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Love.4
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ヒッグヒッグ
家に帰ってただいまも言わず、自室に逃げ込んだ。
真っ暗な部屋に嗚咽が響く。
「お、お姉ちゃん、どうしたの?怖いって」
妹が扉の向こうから訊ねてきた。
泣いているのに、容赦が無い。
「大丈夫、何でもない」
「そう、じゃぁね。」
と部屋に帰ってしまった。
どうしよう、空斗に謝ろうかな。
いや、でも何を?
そもそも、私って何か悪いことしたのかな?
まぁ、明日でも良いか。
***
憂鬱。
いつもの待ち合わせ場所に空斗はいなかった。
そんなに怒っているのかな。
いや、空斗が怒っているのを見たことがない。
私、それほど酷いことをしたのかな?
考えていると、学校の方がざわついている。
「何かあったの?」
知り合いの顔を見つけたので、訊ねてみた。
「え、羽衣知らないの?空斗君転校したんだよ」
「………は?」
脳の理解速度が追いつかない。
「でも、意外だね。幼馴染の羽衣に行ってないなんて。って、ちょっと羽衣!」
フラフラと教室に向けて歩き出した。
空斗が転校なんて有り得ない。
どーせ空斗のことだ。
教室行けば、いるに違いない。
ガラガラ
「おはよう………。」
いない。
クラスメイトが私のことを見ている。
そっと空斗の机に触った。
冷たくて、空斗の存在を否定しているような気がした。
吐き気がした。
涙は流れない。
まだ、この状況でも脳が理解していない。
いや、理解を拒んでいる。
皆が混乱している中、担任が入ってきて、事務的に告げられた。
「急ですが、冴木君がお父さんの仕事の都合で転校することになりました」
家に帰ってただいまも言わず、自室に逃げ込んだ。
真っ暗な部屋に嗚咽が響く。
「お、お姉ちゃん、どうしたの?怖いって」
妹が扉の向こうから訊ねてきた。
泣いているのに、容赦が無い。
「大丈夫、何でもない」
「そう、じゃぁね。」
と部屋に帰ってしまった。
どうしよう、空斗に謝ろうかな。
いや、でも何を?
そもそも、私って何か悪いことしたのかな?
まぁ、明日でも良いか。
***
憂鬱。
いつもの待ち合わせ場所に空斗はいなかった。
そんなに怒っているのかな。
いや、空斗が怒っているのを見たことがない。
私、それほど酷いことをしたのかな?
考えていると、学校の方がざわついている。
「何かあったの?」
知り合いの顔を見つけたので、訊ねてみた。
「え、羽衣知らないの?空斗君転校したんだよ」
「………は?」
脳の理解速度が追いつかない。
「でも、意外だね。幼馴染の羽衣に行ってないなんて。って、ちょっと羽衣!」
フラフラと教室に向けて歩き出した。
空斗が転校なんて有り得ない。
どーせ空斗のことだ。
教室行けば、いるに違いない。
ガラガラ
「おはよう………。」
いない。
クラスメイトが私のことを見ている。
そっと空斗の机に触った。
冷たくて、空斗の存在を否定しているような気がした。
吐き気がした。
涙は流れない。
まだ、この状況でも脳が理解していない。
いや、理解を拒んでいる。
皆が混乱している中、担任が入ってきて、事務的に告げられた。
「急ですが、冴木君がお父さんの仕事の都合で転校することになりました」
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