだよ。それより皆で遊ぼうぜ!」

と、ミルクパンをくれたのは西川健介にしかわけんすけ。こいつは俺の事を「なおくん」と呼ぶ。モテそうなんだけど彼女はいない。



「ありがと・・・ってなんで皆揃って牛乳なんだよ!嫌味か!」

「だって、身長欲しいんだろ?」

「まったく。人が気にしてることを言うなよな。しかも健介は何でミルクパンなんだよ!」

「え?だって牛乳はパックとビンしかないじゃん。」



 人のコンプレックスをグイグイと抉ってくる奴らだけど、皆良い奴なんだ。これも、俺が落ち込まないようにわざとふざけてるって分かってる。あの時は辛かったけど、こいつらといれば大丈夫。凄く楽しい。



「あれ?圭一郎は?」



 俺にくれたはずのミルクパンを頬張りながら健介が聞いてきた。



「なーんか、一年の子に呼び出されたってさー。」

「まじかっ!また告られてんのか。あいつは。」

「うらやまっ!てか、あいつ今フリーだっけ?」

「うん。確かフリーだな。」

「じゃあ付き合うんだろうな。あいつ来る者拒まずだもんな。」

「圭一郎って良い奴なのに、何でそこだけはユルッユルなんだろうな。」

「まだ本気になれる相手が見つからないだけだよ。多分。」

「いいよなーモテる奴は。」

「はぁ~・・・もうすぐ体育祭だなぁ・・・。」



 告白かぁ~・・・モテるの羨ましいな、マジで。でも俺はちょっと今は彼女とかいらないかな。

完全に立ち直った訳じゃないけど、思い出しても辛くはない。どちらかと言うと元カノの事よりも聡に裏切られた方がショックだ。

・・・でもまぁ、聡も好きだったなら俺の惚気話とか聞くの辛かったんだろうな。普通にヤッたとか報告してたしな。ごめんな、聡。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?

中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」 そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。 しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は―― ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。 (……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ) ところが、初めての商談でその評価は一変する。 榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。 (仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな) ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり―― なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。 そして気づく。 「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」 煙草をくゆらせる仕草。 ネクタイを緩める無防備な姿。 そのたびに、陽翔の理性は削られていく。 「俺、もう待てないんで……」 ついに陽翔は榊を追い詰めるが―― 「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」 攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。 じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。 【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】 主任補佐として、ちゃんとせなあかん── そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。 春のすこし手前、まだ肌寒い季節。 新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。 風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。 何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。 拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。 年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。 これはまだ、恋になる“少し前”の物語。 関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。 (5月14日より連載開始)

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

同居人の距離感がなんかおかしい

さくら優
BL
ひょんなことから会社の同期の家に居候することになった昂輝。でも待って!こいつなんか、距離感がおかしい!

またのご利用をお待ちしています。

あらき奏多
BL
職場の同僚にすすめられた、とあるマッサージ店。 緊張しつつもゴッドハンドで全身とろとろに癒され、初めての感覚に下半身が誤作動してしまい……?! ・マッサージ師×客 ・年下敬語攻め ・男前土木作業員受け ・ノリ軽め ※年齢順イメージ 九重≒達也>坂田(店長)≫四ノ宮 【登場人物】 ▼坂田 祐介(さかた ゆうすけ) 攻 ・マッサージ店の店長 ・爽やかイケメン ・優しくて低めのセクシーボイス ・良識はある人 ▼杉村 達也(すぎむら たつや) 受 ・土木作業員 ・敏感体質 ・快楽に流されやすい。すぐ喘ぐ ・性格も見た目も男前 【登場人物(第二弾の人たち)】 ▼四ノ宮 葵(しのみや あおい) 攻 ・マッサージ店の施術者のひとり。 ・店では年齢は下から二番目。経歴は店長の次に長い。敏腕。 ・顔と名前だけ中性的。愛想は人並み。 ・自覚済隠れS。仕事とプライベートは区別してる。はずだった。 ▼九重 柚葉(ここのえ ゆずは) 受 ・愛称『ココ』『ココさん』『ココちゃん』 ・名前だけ可愛い。性格は可愛くない。見た目も別に可愛くない。 ・理性が強め。隠れコミュ障。 ・無自覚ドM。乱れるときは乱れる 作品はすべて個人サイト(http://lyze.jp/nyanko03/)からの転載です。 徐々に移動していきたいと思いますが、作品数は個人サイトが一番多いです。 よろしくお願いいたします。

タトゥーの甘い檻

マリ・シンジュ
BL
執着系わんこ攻(大学生)× 高潔な美形教授受(30代) どのお話も単体でお楽しみいただけます。 ​「先生、ここ……僕の瞳を入れるから。ずっと、僕だけを見てて」 ​真面目な大学教授・新城が、大学生の・羽生にだけ許した、あまりにも淫らな「わがまま」。 ​それは、誰にも見えない内腿の奥深くに、消えないタトゥーを刻むこと。 「下書き」と称して肌を赤く染めるペン先の冷たさ。 アトリエの無機質なライトの下、四つん這いで晒される大人の矜持。 ​ずっと年下の青年の、必死で、残酷で、純粋な独占欲。 愚かだと知りながら、新城はその熱に絆され、ゆっくりと「聖域」を明け渡していく――。 ​「……お前のわがままには、最後まで付き合う」 ​針が通るその時、二人の関係は一生消えない「共犯」へと変わる。 執着攻め×年上受け、密やかに刻まれる秘め事のお話。

僕たち、結婚することになりました

リリーブルー
BL
俺は、なぜか知らないが、会社の後輩(♂)と結婚することになった! 後輩はモテモテな25歳。 俺は37歳。 笑えるBL。ラブコメディ💛 fujossyの結婚テーマコンテスト応募作です。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

処理中です...