あみdan

わらいしなみだし

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『編み物男子部』?ができるまで。

168 楽しい日曜日 ★神崎川side11

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「僕たち……鳴海君のお友だち……なの?」

 朔田の俺を見る目が期待感に溢れていた。
 その言葉にすがるような朔田にとっては希望……なんだろうか?

「みんなで飯食う仲がダチ以外何があるって言うんだ?なぁ?朔田。相沢もそうだろ?違うのか?」

 俺は朔田の顔をしっかり見つめて強く断定した。朔田はその言葉が嬉しかったようだ。それでも複雑感は否めない。聞いてしまったあとなら……仕方がないのだろう。
 相沢の方も見てみると相沢はちょっと切なそうな寂しそうな表情をしていた。

 お前も本気で翔琉に惚れるなよ……。
 俺はキャプテンから奪うので頭が一杯だってのに……。
 負ける気はしねぇけど、やりづれぇんだよな。お前だと……。
 なんやかんやと口は悪くてチャラいけど、翔琉への想いは純粋だろ?

 相沢はなんとか自分と想いの狭間で戦っているようだった。

「ああ……。だよな。それで満足するしかねーんだよな」

「現実はそんなもんだ。颯汰、ホットプレートセットしといてくれ」

 俺は相沢にそのように言いきった。
 自分にも言い聞かせるように……。

 俺の言葉を聞いて颯汰はホットプレートを俺から受け取りてきぱきと行動し始めた。

 颯汰はあの話をアイツ等にしてしまったんだな……。

 三人ともショックだったかもしれないが、相沢はきっとそんなことお構いなしに鳴海を好きでいるだろう。朔田は結構傷つきやすいし、こういう話疎いだろうから話の内容に動揺してるかもな。

 問題は……坂口だ。

 アイツは昔の翔琉を知っている。俺と同じようにあの頃の翔琉を……。
 三人の中では一番ショックが大きいだろう。
 顔に出さないように必死に耐えていたのがわかる。
 暴走しそうな相沢。おどおどする朔田。
 自分がしっかりしなければという使命感ですべてを耐えているのだろう。

 坂口は帰ったらきっと嗚咽が止まらないだろうな……。

 真っ青にさえなれない坂口を気の毒に思いつつ、崩れない強さに感謝してその場をあとにした。




  
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