私が拾ったのは子猫なんですけど!そして私は男じゃない!

わらいしなみだし

文字の大きさ
274 / 280
いっぱいいっぱい抱きしめたい!

236 私ではダメなのかな?

しおりを挟む
 今にも泣きそうな雨月の目をしっかりと見つめた。

「雨月、どうしてこんなことするの?」

「ぼく……わりゅいこと、ちたの?」

 悪いことっていえば……違うかもしれないけど、よくないことだとは思うんだよね……。乳首痛いし、吸うものじゃないし……違うけど、違わないよね?
 私の赤ちゃんじゃないし、乳母でもないし……あーん!どのように雨月に説明したらいいのかわかんない。私が困ってることだけは事実なんだけど……どうしよう?

 お目目を潤ませて私をじっと見て返ってくる言葉を待っている雨月。
 それでもちっちゃなお手々は私の胸の尖りを包んでるんだけどね。

 そのうるうる……反則でしょ?
 私、負けちゃうじゃない……。

 ……あっさり白旗揚げました。
 私って、雨月には勝てないみたいです。

 勝ち負けの問題じゃないんだけど、ないんだけど!
 なんか、ちょっぴり悔しいのよね。

 溢れそうなお目目二つを指で拭って両手で雨月の頬を優しく覆った。

「おねーさんが困っちゃうの。雨月にはわかんないかもしれないけど、痛くなっちゃうの。だから、困るの。雨月は悪くないけど……」

「わりゅくにゃい?」

「悪くは……ないんだけど……」

 言葉が濁っちゃう、悪いことと教えてしまったらどうなるの?
 雨月にはまだ母乳が必要なのかどうかもわかんないし、もし雨月にお母さんがいるのならお母さんからお乳を吸うのは自然な行為だもん。
 そう、私じゃないのよ。
 否定しても大丈夫じゃないかな?
 
 雨月の手の中にある私の尖りを案じながら雨月のお手々に自分の手をそっと添えて言い聞かせるように話しかけた。

「おねーさんにはしちゃ、ダメなの。していいのは雨月のお母さんだけなの」

「……?お、おかぁ……ちゃ?……にゃ……にぃ?」

 ……?

 もしかして……私、自爆した?

 最初に出会ったのは真っ黒な子猫の雨月。人じゃなかったよね?
 今はおさない雨月でよちよち歩ける程度の大きさ。
 子供の成長なんかわかんないから何歳かはわからないけど、幼稚園に行くか行かないかくらいかな?と想像。

 本当は子猫?人?わかんない。
 雨月にお母さんはいるのだろうか?
 いたとしても……猫なの?人なの?

 わかんないのに雨月にお母さん……って、私ったら、何を言っちゃってしまったのだろう?

「ボク……って……ボク?……ボク……ボクは……」

 なくなってた滴がまたみるみるうちに溢れてくる。
 決壊するのは……あっという間だ。

「なーちゃー!なーちゃー!ぼく、ぼくわ……ぼくって……にゃにぃー?なーちゃーあ!」

 雨月は泣き出して私の腕の中で暴れ出す。両手を振りまくり、足で私のからだを蹴る。

 きかん坊の状態になった雨月をどうしていいのかわからなかった。

 雨月が叫ぶのは……夏川上司。
 雨月のことを知っているのは……もしかして、夏川上司なの?
 雨月に必要なのは……夏川上司?

 疑念が浮かぶ中、何故かズキッと痛む心を無視しながら泣き止むまで雨月を抱きしめるしかなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...