魔女との世界の歩き方

詩野

文字の大きさ
38 / 52
第三章 【迷宮 紅蓮の洞窟】

第八節 【ルーンの秘策】

しおりを挟む
「よくやった、ルーン」

カインが笑顔で近づいてきた。

「なんもできなかったぜ、折角準備したのによ。とりあえず剥ぎ取りはこっちでやっとくぜ」

と、残念そうな顔をしながらゴートとレキを連れて剥ぎ取りをしにサラマンダーの死体へと歩いていった。
その後、宝箱の元へ近づくと既にアイリスたちが周りに居た。

「お疲れ様ですルーン、それでどうしてあんな作戦を?」

ルーンが思った通り、アイリスたちは質問してきた。

「前にレキから属性つきの武器の話をされた時、あらかじめ武器に属性を付与できるって言っていたのを思い出したんだよ。でも後から付与したり既に付与してあるものに上から被せたりすることに確証は無かったから一か八かだったんだよね」

と、ルーンは簡単に説明をした。
アイリスはルーンに微笑みながら、

「いいえ、ルーンのおかげで成功できたんです。それに失敗してても他に案は無かったので同じことです、だから誇っていいんですよ?」

と、言ってくれた。
アイリスの言葉にルーンは感動してしまった、その理由は、

「ありがとうアイリス、冒険をしてて始めて誰かの役に立てたよ」

ルーンはいままで誰の役にも立てていなかった事を気にしていたのだ。
それで、今回のことに感動してしまったのだ。

宝箱の中身を回収し、剥ぎ取りも終わった後。
時間も時間が遅くなっていたので、迷宮を出てギルドへと向かった。
例の青年が売った情報は迷宮のマップデータだけでボスの情報は無かったので、この重大な情報を売ろうと思っていたのだ。

ギルドに着き、数日間分の素材を売った後例の情報を話した。
情報を聞いた受付嬢は驚いてすぐにギルドマスターに伝えるために奥へと向かった。
しばらくして戻ってきた受付嬢は、

「お待たせしました!こちら、情報料となります!ありがとうございました!」

と言って、カインに莫大な金額が入った袋を差し出した。
その金額に全員が驚いたが、それだけ重要な情報だったということだろう。
ありがたくそのお金を受け取り、ルーンたちはギルドの外に出て、宿へと戻ることにした。

莫大な金額が手に入ったことにより当分の経費には心配ないのだが、そのお金を保存できる場所が無いのですぐに使ってしまうかどこか保存する場所を探さなければならない。

夕食時の話し合いの結果、明日ルーンたちよりもリグレットのことに詳しいガンテグの元に訪れて相談してみることに決めた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜

黒城白爵
ファンタジー
 異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。  魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。  そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。  自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。  後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。  そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。  自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

合成師

あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。 そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...