私が拾ったのは子猫なんですけど!そして私は男じゃない!

わらいしなみだし

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運命?

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 帰宅後すぐにお風呂場に行って湯船にお湯を張った。
 とりあえず濡れた子猫のからだをタオルで拭いてやり、新しいタオルにくるみ座布団の上にそっと乗せる。
 脱いだスーツを脱衣所の籠の横に仕舞ってあったビニール袋に入れ、それを同じ場所にあった紙袋に入れた。
 パンストも脱いで専用のランジェリー袋に入れて洗濯機の中へ放り込む。
 今、私の姿はブラウスとショーツ姿。

 鞄に入ってあるスマホを取り出し検索開始!

『子猫を洗う』……っと

 どうやら人間のシャンプーは子猫にはキツいらしい。
 専用のシャンプーがベストみたいだけど、無添加の石鹸なら問題ナシとの事。

 いいじゃん、いいじゃん!

 私、二ヶ月に一度オフの時に石鹸作ってるんだよね!
 実用的にサラダオイルとオリーブオイルでしか作ってないけど。

 いつかホホバオイルとかアロマオイルとかも入れて拘って作ってみたいんだけど。
 予算的に、サラダオイルとオリーブオイルがベスト!

 身体も髪の毛もそれで洗ってるし、掃除用に使用してるのも自作の石鹸。

 だから……子猫の肌にも優しい筈、よね?

 子猫を洗えることはわかったので次は子猫の食事を検索。

 ……。

 やっぱり子猫用の食べ物を購入した方が良さそう。
 近くにペットショップはないし、夜も遅いし……。

 どうしよう?

 ま、とりあえず温めてあげる方が先決かも!

 風呂場に行くとお湯は半分ほど。
 座布団の上でまだ震えている子猫を抱き上げ、風呂場へ行く。
 椅子に座って胸元に子猫を片腕の中に抱き込み、もう片方の手でシャワーの蛇口を捻る。シャワーの温度を確認してシャワーヘッドを持って前足からゆっくりかけてみたら……吃驚したのか子猫が必死になって腕の中でそこから出ようと暴れだす。子猫でも爪の威力は健在で手の甲と胸元のブラウスが爪の餌食になってしまった。

「い、痛い!」

 思わず声が出ちゃうけど子猫を離したら落ちちゃう!
……猫だから本来こんな距離で落ちることはないんだろうけど、弱ってるからそこんところは疑問。

 痛みを我慢してシャワーを湯船に投げ込んで子猫を抱き締める。

「大丈夫。怖くないよ。怖くないからね。安心して。大丈夫だからね」

 通じてるかどうかはわからないけど。
 背中を撫でながら何度も言い聞かせる。「大丈夫だよ……」って。
 子猫はゆっくりゆっくり私の方に顔を向ける。
 まるでスローモーションだ。
 ウルウルしたつぶらな瞳が私を捉える。釘付けになっちゃった……。
 
 あ……。
 
 ダメだ。好きだわ。
 この真っ黒な子猫……。

「ニャー」と小さく泣く子猫。

 子猫は震えながらも私に体を委ねるようにすり寄った。
 きっとまだ寒いのかもしれない。

「汚れてるから、キレイにしようね!それから……温まろうね!」

 おとなしくなった子猫を石鹸を泡立てて泡いっぱいにして洗う。

 モコモコモコモコモコモコモコモコ

 最初はブルブル震えていたけど、泡が気持ちよかったのか、撫でられる手がよかったのか、震えがやんでお目目がとろんとしてきたみたい。どうやら心地よくなってきたみたいでひとまず安心!

 桶にお湯を入れて子猫を前足からゆっくり入れてみる。
 子猫のペースでゆっくりゆっくり……。
 両手足が桶に入ったのを確認してから、桶のお湯でまず体の泡をおとしてやる。
 ゆっくりゆっくり撫でながら。
 四つん這いになりながらちょっとプルプルしてるけど、それがお湯を我慢してるのかがわからない。
 子猫を抱き抱えて桶のお湯を変えてまた子猫を桶に入れてお湯をかけて泡を濯ぐ。
それを十回ほど繰り返して丁寧に泡を取り除いてから子猫を抱き上げ、泡が少しついてる自分の足を濯ぎ風呂場から出た。
 脱衣場でタオルでキレイに水分を拭く。タオル三枚ほど使用した。最後に新しく出したバスタオルに子猫をくるんでリビングの座布団の上に置いた。

「私もキレイにしてくるから、ちょっとだけ待っててね!」

 気持ち良さそうにバスタオルの中でスヤスヤしている。
 子猫の頭を撫でながら子猫にそう言って私は脱衣場に向かった。
 ブラウスのボタンを外しながら

「これ……お気にだったんだけどなぁ……」

 裸で洗っていたらと思うとゾッとする。子猫が引っ掻いた場所が手の甲三ヶ所に済んだのは奇跡なのかもしれない。
 無惨に引っ掛かれてボロボロになったブラウスの箇所を見ながら、私の身代わりになってくれたことに感謝しつつもう着られなくなったお気に入りのブラウスをゴミ箱へ捨てた。


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