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女人禁制の☆あみだん☆開始!
70 練習試合を観に…… 3
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ハーフタイムになったみたいだ。
選手たちが自分のチームへ戻り、ボトルの水分を摂取したりタオルで汗を拭ったりしながら顧問の先生と話をしているし、前半の数字は見えるけど後半の数字の場所は白いまま。
見物客も少しバラけてきたのは休憩タイムだからだろう。
俺は見知った一塊のところをスルーしてゴール近辺に一人知った人を見つけて一塊の人たちに気付かれないようにその場所まで歩いた。
見知った一塊は、智さんのファン達で俺はいつの間にか顔見知りになっているし、何故か智さんとは公認になっている。
今日はじょうちゃんの応援に来ているから、ここにいるのを見つかると居たたまれない気持ちになる。
「こんにちは」
彼女の側に来た俺は取りあえず挨拶をした。
「え?来てたの?」
彼女は驚いたような顔を見せ、今度は俺に気を使うこともなく嫌な顔を見せる。
「はい……。神崎川の応援ですか?」
スタイルのいい女性で同じ高校の先輩で三年生らしく、智さんことを忠告してくれた人だ。彼女はいつもサッカー部の応援をしていて、神崎川のファンのひとり……らしい。
「うん、神崎川君……この試合が最後らしいから」
「え?」
最後って……何?
変な汗が背中から出てくる。
俺はちょっと、いやちょっと以上にその言葉に動揺した。
「今日を最後にキーパーに転身する噂があって、最後の勇姿を見ようかなって」
もしかして……俺のせい?
「ボール蹴ってゴール決める姿の方が似合っていて格好いいのに……どうしてキーパーなんかしちゃうのかしら……」
き、気まずい……。
俺はその事に触れずに用件だけお願いすることにした。
内容は……じょうちゃんのために持ってきた肩掛けカバンをじょうちゃんに渡してもらうこと。
「自分で渡したらいいじゃない?」
わかってる……わかってるけど……
彼女を見たくないなんて、言える訳がない。
「試合が終わったらすぐに帰らなきゃいけなくなっちゃって……」
言葉がぎこちなくなる。
でも振り絞って続けた。顔を見ながら言うのは心苦しいけど頼み事をするのは俺だから、誠心誠意をみせなきゃダメだろうな。
「どうしても急用が……お願いできますか?」
言えない言葉を隠しながら帽子を脱ぎ、頭をからだごと下げた。
十秒以上かな?
俺の態度をマジマジと見たのだろうか……ため息が漏れるのを聞き取ってしまった。
「わかったわよ……神崎川君に渡したらいいのね?」
「……はい」
俺はからだを元に戻して神崎川に渡す筈だった肩掛けバッグを渡した。
「いつも渡しているのと色が違うみたいね」
マジマジとそれを眺めながら重みを確かめるように上下に振る。
「知ってたんですか?」
「もちろん。お友達なんでしょ?」
「はい……」
そう、なのかな?
仲良くなったのは最近で……再会……するために、再会したんだけど仲良くなるつもりなんか、なかったんだけどな……。
「渡してあげる。なんか言うことはないの?言伝て、してあげるけど?」
「ごめん……と、それだけで大丈夫です」
「わかった」
俺は彼女に一礼して元の場所へ戻った。
遠くからしか見えない場所、そこからでもじょうちゃんの姿はすぐにわかるから。
俺は帽子を深く被り直して試合再会のホイッスルを聞きながら試合をその場所で最後まで見続けた。
選手たちが自分のチームへ戻り、ボトルの水分を摂取したりタオルで汗を拭ったりしながら顧問の先生と話をしているし、前半の数字は見えるけど後半の数字の場所は白いまま。
見物客も少しバラけてきたのは休憩タイムだからだろう。
俺は見知った一塊のところをスルーしてゴール近辺に一人知った人を見つけて一塊の人たちに気付かれないようにその場所まで歩いた。
見知った一塊は、智さんのファン達で俺はいつの間にか顔見知りになっているし、何故か智さんとは公認になっている。
今日はじょうちゃんの応援に来ているから、ここにいるのを見つかると居たたまれない気持ちになる。
「こんにちは」
彼女の側に来た俺は取りあえず挨拶をした。
「え?来てたの?」
彼女は驚いたような顔を見せ、今度は俺に気を使うこともなく嫌な顔を見せる。
「はい……。神崎川の応援ですか?」
スタイルのいい女性で同じ高校の先輩で三年生らしく、智さんことを忠告してくれた人だ。彼女はいつもサッカー部の応援をしていて、神崎川のファンのひとり……らしい。
「うん、神崎川君……この試合が最後らしいから」
「え?」
最後って……何?
変な汗が背中から出てくる。
俺はちょっと、いやちょっと以上にその言葉に動揺した。
「今日を最後にキーパーに転身する噂があって、最後の勇姿を見ようかなって」
もしかして……俺のせい?
「ボール蹴ってゴール決める姿の方が似合っていて格好いいのに……どうしてキーパーなんかしちゃうのかしら……」
き、気まずい……。
俺はその事に触れずに用件だけお願いすることにした。
内容は……じょうちゃんのために持ってきた肩掛けカバンをじょうちゃんに渡してもらうこと。
「自分で渡したらいいじゃない?」
わかってる……わかってるけど……
彼女を見たくないなんて、言える訳がない。
「試合が終わったらすぐに帰らなきゃいけなくなっちゃって……」
言葉がぎこちなくなる。
でも振り絞って続けた。顔を見ながら言うのは心苦しいけど頼み事をするのは俺だから、誠心誠意をみせなきゃダメだろうな。
「どうしても急用が……お願いできますか?」
言えない言葉を隠しながら帽子を脱ぎ、頭をからだごと下げた。
十秒以上かな?
俺の態度をマジマジと見たのだろうか……ため息が漏れるのを聞き取ってしまった。
「わかったわよ……神崎川君に渡したらいいのね?」
「……はい」
俺はからだを元に戻して神崎川に渡す筈だった肩掛けバッグを渡した。
「いつも渡しているのと色が違うみたいね」
マジマジとそれを眺めながら重みを確かめるように上下に振る。
「知ってたんですか?」
「もちろん。お友達なんでしょ?」
「はい……」
そう、なのかな?
仲良くなったのは最近で……再会……するために、再会したんだけど仲良くなるつもりなんか、なかったんだけどな……。
「渡してあげる。なんか言うことはないの?言伝て、してあげるけど?」
「ごめん……と、それだけで大丈夫です」
「わかった」
俺は彼女に一礼して元の場所へ戻った。
遠くからしか見えない場所、そこからでもじょうちゃんの姿はすぐにわかるから。
俺は帽子を深く被り直して試合再会のホイッスルを聞きながら試合をその場所で最後まで見続けた。
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