私が拾ったのは子猫なんですけど！そして私は男じゃない！

男の子？の雨月はイチャイチャしたがる

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「雨月ぅー、大丈夫だよ。怖くないよ」

「にいちゃ、にいちゃ……」

　頭を胸にいっぱい擦り付けて、イヤイヤするおさない雨月。

「『にぃちゃ』だって！ねぇ、あなた。聞いた？『にいちゃ』って！可愛いわぁ！この子！ねぇねぇ！」

　おさない雨月の怯える声と私に必死にしがみつくのを見てはしゃぐ夏川上司の奥さん、陽愛ひなさんの爛漫さにたじろく私とおさない雨月なのです。

「おい陽愛、いい加減にしろ。星宮、今日は第三会議室を一日抑えておいたから今日はそこでその子の面倒を見ながら仕事をしなさい」

　夏川上司は出勤する前に会社用のスマホをチェックして、第三会議室の使用状況をチェックし真っ先にそこを抑えたのである。

「あ、はい！ありがとうございます！」
「陽愛も一緒に付き添ってあげてくれ。あとの事は頼む」

「もちろん！そのために私を連れてきたんでしょ？」

　わかってるって言いた気に夏川上司にウインクをする。
　見た目もだけど、精神的にも若々しい陽愛さんです。

　私たちは夏川上司と奥さんの陽愛さん、私とおさない雨月の四人で第三会議室へと向かった。

　夏川上司は大きなボストンバックを手に持っていて、奥さんの陽愛さんは大きめの紙袋を持っていた。

　第三会議室の表札を夏川上司が使用中にしてドアノブを手にしてドアを開けた。夏川上司を先頭に奥さん、私と順に入ってドアを閉めた。

　私は椅子におさない雨月を座らせたんだけど、雨月は私の顔を見てぶすっとしている。今の状況がどうも不服みたい。
　私はゆっくりおさない雨月に目線を合わせ話しかけた。

「雨月ぅ、おねーさんはお仕事しなきゃいけないの。でもね、雨月をお部屋にひとりにしたくなくって私の我が儘で一緒に出勤したの。雨月にとっては知らない場所だけど、おねーさんがずっと一緒にいるから、ね？大丈夫だからね？いい子にしてくれると嬉しいな」

「うん、にいちゃ。ぼく、ちゃいちょーびゅ。にいちゃといっしょ、ちゅきっ！」


　笑顔で私を見つめるおさない雨月に安心してしまった私。
　……そんなに甘くなかったんだけどね。