16 / 52
第一章 【山を繋ぐ大橋】
第九節 【オーク・ロード】
しおりを挟む
巨大なオークの鳴き声がこだまする。
「な、なんだこいつは」
流石のエルも衝撃を受けていた。
それもそのはずでこのオークは通常の約五倍、十メートル位ある超大型の固体だ。
こいつがこのオークの群れの親玉、さしずめオーク・ロードと言ったところだろうか。
「皆さん、戦闘態勢に入ってください!」
アイリスはすぐに冷静な指示を飛ばし、オークに魔法を飛ばして準備をする時間を稼いだ。
その魔法のおかげでルーンたちはすぐに戦闘準備を整えることができた。
四人はそれぞれ近接格闘系職、斥候職、盾職、僧侶系職となっていて、前衛と後衛で半々というバランスが良いパーティーになった。
「こうならやるっきゃねえぜ!」
エルはそう叫ぶとオークの元へと突っ込んだ、それを盾職の男が追う。
「ストーンシールド!」
盾職の男は叫んだ。
これは武器を使うときに技として使うもの【技能】と呼ばれている。
魔法使い職が使う魔法みたいなもので、それぞれ対応した技能が発動する。
これまで見なかったのは、ルーンは狩猟用、エルは作業用にそれぞれの武器を使っていた為、魔物に対して使う技能を習得してないからだ。
盾職の男が使った【ストーンシールド】は相手の魔物の攻撃対象を半永久的に自分に向けさせる技能であり、盾職において一番基本となる技能だ。
「うらぁ!」
盾職の男が技能を発動している間に、エルは攻撃を叩き込む。
だがこの技能も完璧に意識を向けさせるものではなく、攻撃を与えたら勿論攻撃対象は移ってしまう。
オークはエルへと強靭な拳を振り落とした、
「させないぞ!」
いつの間にか後ろに回っていた、近接職と斥候職の男がオークに切りかかる。
そのおかげでエルは攻撃を受けずに済んだ。
「ぐあああぁぁぁ!」
オークは悲痛に満ちた声を上げる。
その隙を見てさらに攻撃を加える前衛職たち、それを確認した後衛職はおのおの攻撃魔法や弓矢を繰り出し攻撃をする。
前衛がオークの攻撃を食らうと僧侶系職の男が回復魔法を発動し回復する。
だが、オークは一向に倒せる気配ではない。
そんな時、いきなりアイリスが撃ち続けていた魔法を止めた。
「すみません、今から発動まで時間がかかるタイプの魔法を発動します。少しの間耐えてください!」
そう言ったアイリスは、魔力を溜める態勢に入った、
「私が魔法を放った瞬間、皆さんはすぐにオークから離れてください!」
その言葉に対して全員が返事をする。
そして魔力が溜まり終わったアイリスは詠唱を始めた。
「水の書氷の章、第七節。【ブリザードタイフーン】」
アイリスが叫んだ瞬間、突如アイリスの前に氷のつぶてをまとった台風が出現し、オークへと迫った。
前衛職は一斉に後ろへと飛びオークから距離をとった。
魔法がオークに当たると、氷のつぶてがオークの体に降り注ぐ。
「ぐぎゃあああぁぁぁぁぁ!」
風の力によって威力を増した氷はオークの体に深々と突き刺さる。
痛々しい光景を眺めていると、流石の巨大なオークも絶命した。
「アイリス!」
アイリスは魔法が終了したと同時に倒れた、体内にあった魔力をすべて使ってしまったのだろう。
これだけ大きな魔法だ、並みの魔法使いでは命も危うくなるようなものだろう。
ルーンたちも重症ではないがそれなりのダメージは負っている、賢者系職の男が全員に回復魔法を使うが体への疲労は取れない。
「皆さん、今回は本当にありがとうございます」
近接職の男が傷だらけの体を起こしていった。
「いえ、皆さんのおかげで倒せました。こちらこそありがとうございます」
ルーンは頭を下げながらそう言って、
「まずは休息をとりましょう。エル、アイリスをお願いできる?」
「任せてくれ」
ルーンではアイリスを担いで戻ることはできないので、エルに任せた。
八人はオークの巣穴を後にし、エルの小屋へと戻った。
「な、なんだこいつは」
流石のエルも衝撃を受けていた。
それもそのはずでこのオークは通常の約五倍、十メートル位ある超大型の固体だ。
こいつがこのオークの群れの親玉、さしずめオーク・ロードと言ったところだろうか。
「皆さん、戦闘態勢に入ってください!」
アイリスはすぐに冷静な指示を飛ばし、オークに魔法を飛ばして準備をする時間を稼いだ。
その魔法のおかげでルーンたちはすぐに戦闘準備を整えることができた。
四人はそれぞれ近接格闘系職、斥候職、盾職、僧侶系職となっていて、前衛と後衛で半々というバランスが良いパーティーになった。
「こうならやるっきゃねえぜ!」
エルはそう叫ぶとオークの元へと突っ込んだ、それを盾職の男が追う。
「ストーンシールド!」
盾職の男は叫んだ。
これは武器を使うときに技として使うもの【技能】と呼ばれている。
魔法使い職が使う魔法みたいなもので、それぞれ対応した技能が発動する。
これまで見なかったのは、ルーンは狩猟用、エルは作業用にそれぞれの武器を使っていた為、魔物に対して使う技能を習得してないからだ。
盾職の男が使った【ストーンシールド】は相手の魔物の攻撃対象を半永久的に自分に向けさせる技能であり、盾職において一番基本となる技能だ。
「うらぁ!」
盾職の男が技能を発動している間に、エルは攻撃を叩き込む。
だがこの技能も完璧に意識を向けさせるものではなく、攻撃を与えたら勿論攻撃対象は移ってしまう。
オークはエルへと強靭な拳を振り落とした、
「させないぞ!」
いつの間にか後ろに回っていた、近接職と斥候職の男がオークに切りかかる。
そのおかげでエルは攻撃を受けずに済んだ。
「ぐあああぁぁぁ!」
オークは悲痛に満ちた声を上げる。
その隙を見てさらに攻撃を加える前衛職たち、それを確認した後衛職はおのおの攻撃魔法や弓矢を繰り出し攻撃をする。
前衛がオークの攻撃を食らうと僧侶系職の男が回復魔法を発動し回復する。
だが、オークは一向に倒せる気配ではない。
そんな時、いきなりアイリスが撃ち続けていた魔法を止めた。
「すみません、今から発動まで時間がかかるタイプの魔法を発動します。少しの間耐えてください!」
そう言ったアイリスは、魔力を溜める態勢に入った、
「私が魔法を放った瞬間、皆さんはすぐにオークから離れてください!」
その言葉に対して全員が返事をする。
そして魔力が溜まり終わったアイリスは詠唱を始めた。
「水の書氷の章、第七節。【ブリザードタイフーン】」
アイリスが叫んだ瞬間、突如アイリスの前に氷のつぶてをまとった台風が出現し、オークへと迫った。
前衛職は一斉に後ろへと飛びオークから距離をとった。
魔法がオークに当たると、氷のつぶてがオークの体に降り注ぐ。
「ぐぎゃあああぁぁぁぁぁ!」
風の力によって威力を増した氷はオークの体に深々と突き刺さる。
痛々しい光景を眺めていると、流石の巨大なオークも絶命した。
「アイリス!」
アイリスは魔法が終了したと同時に倒れた、体内にあった魔力をすべて使ってしまったのだろう。
これだけ大きな魔法だ、並みの魔法使いでは命も危うくなるようなものだろう。
ルーンたちも重症ではないがそれなりのダメージは負っている、賢者系職の男が全員に回復魔法を使うが体への疲労は取れない。
「皆さん、今回は本当にありがとうございます」
近接職の男が傷だらけの体を起こしていった。
「いえ、皆さんのおかげで倒せました。こちらこそありがとうございます」
ルーンは頭を下げながらそう言って、
「まずは休息をとりましょう。エル、アイリスをお願いできる?」
「任せてくれ」
ルーンではアイリスを担いで戻ることはできないので、エルに任せた。
八人はオークの巣穴を後にし、エルの小屋へと戻った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜
黒城白爵
ファンタジー
異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。
魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。
そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。
自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。
後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。
そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。
自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。
合成師
あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる