【完結】想いを忘れたフリを続けて生きると決めた僕の記録

わらいしなみだし

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離婚記念日  十八年目。「現実」

「オジさん!聞いて聞いて!」

 少女に出会って三年目。三回だけのつきあい。
 それなのに、少女の話は心地よく聞くのを楽しみにしている自分がいる。
 なんか、離婚せずにずっと彼女と一緒にいたら、子供が産まれて新しい家族と生活してたんだろうなぁ......と想像してたら、そういえば、離婚していなければ産まれていたら彼女と同じ年頃だろうかなって。

「昨日、彼に会ったんだけどね、偶然。......突然、言われたの。つきあってもいいよって。唐突だったんだけど、スゴくない?」

 想いの彼に告白の返事をもらったってこと?
 ということは、昨年のバラ一輪で告白したのかどうかは定かではないけど、昨日会った時に了承してもらったって......昨日、会ったのは偶然......なのだろうか?
 普通に考えたら偶然ではないだろう。どういう意図があるのか、彼のことを知らない僕には検討もつかなかった。

「高校三年だから、進路もあるし......そろそろ諦めた方がいいかどうかちょっと迷ってたんだよね。昨日こんなことがなかったら、オジさんと話をしながら迷いを吹っ飛ばそうと思ってたんだよねー。あははは」

 嬉しそうに話す少女は好きになった彼のことを想っているのか、ちょっぴり頬を染めている。少女が幸せならそれでいいか......。

 花屋の近くに住んでいる少女。
 少女が住んでいる近辺に住んでいる少女の想い人の彼。

 彼女の話は尽きることなく続いてる。
 相づちを打ちながら惚気話を嬉しい心地で聞いてる。
 少女の親になった気分だ。

 そういう気持ちにさせてくれた少女に、この少女の出会いに感謝した。

 いつか二人を見ることが出来るのだろうか?
 もし、二人が一緒のところを会うことが叶ったら......お祝いをしたい、そんなことを思いながら少女の話を一時間以上聞いて過ごした。

「彼が二十歳になったらプロポーズしたいの......。その時は......このバラの花束......全部私に頂戴......していい?」

 彼はひとつ年下。
 少女はひとつ年上で......彼が二十歳なら、バラの花束は二十一本、だろうか?

 バラの本数......二十一本。

「真実の愛」「あなただけに尽くします」「心から愛しています」

 花言葉は......うん。悪くない。
 
 そんなことを思っていたら、相変わらずだろうか。
 バラの花束から一輪だけ抜き取る少女。

「うん。悪くない。じゃあ、またね!」

 元気に手を振っていつものように颯爽と少女は去ってった。
 初々しいな......僕にも彼女との日々は初々しいものだっただろうか?
 
 過去を懐かしみながら、今日も彼女を思い出していた。
 
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