私が拾ったのは子猫なんですけど！そして私は男じゃない！

子猫の雨月と男の子の雨月

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「ニャァア！ニャァア！ニャァア！ニャァア！」

　子猫の雨月はご機嫌でまるで唄ってるかのように優しい声を出していた。

　そう聴こえちゃうのは……完全なる親バカ？

　親じゃないけど。

　暫くして調子に乗ってきた子猫の雨月が前足を出して私に抱きつこうとした。
　完全に爪が全開です！

「雨月、爪！」

「ニャア？」

　抱きつく寸前で子猫の雨月の前足はとまってくれた。

　油断も隙もないんだから！

「ニャァァァァァ……」

　耳がちょっぴり垂れてお目目がウルウルし始めてて……
　自分がしでかそうとした行為に気がついたみたい。

　少しずつ、伸ばした前足の爪を中に入れようとしている。
　子猫の雨月は私の言葉がわかってるみたい。

「ニャァァァァァ……」

　私の顔をジッと見て、口許が『への字』になっちゃってて……
　まるで「ごめんなさい……」って子猫の雨月が言っているよう。

　本当に可愛いんだから！

　私は子猫の雨月の顔に自分の顔を近づけて擦り擦りした。

「雨月はおりこうさんだね！頑張ってる雨月は偉いね！ちゃんと爪のことがわかってるのなら、また一緒にお風呂入ろうね！」

「ニャァア！」

　お返事は人一倍いいんだから！
　あ、子猫だった……。と、いうことは、子猫一倍？



　毎日じゃないよ……

　って内心思ったのは……内緒である。