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第一部 暗雲

第三話 3

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永倉「お!そうじゃった」
藤堂「皆と呑む酒は格段と美味しい」
齊藤「ああ、一人で嗜むのもいいが、たまにはな」
井上「まるで試衛館に居た頃のようだな。こんなに集まるのは滅多にないことだ、楽しくやろうではないか」
藤堂「おい!沖田。久々に勝負だ。呑み比べしようぜ」
沖田「あ、いいですね!藤堂さん、受けて立ちますよ。あ、俺は剣でもいいのですが」
井上「こらこら総司、調子に乗るものではないよ」
沖田「えへっ!すみません」

   皆でワイワイガヤガヤ酒を呑み交わす

藤堂「そういえば……近藤さん、屯所には毎日顔を出さなくなったような……気のせいか?」
齊藤「俺も気掛かりだった」
原田「お!平助も気付いたか?」
井上「……。」
沖田「先生なら時々会津藩が逗留している光明寺に赴いていますよ」
原田「総司、そうやなかろ?遊郭やけん、ゆ・う・か・く!」
沖田「?!」
永倉「近藤殿は遊郭でお気に入りの女が出来たのさ。毎日のように通っておる。歳殿も時々通っておるぞ」
沖田「え?!」
藤堂「そうだったのか……道理で……」
齊藤「男であるからして女を好きなのは解らないでもないが、武蔵に妻子を残して女狂いとは……」
永倉「歳殿は独り身だからのう、問題はあるまいが……」
藤堂「局長だからとはいえ……それはちょっと違うのでは……」
原田「ね?ね?そう思うやろ?」
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