私が拾ったのは子猫なんですけど!そして私は男じゃない!

わらいしなみだし

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なーちゃって何者?

180 雨月は何処?

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 時間が押し迫った私は慌てて全ての料理を平らげた。
 慌てても味を堪能するのは忘れない。
 基本私は食いしん坊なのである。

 ここまで美味しいハンバーグは作れないかもしれないけど、ハンバーグなら雨月に作ってあげれるかも。

 なんて思いながら味わってたのは……秘密です!

 陽愛さんの話をまだまだ聞きたかったんだけど、仕事が溜まっているし時間を押してるのは否めない。

 食べ終わったあとの食後のコーヒーが二人分運ばれ、陽愛さんはコーヒーにミルクを入れ、私はブラックのまま口にした。
 コーヒーを飲みながら陽愛さんはスマホを取り出して誰かに連絡を入れてるようであった。何度もやり取りをしているようだったので。
 もしかしたら夏川上司なのかも……と思った。
 柔らかな笑顔をしていたから。
 食後のコーヒーもゆっくり飲むこともなく、ふーふーしながらなんとかいつもより早めに飲み終え会計を済ませ洋食店をあとにした。
 陽愛さんとオーナーはまだ話し足りなそうにしていたけどね。

 道を真っ直ぐ歩いて駅の方と会社へ行く道に別れた所で陽愛さんとは別れた。

「子供たちが帰ってくるまでには家に帰らないといけないからねー」

 なんて手を振りながら陽気に去っていった。

 私は急いで会社に戻り、第三会議室に入って自分の席に座ってすぐに資料を見ながらせっせとパソコンに打ち込み始めた。

 おさない雨月を夏川上司に任せっきりで気にはなるけど今はそれよりも仕事に集中!間違わないようにしなきゃ。

 カタカタと音が響く中、それから三十分後ぐらい経過した頃に夏川上司がおさない雨月を抱き抱えて室内に入って来た。

 雨月は夏川上司の腕の中でスヤスヤと気持ちよさ気に眠っていた。

 それを見た私は打つのをやめて夏川上司の方へ駆け寄ろうと席を立とうとしたら、夏川上司に抱き抱えていない方の手で制された。

「このまま寝かせてやってくれるかい?社員食堂ではしゃいでいたからちょっと疲れたのかもしれないね……」

「あ……そうなんですか?すみません。お手を煩わせてしまって……」
「そんなこと、気にしなくてもいいよ。雨月君は気持ちよく眠ってるからね。あ、そうそう!今日はこのまま雨月君を連れて帰ってもいいかな?もっと仲良くなりたくてね」
「え?……で、でも……。あ、あの……」
「心配しなくてもいいよ。明日無事に会社に連れてくるから」
「あの……そうじゃなくって……」
「では、そういう事だから。仕事続けなさい」
「あ……」

 畳込まれるかのように話を終えられ、夏川上司は第三会議室から立ち去った。

 あ、あの……雨月?
 そのままで大丈夫かな?
 ……変身、しないといいんだけど。

 も、もし、夏川上司の前で子猫に戻っちゃったら……

 どどどどど、どうするのー?????

 早く連れ戻さなきゃー!

 あ、でも上司の命令。仕事を続けなさいって……言われたんだよね?

 仕事を終えたら……雨月を返してもらおう!

 定時まで頑張って今日の分を済ませなきゃ!

 私は必死になっていつも以上に慎重になりながらパソコンに向かうのだった……。



 定時になったのを見計らって資料の進捗状況を見て一息つき、パソコンの電源を切ってカバンを持ち会議室の電気を消してからドアを閉めて鍵を掛け総務課へ急いだ。

 総務課へ戻り見慣れた顔を見るとひと安心してしまう。
 やっぱりここで仕事をする方が私には性に合ってる、そう思えた。
 この空気間、雰囲気、何もかもが私の好きな場所……
 たった半日第三会議室に居ただけなのに、この自分の仕事場所が一番居心地がいい。

 キョロキョロ……総務課の部屋を隈無く見る。

 居ない……!

 夏川上司の席はもぬけの殻だった。
 おさない雨月がいた形跡さえない。

 どうして?
 何があったの?

「あ、あの……」

 嫌な予感を口にしたくなかった。
 けど、そうはいかなくって……

「夏川上司は?何処にいます?」

 一番近い場所にいる渡辺さんに聞いてみた。

「夏川課長なら、昼休み終わって直ぐ帰ったみたいだよ、な?」

 渡辺さんが美樹ちゃんに同意を促した。

「なんか、急用が出来たって事で……今日新たに入った仕事は確認事項がある分だけ明日に回すようにって言われちゃいましたぁー」

 ええー???
 そ、そんなぁ……!

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