一本のあごひげ ……観たり読んだり

★My読書～♪ 笑

文庫本「薬指の標本」 小川洋子 著者 ※途中

　半分読んだ。

「薬指の標本」
「六角形の小部屋」

　短編二篇。

　読み終わったのは「薬指の標本」

　本の裏表紙の最後には

「奇妙な、そしてあまりにもひそやかなふたりの愛。恋愛の痛みと恍惚を透明感で漂う文章……」

　という風に記されている。

……透明感はあると思うけどそこに愛はあるのだろうか？
　疑問にしか思えない。

　映像ならまさしく日本映画独特の静けさを醸せてる。
　何となく映像だって浮かんでくるような……。
　フイルムの世界みたいな。

　ただ、「標本」の意味が何となくしかわからない。
　これは感性のなせる技で、人によっては感じかたが違うと思う。
　「標本」という価値や意図がわかる人はすごい。

　完全受け身の主人公……女性の自己が存在しないのが腑に落ちないのは私だけなのか？
　標本にしている雇い主……行動が奇妙で私の肌で感じるものは変態でしかない。断定的。

　主人公だけなのかな？って思っていたのに、以前勤めていた女性にもそういう事をしていたのでは？と疑いを持つ。

　最後……どうなるのか想像するしかない。

　私は想像を放棄する。
　これは……精神的に私にとっては完全なるホラーでしかない。

……こればっかりは、読み手によって感じ方は違う。
　絶対に。

　他の人が読んだってきっとホラーとは思わないだろう。
　私は……そう思うだけ、それだけ。

　ネタバレは苦手なのでそういうのは書かないようになるべく努めている。

　「博士の愛した数式」を書いた著者。映画化されている。


……映画は観ていないけど読んでみたいと思ったけど。

　著者の世界観……私にはついていけないかもしれない。


　標本にしたいもの……ありますか？

　私は……「ない」って断言できる。
　山のような後悔はあるけど、それ全部が私だから。
　切り取って忘れ去りたいものがあったとしても
　ずっと残しておきたいものがあっても

　託したりなんか……できるものか！


　……想いは人それぞれなのです。