私が拾ったのは子猫なんですけど!そして私は男じゃない!

わらいしなみだし

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子猫の雨月と男の子の雨月2

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 後を追った私は男女別々のトイレの扉の前にある洗面場にいる柴田君に申し訳なさそうに声をかけた。

「柴田君、傷……痛む?」

 柴田君は強めの水量で傷口を濡らしていた。
 これって、傷口を洗っていることになるのかな?
 子猫の雨月に細菌があってそれが柴田君の中に入って病気にでもなってしまったら……私の責任になるのよね?

 私は夏川上司と子猫の雨月について相談したことを思い出していた。
 
 夏川上司も言ってたじゃない!
 動物病院に行って診てもらうようにって。
 子猫の雨月が男の子になるとしても子猫の場合の状態でなにかをしてしまったらってことを考えなきゃいけなかったんだと……。

 自分の浅はかさに嫌気がする。
 でも、後悔したってもう遅い。
 そんなの、わかってる……。

「痛いよ……。こんなに痛いって知らなかった。勝手に『うーちゃん』に触ろうとしたからだけどさぁ……。本当に……僕、痛いんだよね……。手がうまく動かせないかも……」

 手をずーっと水で流しながらしょぼんとした口調で呟く柴田君。
 それが業とそういう口調で柴田君が話していることなんて、私が知る筈もなく……。

 謝罪の言葉だけではダメだと思った私は柴田君にどうして欲しいのか聞いてみた。 
 きっとそれは……間違いの一歩だった。

「ね、私に出来ることってある?治るまでは私に出来ることなら何でもするよ……」

 子猫の雨月のしたことは私の責任。たとえ子猫の雨月が悪くなくても傷つけたのは紛れもなく子猫の雨月……なんだもの。
 私は意を決することにした。

「じゃあ、今日はとりあえず食べさせてくれる?右手だから、痛くて箸が持てそうにないんだ」

 嘘かどうかなんて私にはわからない。
 私は柴田君の言葉に同意した。

 柴田君の口が嬉しそうに弧を描いていた。
 その笑顔は私にはいつもの尻尾を振る犬のような柴田君の笑顔に見えたが、柴田君自身は下心アリの気持ちを笑顔で隠しているだけだった。

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