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いっぱいいっぱい抱きしめたい!
237 好きだなぁ……
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私は混乱していた。
雨月が泣き止んで私の腕の中ですやすやと眠っている。
こんな無防備な姿を見ると可愛くて仕方がない。
目に入れても痛くないほど可愛いの。
でも、私では駄目なのかなって?ってつい弱気になっちゃう。
夏川上司に懐いているのは確かなんだけど、どうして懐いているのかがわからない。
今は私の腕の中にいるのにまた何処かへ消えてしまいそうで不安になっちゃう。
雨月の背中をポンポン軽く叩いて寝顔を眺める。
もしかしたら……雨月は自分のことがわからないのかもしれない。
何処から来たのか……。
本当は何者なのか……。
段ボールの中にいた真っ黒な子猫の雨月を段ボールに入れて公園に置いた誰かがいる筈で……。
いる筈?
弱っていたちっちゃな子猫の雨月が自分から公園の段ボールに入ったとは思えない。
雨月は不安なのかもしれない。
自分が子猫なのか人なのか。
大人の男の人だから夏川上司に甘えたかったのかもしれない。
だから……私のことを頑なに『にいちゃ』って呼んでいたのかな?
考えれば考えるほど切なくて苦しくて……。
雨月を抱きしめながらポンポンとゆっくり背中を叩き続けた。
「雨月……明日、オムライス作ってあげるからね」
朝、目覚めたらどの雨月に出合うのかしら?
今のままのおさない雨月かな?最初に変身した小学生くらいの雨月?
それとも、最初に出合ったちっちゃな子猫の雨月?
「子猫だったら……おじやにした方がいいかな?」
座った状態でうとうとして……私はいつのまにか眠りについていた。
「にいちゃ……にいちゃ……」
小さい声が耳に聞こえる。
私を呼んでるのかな?
聞き覚えあるけど……私は『にいちゃ』じゃないんだけど?
ぺた……ぴと……
ほっぺがちょっと冷たいんだけど?
んんーん……まだ眠いんだけど……。
重い瞼をうっすらと開ける。
視界がうっすらとぼやけながら、ちっちゃな双眼と出合う私の眼。
ぱちぱちぱち。
瞼を何度を瞬く。
眩しい笑顔が飛び込んでくる。
うん、いい笑顔……。
あー好き。もう、なんでもいい。
雨月が何者だって……大好きなんだから。
何があっても……私が守ってあげるから……
その笑顔に誓うから……
私と一緒にいてよね?雨月……。
そんなことを寝ぼけながら思っていた。
まだ眼は本開きじゃない。
「にいちゃー!」
その声も好きだなぁ……。
ちっちゃな紅葉のお手々が私のほっぺを捉えている。
あー!朝からなんて可愛いの!
至福だ……。
「にいちゃ……ちゅ」
どっちの雨月なのかまだわからなかったけど……私にわかったことは……
雨月が私の唇にちゅってしたことだった。
雨月が泣き止んで私の腕の中ですやすやと眠っている。
こんな無防備な姿を見ると可愛くて仕方がない。
目に入れても痛くないほど可愛いの。
でも、私では駄目なのかなって?ってつい弱気になっちゃう。
夏川上司に懐いているのは確かなんだけど、どうして懐いているのかがわからない。
今は私の腕の中にいるのにまた何処かへ消えてしまいそうで不安になっちゃう。
雨月の背中をポンポン軽く叩いて寝顔を眺める。
もしかしたら……雨月は自分のことがわからないのかもしれない。
何処から来たのか……。
本当は何者なのか……。
段ボールの中にいた真っ黒な子猫の雨月を段ボールに入れて公園に置いた誰かがいる筈で……。
いる筈?
弱っていたちっちゃな子猫の雨月が自分から公園の段ボールに入ったとは思えない。
雨月は不安なのかもしれない。
自分が子猫なのか人なのか。
大人の男の人だから夏川上司に甘えたかったのかもしれない。
だから……私のことを頑なに『にいちゃ』って呼んでいたのかな?
考えれば考えるほど切なくて苦しくて……。
雨月を抱きしめながらポンポンとゆっくり背中を叩き続けた。
「雨月……明日、オムライス作ってあげるからね」
朝、目覚めたらどの雨月に出合うのかしら?
今のままのおさない雨月かな?最初に変身した小学生くらいの雨月?
それとも、最初に出合ったちっちゃな子猫の雨月?
「子猫だったら……おじやにした方がいいかな?」
座った状態でうとうとして……私はいつのまにか眠りについていた。
「にいちゃ……にいちゃ……」
小さい声が耳に聞こえる。
私を呼んでるのかな?
聞き覚えあるけど……私は『にいちゃ』じゃないんだけど?
ぺた……ぴと……
ほっぺがちょっと冷たいんだけど?
んんーん……まだ眠いんだけど……。
重い瞼をうっすらと開ける。
視界がうっすらとぼやけながら、ちっちゃな双眼と出合う私の眼。
ぱちぱちぱち。
瞼を何度を瞬く。
眩しい笑顔が飛び込んでくる。
うん、いい笑顔……。
あー好き。もう、なんでもいい。
雨月が何者だって……大好きなんだから。
何があっても……私が守ってあげるから……
その笑顔に誓うから……
私と一緒にいてよね?雨月……。
そんなことを寝ぼけながら思っていた。
まだ眼は本開きじゃない。
「にいちゃー!」
その声も好きだなぁ……。
ちっちゃな紅葉のお手々が私のほっぺを捉えている。
あー!朝からなんて可愛いの!
至福だ……。
「にいちゃ……ちゅ」
どっちの雨月なのかまだわからなかったけど……私にわかったことは……
雨月が私の唇にちゅってしたことだった。
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