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第四章 【アンデットの悲劇】
第八節 【腐肉王との戦い 2】
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腕が再生しきったオークロードは放心状態のルーンたちに襲い掛かってきた。
ギリギリの所で気づいたゴートが技能を発動する。
「挑発!」
だがゴートが使った【技能】は発動したのにもかかわらず、オークロードはそれを無視してカインへと突っ込んでいった。
目の前まで来てやっと気づいたカインは咄嗟に剣を構える。
剣を構えたことによって攻撃を防ぐことは出来たのだが、あまりの力によってカインは吹き飛ばされてしまった。
「カイン!」
ルーンが叫ぶとカインは遠くで立ち上がる、どうやら大丈夫のようだったが衝撃でふらふらしている。
そんな状況でも敵は待ってくれない、オークロードは次の攻撃に移る。
このタイミングでもう一度【挑発】を使ったゴートだが、これにもオークロードの標的は変わらずに今度はレキが吹き飛ばされてしまった。
残っているのはゴートと後衛職のみで、後衛職があの攻撃を食らったら命までも危ない。
そして何かに気づいたようにリオが声を上げる。
「分かりました、あのオークロードは何かに操られているのではないでしょうか。その状態ならば技能の【挑発】は効きません、多分操っている何かがこの騒動の原因となったのでしょう」
リオの判断が正しければ、その原因をどうにかすればこのオークロードを倒すことが出来る。
だが今誰かがこの場を離れると、オークロードによって殲滅されてしまうことは明確だ。
そしてどうするか作戦を練る余裕も無い。
そう、ルーンはリオの言葉について考え込んでしまい隙を突かれたのだ。
既に時は遅く、目の前にはオークロードの姿があり腕を真上に振り上げていた。
「あっ」
後衛は基本的に距離をとって戦うのが主流だ。
なのでルーンの近くに人は居なく、ルーン自身も咄嗟に避けようとするが遅すぎたのだ。
ルーンは死を覚悟し、少しでも衝撃を吸収するために身構えた。
だが、その攻撃はルーンに当たる事は無かった。
恐る恐る目を開けたルーンが見たのは、目の前で武器を構えオークの攻撃を耐え抜いたここに居る人間が全員見たことのある男だった。
「なんだコイツ、前回より強くなってねぇか?流石にこの俺でもキツイ」
「エ、エル?」
そう、エルが斧を盾にしてルーンを守ったのだ。
近くにはエルが乗ってきたであろう馬が居る、これでルーンの元へと飛び込んできたんだろう。
それにしても、エルの馬鹿力にはいつも驚かされてばかりだ。
「なんでここに居るの?そんなに近い場所でもないのに」
ルーンがそう言うと、エルが悲しそうな顔をしながら、
「なんだよ俺は来ちゃいけねぇってのかよ、まあいいんだがオークの巣で謎の光を見て近くまで来たらこいつらがうじゃうじゃ居るじゃねぇか。それに動き出したと思ったら都市の方向に向かってるから心配で駆けつけてきたんだ」
ルーンたちの思惑通り、オーク達が出現したのは例のオークの巣からだった。
そして、謎の光を発したの原因も近くに居てオークロードを操っているはずだ。
ルーンは今まで起こったこと、オークロードに今は何しても無駄だということを話した。
「そういえば巣の近くに何か居たぞ、小柄でフードを被っていた」
エルがそう言うと、アイリスがはっとした顔になる。
アイリスにはその正体がおおよそ予想がついたようだったがすぐにそれを口には出さない。
「ひとまず、エルにはオークロードの相手を一緒に頼めますか?そうすれば私とルーンで元凶を探しに行くことができます」
エルの力があればオークロードもある程度は抑えられるとアイリスは考え、そうすればオークロードを操っているフードの人物を探すことが出来ると確信した。
アイリスの提案にエルはすぐに賛同してくれたが、ルーンはなぜ自分が指名されたのか分からなかった。
「よし、そういうことなら任された!いっちょやってやる!」
と、エルは張り切ってオークロードに突っ込んでいく。
カインとレキもその間に動けるようになっていて、エルの後に続いた。
「ではルーン、行きましょう」
アイリスに促されて、ルーンは走り出した。
ギリギリの所で気づいたゴートが技能を発動する。
「挑発!」
だがゴートが使った【技能】は発動したのにもかかわらず、オークロードはそれを無視してカインへと突っ込んでいった。
目の前まで来てやっと気づいたカインは咄嗟に剣を構える。
剣を構えたことによって攻撃を防ぐことは出来たのだが、あまりの力によってカインは吹き飛ばされてしまった。
「カイン!」
ルーンが叫ぶとカインは遠くで立ち上がる、どうやら大丈夫のようだったが衝撃でふらふらしている。
そんな状況でも敵は待ってくれない、オークロードは次の攻撃に移る。
このタイミングでもう一度【挑発】を使ったゴートだが、これにもオークロードの標的は変わらずに今度はレキが吹き飛ばされてしまった。
残っているのはゴートと後衛職のみで、後衛職があの攻撃を食らったら命までも危ない。
そして何かに気づいたようにリオが声を上げる。
「分かりました、あのオークロードは何かに操られているのではないでしょうか。その状態ならば技能の【挑発】は効きません、多分操っている何かがこの騒動の原因となったのでしょう」
リオの判断が正しければ、その原因をどうにかすればこのオークロードを倒すことが出来る。
だが今誰かがこの場を離れると、オークロードによって殲滅されてしまうことは明確だ。
そしてどうするか作戦を練る余裕も無い。
そう、ルーンはリオの言葉について考え込んでしまい隙を突かれたのだ。
既に時は遅く、目の前にはオークロードの姿があり腕を真上に振り上げていた。
「あっ」
後衛は基本的に距離をとって戦うのが主流だ。
なのでルーンの近くに人は居なく、ルーン自身も咄嗟に避けようとするが遅すぎたのだ。
ルーンは死を覚悟し、少しでも衝撃を吸収するために身構えた。
だが、その攻撃はルーンに当たる事は無かった。
恐る恐る目を開けたルーンが見たのは、目の前で武器を構えオークの攻撃を耐え抜いたここに居る人間が全員見たことのある男だった。
「なんだコイツ、前回より強くなってねぇか?流石にこの俺でもキツイ」
「エ、エル?」
そう、エルが斧を盾にしてルーンを守ったのだ。
近くにはエルが乗ってきたであろう馬が居る、これでルーンの元へと飛び込んできたんだろう。
それにしても、エルの馬鹿力にはいつも驚かされてばかりだ。
「なんでここに居るの?そんなに近い場所でもないのに」
ルーンがそう言うと、エルが悲しそうな顔をしながら、
「なんだよ俺は来ちゃいけねぇってのかよ、まあいいんだがオークの巣で謎の光を見て近くまで来たらこいつらがうじゃうじゃ居るじゃねぇか。それに動き出したと思ったら都市の方向に向かってるから心配で駆けつけてきたんだ」
ルーンたちの思惑通り、オーク達が出現したのは例のオークの巣からだった。
そして、謎の光を発したの原因も近くに居てオークロードを操っているはずだ。
ルーンは今まで起こったこと、オークロードに今は何しても無駄だということを話した。
「そういえば巣の近くに何か居たぞ、小柄でフードを被っていた」
エルがそう言うと、アイリスがはっとした顔になる。
アイリスにはその正体がおおよそ予想がついたようだったがすぐにそれを口には出さない。
「ひとまず、エルにはオークロードの相手を一緒に頼めますか?そうすれば私とルーンで元凶を探しに行くことができます」
エルの力があればオークロードもある程度は抑えられるとアイリスは考え、そうすればオークロードを操っているフードの人物を探すことが出来ると確信した。
アイリスの提案にエルはすぐに賛同してくれたが、ルーンはなぜ自分が指名されたのか分からなかった。
「よし、そういうことなら任された!いっちょやってやる!」
と、エルは張り切ってオークロードに突っ込んでいく。
カインとレキもその間に動けるようになっていて、エルの後に続いた。
「ではルーン、行きましょう」
アイリスに促されて、ルーンは走り出した。
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