単純な俺たちのありふれた恋の話

みーくん

文字の大きさ
24 / 45

メリークリスマス!

しおりを挟む


 今日はクリスマスイブ。そして金曜日。そして終業式だ。

イブが終業式でクリスマスが休みとか最高だろ!今年の暦に感謝。



 学校が終わって、圭一郎との待ち合わせ場所に向かう。

たまには外で待ち合わせをしてデート気分を味わいたいからな。



 急いで向かっている途中、人通りのない路地の電信柱の陰で誰かが蹲っているのが見えた。



ん?何してんだ?あの人。あれ?おばあちゃんか??

どうしたんだろう。



「おばあちゃん。どうしたんですか?大丈夫ですか?」

「あら。ごめんなさいね。ちょっと気分が悪くて・・・。」

「えっ!!大丈夫??家は近く??」

「孫の顔を見に来たんだけれど・・・。」

「お孫さんの家は近く?・・・てか顔色が悪いよ。立てる?」

「あなた・・・用事があるんでしょ?私はいいから・・・大丈夫だから行きなさい。」

「いやいや、おばあちゃん大丈夫じゃないよ。・・・ちょっと待ってて!」



 今にも倒れそうなおばあちゃんを置いてはいけないから、自販機で水を買いながら圭一郎に電話を掛ける。



「・・・あ、もしもし。圭一郎もう着いた?」

『もうすぐ。どうした?』

「なんか行く途中で、おばあちゃんが体調悪くて蹲ってるんだよ。悪いけど二丁目の三角公園の所に来て欲しい。」

『大丈夫なのか?すぐに行くから待ってて!』

「ごめんな。頼む。」



 おばあちゃんの所に戻ると、やはり顔色が悪く動けそうにない。



「ほら、おばあちゃん。水買ってきたから飲んで。飲める?」

「ごめんなさいね。ありがとう。」

「今、俺の友達も来るよ。そしたらお孫さんの所に連れて行くから、もう少し頑張ってね。」

「本当・・・ごめんなさいね。私のせいで・・・。」

「いいよ全然。お孫さんもおばあちゃんが来るの楽しみに待ってるよ。」



 圭一郎が来るまで、名前とお孫さんの家を聞きだした。



「直樹っ!大丈夫!?」

「圭一郎。おばあちゃん、お孫さんの家に行く途中で気分悪くなったらしいんだ。で、家聞いたから一緒に連れて行って欲しいんだよ。」

「分かった。――おばあさん。大丈夫ですか?」

「おんぶしてあげて。俺じゃ無理だった。」

「うん。おばあさん僕の背中に乗ってください。」



「ごめんなさいね・・・。」



それから聞き出した家に向かうと、勢いよく玄関が開き「おばーちゃーん!」と五歳くらいの男の子が飛び出してきた。

 だけど、立っているのは俺と圭一郎だ。その子は一瞬にして固まり、俺たちをジーっと見つめると



「お、おかーさーん!!おうじさまとおひめさまがたってる!!!!」



と叫んだ。・・・ん?お姫さまって???横の圭一郎が笑ってる・・・ぐむむ。



「どちら様・・・あら!おばあちゃん!?」

「はい。すみません。途中の道端で気分が悪くなってしまったようです。」

「あら!あなた達が連れてきてくれたの??」

「はい。すみません。勝手に家を聞き出しました。」

「ありがとう!どうぞ入って。」



 おばあちゃんの体調も大分落ち着いたようなので帰ろうとすると男の子が話しかけてきた。



「ぼく、れんだよ。ごさい!おうじさまとおひめさまも、クリスマスだからでえとしてるの?」

「そうだよ。」



 おいおい圭一郎。肯定するなよ。いや、デートは本当なんだけど。間違いがあっただろ?ほら間違い探し得意だろ?圭一郎。



「あ、あのさ。れん君。お姫さまって誰の事かな?」

「え?おねえちゃん。」



れん君。俺を指さすな!・・・圭一郎は笑うな!



「お姫様じゃなくて、俺、男だよ。」



「え?うそっ!」と言ったのはお母さんだった。

あらごめんなさいね。と言ってお母さんは笑い出し、おばあちゃんも釣られて笑ってる。



良かった。元気になったみたいだ。



 散々お礼を言われて、れん君は「またきてね!」と可愛らしい笑顔で見えなくなるまで手を振ってくれていた。





「おばあちゃん、元気になってよかったな。」

「途中で来てもらってありがとな、圭一郎。」

「直樹のさ~。そういう優しい所、大好きだよ。」

「・・・・・・・ありがとう。それにしても、れん君可愛かったな!」

「うん。でも俺は直樹の方が可愛いと思うよ。」

「・・・・。恥ずかしい事言うな。」



 昼過ぎに待ち合わせの予定だったけれど、いろいろあって既に空は薄暗くなっている。



「今日の予定は明日に持ち越しだな。とりあえず飯食いに行くか!」

「そーだな。・・・・なあ、圭一郎。ここ、誰もいないから。手つなごっ!」



 瞬時に力いっぱい抱きしめられた。



 二人で考えて立てた予定は実行できなかったけど、どんな時でも好きな人が一緒なら、何をしてて幸せを感じるんだな。

 圭一郎が隣に居れば、公園で座ってるだけでも道を歩くだけでも楽しいだろう。



「さっき直樹がれん君と遊んでるときにさ、お母さんに貰ったんだ。これ。」

「あっ!観覧車のチケットだ!」

「後で行こうか。直樹と乗りたい!」

「・・・うん。いこうか。」



 そして俺たちは、ご飯を食べて観覧車へと向かった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?

中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」 そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。 しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は―― ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。 (……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ) ところが、初めての商談でその評価は一変する。 榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。 (仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな) ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり―― なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。 そして気づく。 「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」 煙草をくゆらせる仕草。 ネクタイを緩める無防備な姿。 そのたびに、陽翔の理性は削られていく。 「俺、もう待てないんで……」 ついに陽翔は榊を追い詰めるが―― 「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」 攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。 じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。 【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】 主任補佐として、ちゃんとせなあかん── そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。 春のすこし手前、まだ肌寒い季節。 新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。 風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。 何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。 拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。 年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。 これはまだ、恋になる“少し前”の物語。 関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。 (5月14日より連載開始)

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

同居人の距離感がなんかおかしい

さくら優
BL
ひょんなことから会社の同期の家に居候することになった昂輝。でも待って!こいつなんか、距離感がおかしい!

またのご利用をお待ちしています。

あらき奏多
BL
職場の同僚にすすめられた、とあるマッサージ店。 緊張しつつもゴッドハンドで全身とろとろに癒され、初めての感覚に下半身が誤作動してしまい……?! ・マッサージ師×客 ・年下敬語攻め ・男前土木作業員受け ・ノリ軽め ※年齢順イメージ 九重≒達也>坂田(店長)≫四ノ宮 【登場人物】 ▼坂田 祐介(さかた ゆうすけ) 攻 ・マッサージ店の店長 ・爽やかイケメン ・優しくて低めのセクシーボイス ・良識はある人 ▼杉村 達也(すぎむら たつや) 受 ・土木作業員 ・敏感体質 ・快楽に流されやすい。すぐ喘ぐ ・性格も見た目も男前 【登場人物(第二弾の人たち)】 ▼四ノ宮 葵(しのみや あおい) 攻 ・マッサージ店の施術者のひとり。 ・店では年齢は下から二番目。経歴は店長の次に長い。敏腕。 ・顔と名前だけ中性的。愛想は人並み。 ・自覚済隠れS。仕事とプライベートは区別してる。はずだった。 ▼九重 柚葉(ここのえ ゆずは) 受 ・愛称『ココ』『ココさん』『ココちゃん』 ・名前だけ可愛い。性格は可愛くない。見た目も別に可愛くない。 ・理性が強め。隠れコミュ障。 ・無自覚ドM。乱れるときは乱れる 作品はすべて個人サイト(http://lyze.jp/nyanko03/)からの転載です。 徐々に移動していきたいと思いますが、作品数は個人サイトが一番多いです。 よろしくお願いいたします。

タトゥーの甘い檻

マリ・シンジュ
BL
執着系わんこ攻(大学生)× 高潔な美形教授受(30代) どのお話も単体でお楽しみいただけます。 ​「先生、ここ……僕の瞳を入れるから。ずっと、僕だけを見てて」 ​真面目な大学教授・新城が、大学生の・羽生にだけ許した、あまりにも淫らな「わがまま」。 ​それは、誰にも見えない内腿の奥深くに、消えないタトゥーを刻むこと。 「下書き」と称して肌を赤く染めるペン先の冷たさ。 アトリエの無機質なライトの下、四つん這いで晒される大人の矜持。 ​ずっと年下の青年の、必死で、残酷で、純粋な独占欲。 愚かだと知りながら、新城はその熱に絆され、ゆっくりと「聖域」を明け渡していく――。 ​「……お前のわがままには、最後まで付き合う」 ​針が通るその時、二人の関係は一生消えない「共犯」へと変わる。 執着攻め×年上受け、密やかに刻まれる秘め事のお話。

僕たち、結婚することになりました

リリーブルー
BL
俺は、なぜか知らないが、会社の後輩(♂)と結婚することになった! 後輩はモテモテな25歳。 俺は37歳。 笑えるBL。ラブコメディ💛 fujossyの結婚テーマコンテスト応募作です。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

処理中です...