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仕事が手につかない!
205 はりきってる理由は別にもあります♪
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はりきっちゃうほど元気なのは渡辺さんと美樹ちゃんのおかげだけじゃない。
今日会社に行ったら雨月に会えるんだもん!
昨日は本当に長い一日だった。
まさか夏川上司がおさない雨月を家に連れて帰るだなんて思いもしなかったし、雨月も私に何も言ってくれなかった。
あ、雨月にはそういうこと、わかんないのよね……。
私が寂しがってたことも心配してたってことも。
雨月との付き合いはまだ数日しかないんだもん……。
心配なのは……子猫に戻ってたらどうしよう!ってことなんだけど。
もし、雨月が子猫に戻ってしまっていたら夏川上司に雨月の秘密がバレちゃうってことなんだよね……。
だから本当は気が気じゃないんだけど、家にはそんなことを知らない美樹ちゃんがいたので普通になるべく普通の態度で過ごせるように心がけるようにした。
美樹ちゃんを起こしに寝室に入っていったら眠気眼の顔をしている美樹ちゃんが体を起こしていた。まだ頭がボーッとしているらしく、現在の状況がわかっていないようだった。
「美樹ちゃん、お・は・よ」
私は優しくなるべく小さな声で美樹ちゃんに声をかけた。
「え……その声は……せんぱ……い?」
「うん、お水いる?」
「あ、できれば……って、ここ、ど……こ、です……か?」
「私の部屋よ。ちょっと待っててね」
私は台所へ行って蛇口からグラス一杯の水を注いだ。
お茶とかは起きてからの方がいいよね?たぶん……二日酔いかもしれないし……。
私は寝室に戻ってグラスをそのまま美樹ちゃんに手渡した。
「はい、お水。ちゃんと目が開いてる?」
「あ、はい……ちょっと、頭が痛いけど……」
両手で受け取った美樹ちゃんはゆっくりゆっくり二三度に分けてお水を飲んだ。
「昨日の美樹ちゃん、呑むペース早かったから……ジョッキ二杯でダウンしてたよ」
空っぽになったグラスを受けとる。小さく会釈する美樹ちゃん。話をふわふわ状態で聞いていた美樹ちゃんが私の話した内容が脳内で認識し出したのか、徐々に声音が変わっていく。
「う……うそ。そんなに呑んでない……え、えっ?だ、だっておごりだったんですよね?ええー!勿体ないことを!私ってばかぁ……!」
あ、完全に起きちゃいましてね。
完全に目が覚めるところ、そこじゃないでしょ?
「ここって、葉月先輩の住んでる部屋ですか?」
「そうよ」
「ってことは……葉月先輩が私を?」
「ごめんね。違うの。渡辺さんが肩に担いで此処まで運んでくれたの」
「え、なに、その荷物扱い……。さっすがっていうか、あのヤローかわいい女の子に何してくれてるんですか!そういう時は寝ていても『お姫様抱っこ』が定番でしょ?ホントKYなんだから……」
あ、あの……「あのヤロー」って、渡辺さんはれっきとした仕事の先輩で美樹ちゃんの上司なんだけど?
ま、酒の席での出来事だったし、いいんですけどね。
荷物扱い……そこんところは美樹ちゃんの気持ちはわからなくもないけど。運んであげたのに渡辺さん、酷い言いがかりされてるわ。
お姫様抱っこは……好きな人にしてもらうものじゃ……ないの?
プンプンしていても可愛らしい美樹ちゃんが顔を左右に動かしながらクンクンし出した。
どうやらお部屋に漂っている匂いに気がついたようだ。
「葉月先輩……もしかしてもしかすると?」
「うん、朝ご飯作ったわよ。簡単なものだけど」
「やったぁー」
二日酔いって言っていた筈なのに、美樹ちゃんって現金です!
今日会社に行ったら雨月に会えるんだもん!
昨日は本当に長い一日だった。
まさか夏川上司がおさない雨月を家に連れて帰るだなんて思いもしなかったし、雨月も私に何も言ってくれなかった。
あ、雨月にはそういうこと、わかんないのよね……。
私が寂しがってたことも心配してたってことも。
雨月との付き合いはまだ数日しかないんだもん……。
心配なのは……子猫に戻ってたらどうしよう!ってことなんだけど。
もし、雨月が子猫に戻ってしまっていたら夏川上司に雨月の秘密がバレちゃうってことなんだよね……。
だから本当は気が気じゃないんだけど、家にはそんなことを知らない美樹ちゃんがいたので普通になるべく普通の態度で過ごせるように心がけるようにした。
美樹ちゃんを起こしに寝室に入っていったら眠気眼の顔をしている美樹ちゃんが体を起こしていた。まだ頭がボーッとしているらしく、現在の状況がわかっていないようだった。
「美樹ちゃん、お・は・よ」
私は優しくなるべく小さな声で美樹ちゃんに声をかけた。
「え……その声は……せんぱ……い?」
「うん、お水いる?」
「あ、できれば……って、ここ、ど……こ、です……か?」
「私の部屋よ。ちょっと待っててね」
私は台所へ行って蛇口からグラス一杯の水を注いだ。
お茶とかは起きてからの方がいいよね?たぶん……二日酔いかもしれないし……。
私は寝室に戻ってグラスをそのまま美樹ちゃんに手渡した。
「はい、お水。ちゃんと目が開いてる?」
「あ、はい……ちょっと、頭が痛いけど……」
両手で受け取った美樹ちゃんはゆっくりゆっくり二三度に分けてお水を飲んだ。
「昨日の美樹ちゃん、呑むペース早かったから……ジョッキ二杯でダウンしてたよ」
空っぽになったグラスを受けとる。小さく会釈する美樹ちゃん。話をふわふわ状態で聞いていた美樹ちゃんが私の話した内容が脳内で認識し出したのか、徐々に声音が変わっていく。
「う……うそ。そんなに呑んでない……え、えっ?だ、だっておごりだったんですよね?ええー!勿体ないことを!私ってばかぁ……!」
あ、完全に起きちゃいましてね。
完全に目が覚めるところ、そこじゃないでしょ?
「ここって、葉月先輩の住んでる部屋ですか?」
「そうよ」
「ってことは……葉月先輩が私を?」
「ごめんね。違うの。渡辺さんが肩に担いで此処まで運んでくれたの」
「え、なに、その荷物扱い……。さっすがっていうか、あのヤローかわいい女の子に何してくれてるんですか!そういう時は寝ていても『お姫様抱っこ』が定番でしょ?ホントKYなんだから……」
あ、あの……「あのヤロー」って、渡辺さんはれっきとした仕事の先輩で美樹ちゃんの上司なんだけど?
ま、酒の席での出来事だったし、いいんですけどね。
荷物扱い……そこんところは美樹ちゃんの気持ちはわからなくもないけど。運んであげたのに渡辺さん、酷い言いがかりされてるわ。
お姫様抱っこは……好きな人にしてもらうものじゃ……ないの?
プンプンしていても可愛らしい美樹ちゃんが顔を左右に動かしながらクンクンし出した。
どうやらお部屋に漂っている匂いに気がついたようだ。
「葉月先輩……もしかしてもしかすると?」
「うん、朝ご飯作ったわよ。簡単なものだけど」
「やったぁー」
二日酔いって言っていた筈なのに、美樹ちゃんって現金です!
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