単純な俺たちのありふれた恋の話

みーくん

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エアコンの切タイマーは重要だ

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 あの圭一郎がフリーなのに告白断ったってよ。

という衝撃の事実が明るみになってから一週間後の今日は体育祭だ。



 俺の体調は最悪。まぁ、あれだな。昨夜は冷房のタイマーをセットし忘れて朝起きたら極寒だった。そうだ、これは完全に風邪をひいた。頭が痛い。しかも今日は暑い。ごめん残暑なめてた。



「わりぃ~。俺体調不良だわ。休んでくる。」

「直君大丈夫?顔色無いよ。」

「俺、ついていこうか?」

「大丈夫、大丈夫。圭一郎はもうすぐ競技の出番だろ?一人で行けるから。」



 頭割れそう・・・ふらふらするわ・・・。



 何とか歩いて保健室に向かっていると不意に声を掛けられた。



 あっ。この声。



「直樹!お前、体調悪いのか?顔色悪いけど大丈夫か?」



 聡だ。ズキズキ痛む頭を押さえて精一杯の笑顔で答える。



「ああ、ちょっとな。でも大丈夫だよ。心配サンキュー。」

「直樹!ごめん!・・・あの時・・・その・・・」



あぁ。今は止めてくれ。頭が痛いから上手く考えられないし、笑えないし余裕がないんだよ。



「あの時の事は・・・もういいよ。俺こそごめんな。お前の気持ちも分かってなくてさ。好きだったんだろ?ごめんな。俺、自分の事ばっかでさ。今、付き合ってるのか?上手くやれよ。」



 何とか笑顔で「もう気にするな」と伝えることが出来たし。もういいだろう。



「ごめん!違うんだ直樹。俺は・・・お前の事が好きなんだ。」

「・・・は?」

「お前の事が好きだから、別れて欲しくてやったんだ。お前が好きなんだよ直樹。」



 何だよそれ。という言葉は、聡の唇に邪魔をされ声になる事はなかった。



・・・は?今、キスされたの?



 マジで勘弁してくれよ・・・今は駄目なんだって・・・。



目の前がゆっくりと暗くなっていった。











 額にヒヤッとしたものを感じ、少しずつ意識が浮上していく。



あれ?ここは何処だ?・・・ああ。保健室か。



「直樹。目覚めたか??」



わぁお!イケメンのドアップ!・・・圭一郎だ。



「あれ?お前競技は?てか、今何時?体育祭は?」

「もう終わったよ。お前、倒れて保健室に運ばれたんだぞ。体調はどう?」

「うん。寝たから今は大丈夫。待っててくれたのか?他のみんなは?」

「皆はさっきまで居たけど帰った。ほら、俺と直樹の家近いだろ。だから俺が送っていくよ。」



・・・あ。圭一郎の優しい笑顔だ。俺この顔好きなんだよな。安心する。



「圭一郎。ありがとうな。」



 本当にこいつは優しい。

圭一郎と居ると甘えたくなるんだよな。お兄ちゃん的な存在?



「圭一郎!おんぶ!まだ体調万全じゃないから、おんぶして!」

「はぁ~?何だよ、子どもか!・・・・でも、いいよ。ほらおいで。」

「えへへ。ありがと。」



うん。やっぱり圭一郎は良い奴だな。





 圭一郎の背中は、大きくてお日様みたいにポカポカしてる。

後ろから圭一郎の首元に鼻をうずめてスンスンしてみた。



「何か圭一郎の背中って安心するな。お日様みたい。良い匂いする~。」

「おっお前なぁ~・・・はぁ~・・・ほら、しっかりつかまってろよ。」

「わ~。圭一郎照れてる!おい照れるなってぇ~。」



 耳が赤くなってるのが可愛く思えて、調子にのってほっぺにチュッとしてやった。益々赤くなった圭一郎をからかったり体育祭の話を聞いたり笑いながら帰っていたけど、圭一郎の背中があまりにも心地よくて気付いたら眠っていた。





 保健室と圭一郎の背中で寝てしまったからか寝れない。もう夜中なのに。



 聡は本当に俺の事が好きなんだろうか。もしかしたら気まずくなったから適当な理由を作ったんかな、いや、さすがに男とキスはできないだろう、あれはやり過ぎだよな。一年の時は席も前後で常に一緒に居て楽しかったんだよ。まさかこんな事になるとは思っても無かったわ。俺なんかのどこが好きなんだろうな・・・。聡のこと好きな女子だって居るのにな。



 くそっ。俺の周りはモテるヤツが多いな。羨ましいぜ。



 はぁ~・・・好きなヤツかぁ~・・・。



圭一郎は本気で人を好きになった事が無いって言ってたけど、あいつが本気になる子ってどんな子なんだろうな。





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