魔女との世界の歩き方

詩野

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プロローグ

第六節 【水の魔女】

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その後、ルーンは何が起こったのか分からなかった。
光の影響で軽く気を失っていたからである。

目を覚ました時、辺りは静かだった。
ルーンを襲った魔物は氷漬けにされており、既に息を引き取っているように見える

火の燃える音もせず、全体的に湿った空気が流れており、部屋の中も水浸しの所があったりもした。

そして、唯一壊れていなかった椅子に、一人の女性が座っていた。

歳は10代後半だとルーンは思った。銀色のとても長い髪の毛で身長はルーンと大して変わらず、けれどもどこか大人な雰囲気を醸し出していた。
服装は魔術師が着るそれと近しい物だと思われるが、辺境の村で育ったルーンには、それが珍しい物に思えた。

彼女はルーンが意識を取り戻したことに気が付くと、読んでいた本を閉じ近寄ってきた。

「大丈夫でしたか?あなたには色々と話したい事があります。会話は出来ますか?」

澄んだとても綺麗な声だった、彼女は心配したような顔でルーンの顔を覗きこんだ。

ルーンは彼女の申し出を受け入れ、奇跡的に無事だった自分の部屋に招き入れた。

そして、彼女の話は始まった。

「まず自己紹介から、私は水の魔女のアイリスです。一度は耳にしたことがあると思いますがこの地に知られてる神話【六人の魔女】の水の魔女です。疑われるとは思いますが、まず話を聞いてもらいたいと思います」

ルーンは縦に首を振った。

「先に村の現状からお話しましょう、まずこの村の生き残りは残念ながら貴方だけだと思われます。私は魔法を駆使し魔物を退治そして火の鎮火をするため村を回りましたが、残念ながら生きている人は確認できませんでした」

ルーンの心は傷だらけになっていた。それも当然、自分が何年も過ごしてきた村がたったの数時間で崩壊してしまったからだ。
アイリスは話を続けた。

「これは私、私達の責任です。」

アイリスは影の魔女の事、今世界に起こってることを話した。

「そして、この無理にも影響が及んでしまいました。本当に申し訳ありません」

ルーンはアイリスに対して、魔女に対して起こってはいなかった。
魔女はこの世界を作った。ならば当然この世界の権利は彼女たちにあるからだ。

「少しの間、一人にしてもらえますか︙」

ルーンはそう言ってアイリスに部屋から出てもらい、考え事を始めた。
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