25回目のごめんね

蜜花

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一話目 みんな王様が大好き

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🐾  
 ぼくは王さま。猫又なんだ。  
 とっても長生きした、特別な猫だよ。  

 しっぽは二つに割れて、くるんとカーブしてる。  
 先っぽは白くて、ふさふさ。  
 風にそよぐように揺れるんだ。すごくお気に入り。  

 右、左って動かすの、たのしい!  
 みんな「すごい!」って拍手してくれる。  

 ぼくはお歌も得意なんだ。  
 二つのしっぽとおててで、四つも煮干しを持ってね。  
 ぽんぽん投げて、キャッチしたんだ。  
 すてきな声で「にゃーっ」と鳴きながらだよ。  
 みんなすごく喜んでくれたよ。  

 そしたら「王さまになって!」って言うんだ。  
 たくさんお願いされた。  
 だから、ぼく、王さまになったの!  
 猫の国の、ちゃんとした王さま!  

 黒い毛並みは艶々で、ふかふか。  
 鳴き声は高くて、すっごくきれい。  
 みんな「さすが王さま!」って褒めてくれる。  

 猫の国じゃ、だれもがぼくを大好き。  
 広間に座ってるだけで、褒められる。  
「王さま、今日も最高!」って声が聞こえる。  
 みんな、ぼくと遊びたい、話したいんだ。  
 だから、ぼく、いつもたのしいよ。  

 あのね、前のことなんだけどね。  
 お散歩してたら、すごいものを見つけた。  
 とってもすてきな国だよ。  

 みーんなちっちゃくて、コロコロしてる。  
 ぼくを見て、ちゅうちゅう可愛い声で鳴くの。  
 走るのが、すっごく早い!  

 ぼく、すぐに大好きになっちゃった。  
 どうしてもほしくて、考えたんだぁ。  
 それで、もらっちゃった!  

 見つけたときにぼくはすぐ言えたよ。  
 門の向こうのねずみさんたちに、大きな声でね。  

「ぼくが王さまになりまーす!」  

 だれも「ダメ」って言わなかった。  
 だから、ぼくが王さま!やったね!  

 ねずみさんたちの国をもらったときのことだよ。  
 ぼくは、門の前に行ったんだ。  
 ママが言ってたの。自分のにはそうしなさいって。  

 体をぐいぐい擦りつけて、ぎゅーっとしたよ。  
 隅っこをなぞって頑張ったんだ。  
 ぜんぶに、ぼくの匂いをつけたよ!  

「ぼくの国になったから、匂いをつけなきゃ!」  

 ぼくがそう言ったらね、ねずみさんたち鳴いてたよ。  
 ちゅうって声がかわいいんだ。  

 額も背中も、足も、ぜんぶ擦った。  
 ゴシゴシ、ぐいぐい、ぺたぺた!  
 角までぬかりなし!  

「これで、ねずみさんたちも、わかるよね!」  

 ねずみさんたちは恥ずかしがってたみたい。  
 声は聞こえるのに、お顔がみえないんだ。  

「ここはぼくの国だよ!」  

 ぼくが王さまになったから、猫の国かな?  
 猫の国?ねずみの国?……わかんない!いいや!  
 ねずみさんたちの国ってよぼう。  

 あたらしい国のことを話したくて急いでかえった。  
 みんな「すごい王さま!」って喜んでくれたよ。  

 猫の国に帰ってから、思ったんだ。  
 ぼくが会いに行けば、すぐ仲良くなれるはず!  
 だって、ぼく、みんなに好かれてるから!  
 うれしくって、体がふわっと揺れた。  

 ぼくはいそいで準備したよ。  
 また、ねずみさんたちの国へ向かったんだ。  
 たのしみだな!  
🐾
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