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塩焼き鳥は裏切らない
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昼下がり。
ユースが持ってきた塩焼き鳥を頬張りながら、俺は幸せの溜め息をついていた。
「……やっぱりこれだな」
「アディル様、そんなに塩焼き鳥がお好きなんですか?」
「好きだ」
「どうしてなんです? 貴族ならもっと豪華な料理があるのに」
俺は少し考えて、串をくるくる回す。
「……塩焼き鳥はな、裏切らない」
「は?」
「焼けば香ばしい匂いがして、噛めばちゃんと肉汁が出て、塩加減も程よい。
政治も派閥も関係なく、俺を歓迎してくれる」
「……なるほど、食べ物に忠誠を求めているんですね」
「そうだ。塩焼き鳥は俺の忠臣だ」
ユースが笑いながら、俺の皿にもう一本置く。
「でも、他の料理だって裏切りませんよ?」
「いや、例えばソースをかけすぎたステーキとか、塩の効いてないスープとか……料理人の気分次第で裏切ってくる」
「……言い方が物騒です」
「その点、塩焼き鳥はシンプルだからな。塩と肉さえあれば成立する。完成度が安定してるんだ」
ユースは苦笑しつつ、器用に串から肉を外して皿に並べる。
俺はそのまま一本丸ごと齧りついた。
「それに、食べやすい」
「食べやすい?」
「皿もナイフもいらないだろ。片手で持って、かぶりつくだけでいい。疲れてても食える」
「……確かに、アディル様向きですね」
「だろ?」
俺は満足げにもう一口。
香ばしい皮とジューシーな肉が混ざり合い、自然と笑みがこぼれる。
「……うん、これだ」
「まるで恋人を褒めるみたいな顔してますけど」
「恋人より長く付き合える気がする」
「そんなにですか」
「そんなにだ」
ユースは呆れたように笑い、残りの串を温め直してくれた。
俺はそれを受け取り、また幸せのため息を漏らす。
「……裏切らないって、大事なんだぞ」
「はいはい。ではこれからも、忠臣の塩焼き鳥をお届けします」
「頼む」
そんなやり取りをしながら、部屋の中には香ばしい匂いと笑い声が満ちていた。
ユースが持ってきた塩焼き鳥を頬張りながら、俺は幸せの溜め息をついていた。
「……やっぱりこれだな」
「アディル様、そんなに塩焼き鳥がお好きなんですか?」
「好きだ」
「どうしてなんです? 貴族ならもっと豪華な料理があるのに」
俺は少し考えて、串をくるくる回す。
「……塩焼き鳥はな、裏切らない」
「は?」
「焼けば香ばしい匂いがして、噛めばちゃんと肉汁が出て、塩加減も程よい。
政治も派閥も関係なく、俺を歓迎してくれる」
「……なるほど、食べ物に忠誠を求めているんですね」
「そうだ。塩焼き鳥は俺の忠臣だ」
ユースが笑いながら、俺の皿にもう一本置く。
「でも、他の料理だって裏切りませんよ?」
「いや、例えばソースをかけすぎたステーキとか、塩の効いてないスープとか……料理人の気分次第で裏切ってくる」
「……言い方が物騒です」
「その点、塩焼き鳥はシンプルだからな。塩と肉さえあれば成立する。完成度が安定してるんだ」
ユースは苦笑しつつ、器用に串から肉を外して皿に並べる。
俺はそのまま一本丸ごと齧りついた。
「それに、食べやすい」
「食べやすい?」
「皿もナイフもいらないだろ。片手で持って、かぶりつくだけでいい。疲れてても食える」
「……確かに、アディル様向きですね」
「だろ?」
俺は満足げにもう一口。
香ばしい皮とジューシーな肉が混ざり合い、自然と笑みがこぼれる。
「……うん、これだ」
「まるで恋人を褒めるみたいな顔してますけど」
「恋人より長く付き合える気がする」
「そんなにですか」
「そんなにだ」
ユースは呆れたように笑い、残りの串を温め直してくれた。
俺はそれを受け取り、また幸せのため息を漏らす。
「……裏切らないって、大事なんだぞ」
「はいはい。ではこれからも、忠臣の塩焼き鳥をお届けします」
「頼む」
そんなやり取りをしながら、部屋の中には香ばしい匂いと笑い声が満ちていた。
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