コール様の仰せのままに ・名作RPGの超天才黒幕ボスに転生したゲーマーの末路

歌川博士

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第二章[悪女の生きる道]

第五十一話、悪女のその後

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 コール・モードレンドが投獄される。
 しかし、この情報の公表は憚られた。内容があまりにも凄惨であったからだ。
 聞けば恐怖する残虐非道な罪をいくつも犯し、帝国最凶の番犬であるモードレンド家にあるまじき人物であったと、公にはならないものの知る人にとっては衝撃的な事件となった。
 本来ならば、このまま学院での任務に就く手筈となっていたが、コールは地下監獄タルタロスの最下層に移送される。
 物理的魔法的素材的に破壊不能な拘束具を幾つも貸し、封印と呼べる状態で今も過ごしていることだろう。

 その弊害は、徐々に表れた。

「アーサー様っ! 背後ですッ!」

 僅かな遺跡の跡らしきものが残る草原地帯。雨天で泥だらけのベディビエールがアーサーへと警告を叫ぶ。
 受け取ったアーサーはなりふり構わず全力で大剣を振る。振り向きながら我武者羅に斬りつけた。

「オオッ――!」
『考え無しが過ぎたなぁ』

 渾身の大剣は悪魔により難なく受け止められる。
 細身で人の形をしているが鳥類の手足と顔をした不気味な悪魔。よく見られるねじ曲がった角を片方だけ生やし、ベディビエールに折られた左の角を恨みに思い、アーサー達を圧倒していた。

「く――!」

 アーサーが【勝利の王剣エクスカリバー】を掴まれた大剣ごと発動させ、悪魔の鉤爪を焼きながら突き刺した。
 しかし、悪魔は剣を手放さない。

『……だよなぁ。もうお前に大盤振る舞いできる程の魔力なんて残ってねぇよなぁ』
「貴様っ……!」

 悪魔は想像を絶して悪辣で、狡猾で邪悪だった。狡賢く知略にも富んでいたのだ。
 泥の魔物を使役するこの悪魔に、斬撃が主流のアーサーやトリスタンは大技を使い、それでも体力を消耗してしまい、結果として庇う形となったガウェインの負担が倍増。悪魔に辿り着いた頃には温存していたベディビエールを参戦させるも、観察していた悪魔はすぐに弱点を突いた。

『悪魔を嘗めるなよぉ。お前らの人工精霊ってのも知ってるし、見てくれだけでもあの人間が一番強いのは分かる。だったらヤリようはあるだろぉ?』

 浅はかな人間を嘲笑する悪魔。既にトリスタンは最初の奇襲で撃沈。ガウェインは魔物の七割を負担した事により事前に撤退。
 現在、ベディビエールをあしらいながらアーサーを襲う悪魔に敗色は濃厚となっていた。

「貴様おそ嘗めるな……! 【全力斬り】ッ!!」
『うひょーっ!』

 二倍の威力を引き出せる戦技で強引に悪魔から大剣を引き抜いた。悪魔は小さな虫の羽を羽ばたかせて瓦礫の上へ。

「アーサー様!」
「どうなっているっ……!」

 駆け寄ったベディビエールにも見向きもせずに呼吸荒々しく吐き捨てる。

「ここは最低レベルの男爵級・・・だぞ! どうして勝てない!」

 作戦通りに繰り出したアーサーの人工精霊である【擬似赤龍ウェルズドラゴン】は回避され、合図で放ったベディビエールの人工精霊も急に生えた羽で飛び立たれて無意味に終わった。もはや打つ手はないのだろうか。

『カッカッカ! ほぅら、チンタラしてるから我が眷属達が生まれてきたぞぅ?』
「何っ!?」

 羽を使って浮上する悪魔が哄笑を上げる。
 人間を騙してなぶってもてあそんで、まさに悪魔らしい戦い方でアーサー達を追い詰める。
 宣言通りに泥で覆われた怪物が点々と再誕しつつあった。戦闘時間をかけ過ぎたのだ。

『そっちのデカい方はちと面倒そうだからなぁ。眷属達と殺させてもら――』

 その時、視界が僅かに揺れた気がした。そう感じた頃には――悪魔の羽が切り飛ばされていた。まるで流星のような銀色の発光体が横切り、地を揺らしながら。

『な、なんだぁ!?』
「……! アーサー様ッ! 今です!」

 落下する悪魔は移動ができない。即座に唯一の好機だと判断したベディビエールが走り、既に戦技を放っていた。

「ぬぅぅぅッ、【正拳】ッ――!」
『ゴハァ!?』

 巨大な籠手の右拳で悪魔の腹を打つ。空中で勢いを殺さなかった悪魔は白目を剥きながら飛ばされる。
 これを見逃すほどアーサーも愚かではなかった。疾走するままに体ごとぶつかり、大剣を悪魔の胸に思い切りよく突き刺す。

「オオオオオッ!」
『グァァ!? アァッ! ヤメロぉぉ――!』
「ハァァ!」

 大剣を悪魔ごと持ち上げて殺しにかかるアーサー。魔物が生まれるのが先か、止めを刺して退避するのが先か。息が詰まる戦況となる。

「……」

 その醜態を遥か離れた崖から見下ろすフードを被った人影。投擲用のナイフを手元で遊ばせ、英雄の弱さに嘆息する。

「いや、私が幸運だったというだけか……。私の時はもっともっと無様だったね。謝るよ、ルーラー諸君」

 主人が獄中で暇を持て余し、自ら買って出た護衛任務とは言え、謝罪はするものの密かに同行した事を激しく後悔していた。
 あの超兵器を持ってして尚も男爵級すら狩れぬのなら、今のうちから戦死という形で交代させるべきなのではと思えてならなかった。

 ♤

「……遅い」
「申し訳ありません」

 大仰に座るペンドラゴンが息子アーサーに失望を告げる。執務室の重厚なデスク越しに、澄まし顔のアーサーへ苛立ちを表す。

「ルーラー達が使い物にならん。早く使えるようにして、一つでも多くの魔城を攻略させろ」
「ステータス的にはやれる筈なのですが。現に私やトリスタンはガウェイン達を追って順調に強くなっています」
「ステータス? あれだけの人工精霊があるんだぞっ。上手く指揮してやれば関係ないだろう。コールを失ってからというもの、魔晶もルーラーも急失速だ。とにかくやる事をやれ」

 我が強いルーラーの面々は任務を与えても従わず、学校生活の間に高くなったレベルもあって手が付けられなくなっていた。
 ガラハッドは魔法の学習に熱意を燃やし、パーシバルは気分屋で命令違反の常習者。そして特にアグラヴェインは仲間という認識すらなく、そもそも軍学校にいる事自体が少ない。

「人工精霊をまともに使えるのはベディビエールとガウェインの二機のみ。お前に任せれば各地の魔城を攻略して帝国領土拡大を急速に進められるんじゃなかったのか?」
「コールの病状が優れないのですから遅延は当然です。ルーラー達の育成にコールの指導は必要不可欠です」
「ちぃ……」

 息子に正論を返され、認めたくはないペンドラゴンもコールの処遇について即決断を迫られる。

(あの強さに依存し過ぎたか……)

 投入後から急加速した魔晶採掘速度。かの天使は食い潰す勢いで悪魔を屠り、帝国の躍進に大きく貢献した。
 そのコールを私情から投獄したツケが回っているのは、認めたくはなくとも明白である。

「……言っておくが、他にルーラー候補はいる。お前と言えど、王剣魔法があると言えど、使えないのなら人工精霊は没収する」
「……!」
「特に今のお前には上位互換・・・・がいるしな。本人が引き受けてくれなさそうで良かったな。首を縦に振りさえすれば、すぐにでもお前の首を切っているところだ」
「……」
「奴等にも伝えておけっ……行け!!」

 アグラヴェインやパーシバルは人工精霊に固執していないが、多くは違う。苦い顔をするアーサーはペンドラゴンの元を去っても、元凶から告げられた言葉の数々に苛立つ胸中を抱えていた。

 ♤

 時は遡り、コール投獄直後。ローズマリーは宮殿の別宅から寮へと引っ越していた。
 コールが連れ去られた日には申請をして、次の日には少ない荷物を持って栗鼠ラタトスク寮へ。早速コールのメモを頼りに食堂へ赴き、朝食を摂る。

「……らっしゃい」
「おはようございます。あの……“ババアのおススメ”をお願いします」

 別に朝一で食堂の老婆を罵った訳ではない。朝からそんなことをする鬼畜ではない。
 これも少しだけ成長速度が早くなるのだとコールに指示され、きちんと存在するメニューがある事を確認して注文したのだった。

「……それだけでいいかい?」
「はい、お願いします」
「はいよ……爺さんっ、昨日考えてたおススメが来たよぉ! 良かったねぇ!」

 それだと“ジジイのおススメ”になるのではないかと思うが、それを指摘した際には朝から小言を受けてしまうので要注意らしい。

「……」
「料理を見た目で決めるんじゃないよ。その舌で決めな。鼻でもきめな。だったら見た目もどうにかしろってかい? はっ、これだから最近の若者は軟弱なんだよぉ」
「な、何も不満は言っていません」

 顔を青くするローズマリーを頼んだのは……残飯チックな飯の見た目で食欲をなくす丼物。黒く、真っ黒く、ゴツゴツした物体の乗った丼だった。

「うっまい! やっぱりババアのおススメは間違いないな!」
「……」

 まだ朝も早いこともあって数少ない栗鼠ラタトスク寮生も『ババアのおススメ』を注文していた。いつも食べているらしく、本日の“暗黒丼”を食べる。
 イカ墨で炊いたことを祈る黒い米の上に、エスカルゴであることを願う丸いのがたくさんで、ムカデの残骸じゃないと思いたい刻まれた海老もちらほら乗っているという豪快な丼となっている。

「……」

 恐る恐るフォークの先端で暗黒米を掬い上げ、口元へ運んでいく。

「……美味しい」

 味は文句なく美味なものだった。噛んだ瞬間から口に旨味が広がり、米自体の味も甘く食感も程良い。食材も新鮮で火の通し加減も絶妙だった。

 [名前]ローズマリー・エンタック
 [レベル]39
 [戦技]【強打】
 [魔法]【勝利の王剣エクスカリバー】【勝利の煌剣カリバーン
 [持ち物]身代わりサボテン、ビアのリング、コールの短刀

 コールの助力で悪魔を倒し、成長した後に手にしたものはたった三つ。それでも兄の王剣魔法を上回る皇剣魔法が目を覚ました。自然と笑みが溢れ、命懸けで助けて魔法まで与えてくれた人物に恋焦がれる。
 心臓は思うだけで強く脈打ち、また会える時を今か今かと待っている自分を知る。おそらく……コールの女は自分だけではないだろうが、それでも心底から彼を求めてしまう。あれほど嫌いで恐ろしかったコールが愛しくてどうにかなりそうだ。

「……」

 その前にやる事がある。メモを開き、コールが出てくるまでに指示された事をこなさなければ。メモを確認してから暗黒丼を思い出して先に食べ終え、ゆっくりしていたことに気付いて登校の支度へ。
 昨日までと大して変わらない距離を歩いて学校へ到着すれば、向こうから歩み寄って出会ってしまう。

「放課後には死んでしまうかもしれませんけど、よく登校できましたね」
「……」
「逃げ出すものと思っていましたぁ」

 相変わらず他人に聞こえないよう、取り巻きに囲わせて嫌味を言いに席まで来るヴィヴィアン。いつも通りに相手にせず、授業の準備を進める。

「っ、痛っ……!」
「挨拶じゃないですか。反応してくださいよぉ」

 また髪の毛を引っ張られた。コールと遭遇した出来事により心に余裕があるのを感じたのか、ヴィヴィアンには素知らぬ態度が気に入らなかったらしい。

「離しなさいっ……この際だから言わせてもらうわ」
「何ですかぁ?」
「自分より美人で立場がある私が気に食わないだけでしょう?」
「……」

 おそらくは兄に拾われる前の境遇は、兄が思うより酷いものではなかったのだと考えていた。男を上手く使い、容姿で持て囃され、ヴィヴィアンは女王気質で巧みに世渡りしたのではと心では確信していた。

「勝手に妬んで腹を立てないでもらえないかしら。私が現れて嫉妬している時点で、負けを認めているようなものよ?」
「決めました、あなたを殺しちゃいます。わたしぃ、実はヤっちゃった事もあるんですよねぇ~」
「……後でどうなるか分かっているの?」
「私にはアーサー様が付いていますから。お分かりでしょう?」

 籠絡されていれば腹違いの妹など、どうなっても構わない。ペンドラゴンと同じく冷徹な一面を持つアーサーなら、その可能性は捨て切れない。
 だが……。

「……そう。けれど私にはコールが付いているわ」
「なんですって……?」
「昨日、私とコールが二人で休んだのは……ホテルで一夜を明かしたからなのよ」
「なっ……!? う、嘘に決まってますっ!」
「キスマークも残っているけれど……ほら」

 長い紅髪を避けて首筋を見せてやる。吸い付かれた跡を見つけると、取り巻きと揃ってヴィヴィアンも嫉妬に狂う目で睨み付け始めた。同じように並ぶ悔しげな面持ちは痛快なものである。

「キスも向こうからしてくれたし、初めての私に優しく教えてくれたの。まるで物語の王子様みたいにね」
「……」
「あなたお得意のふしだらな誘いでルーラーを全員味方にしても、コールなら一瞬で倒してくれるわ。さぁ、どうするの?」

 ヴィヴィアンは妬み僻みを押し殺し、感情を消した顔で告げる。

「……放課後、覚悟してください」

 返事も待たずに自分達の席へ戻っていく。
 本当に殺すつもりなのだろう。暗黒剣士や魔物から感じた殺意によく似ている。きっとスラムで生活していた時に、少なくない人数を殺している。でなければ醸し出せない殺気を纏っていた。

「……」

 だがそれよりも、はしたない言動を振り返って顔から火が出そうになる。つい勢いでコールの女だと暴露してしまった。あろう事かキスマークまで見せて。
 顔が熱い思いは一日中続いた。周りの人間全てが『あ、昨日にコールと……』と噂しているような気がしてならなかった。
 気がつけば放課後で、闘技場に立っていたくらいだ。

「……本当にやるのか?」
「本気で語り合えたなら、私達は心から分かり合える筈です!」
「そういう事もあるのかもしれないが……」

 純真無垢を装うヴィヴィアンと兄アーサーが会話するも、寮に帰ってからの片付けを脳内で計画立てるのが忙しい。

「……ローズマリーはレベル10程度。ヴィヴィアンは17。加減はしろよ」
「はいっ!」

 嫌悪して来たレベルに関する内容だったからこそ、自然と耳に入る。
 ヴィヴィアンへ言い終えて去る兄の背中を一瞥して思う。どれだけ剣を振っても、どれだけフィジカルトレーニングに励んでも、所詮はレベル。所詮は戦技や魔法。
 この世界の在り方はあまりに不完全だと思う。思っていた……だが脳裏に焼き付くのは、あの魔城でのコールだ。絶望的な戦力差にあって、あと一歩まで詰め寄った神算と実行力。
 ならば彼の言うように、これまでの努力はレベルが上がったことにより、何か意味を持つようになるのではないだろうか。

「ハジメッ!」

 開幕の合図が微かに耳を届く。ハッと我に帰って視線を上げると、そこには既に目前まで迫るヴィヴィアンがいた。

「やぁぁぁ……!」

 猫撫で声の媚びた掛け声。アーサーや野次馬達へのパフォーマンス。聞くに堪えない醜悪な音声の拡散に、容易く惑わされる人間がいる。
 嫌われ者の悪女が叩きのめされる様を、今か今かと楽しみに待つ無関係で無責任な人々だ。

「やぁぁあっ!」

 唇の端を持ち上げて内面を微かに表しながら、レベル任せに杖を振り下ろした。だからこそ、あえて腕力を込めずに剣で軌道を逸らす。基礎通りの動きで。

「……! はえ?」

 空振りした杖の勢いでつんのめるヴィヴィアン。見上げられる素っ頓狂な顔を見下ろす。

「何度でも言うわ……目障りだから、私とコールの前で飛び回らないでっ」

 両手に握り締める剣へと魔力を込めていく。直後から溢れる栄光の極光は人々を惹きつけ、輝かしい未来へと導く勝利の道しるべ。

「あの光はっ! 馬鹿なッ、アーサー様の【王の特剣エクスカリバー】っ!?」
「……いや、違う」

 アーサーの王剣魔法を遥かに超える熱量と煌めきがあった。放たれる迫力も段違いで、魔法を持たない筈の身で王を超える皇帝の権能を行使する。

「常勝にして不敗の調べっ、焼き尽くせッ! 【勝利の煌剣カリバーン】ッ――!」

 解放した時、彼女の勝利が決する。振り下ろされた灼光の剣は闘技場を真っ二つに切り裂き、湧き出る光量は更に溢れて止まらない。不思議と眩しく感じない偉大なる光が収まり、純白な視界が開けた時には……。

「……なんて事だ」
「ローズマリー……」

 一刀両断に伏された舞台。あるいは人工精霊に次ぐ火力で、頑強に作られた舞台を割ってしまった。ベディビエールもアーサーも絶句する賢者レベルの大魔法を、しかと目の当たりにする。これまで目にした魔法の中でも頭抜けて破格と言える。

「ろ、ローズマリーさんは魔法をお持ちではなかった筈では……?」
「まさかっ、ここに来て目覚めたのか……!」

 遅咲きなのか魔法を取得したローズマリーに、陰口や嘲っていた者達は顔を青くし始める。であれば直接的に虐げていた者ならどうなるだろう。

「……っ!」
「これに懲りたら私に関わらない事ね。次は偶然当たってしまうかもしれないのだから。殺しはしないけれど、次は片腕くらいは覚悟してもらおうかしら」

 すぐ真横の空間を焼き切った煌剣に震え上がるヴィヴィアン。死を確信しただけに、死人のような白い顔で恐怖を表していた。
 ローズマリーはその顔を剣の腹で軽く叩いてから忠告し、教官が勝敗を告げる前から舞台を降りていってしまう。沈黙する闘技場から薄暗い通路へ向かって、静寂の中でも毅然と退場して行った。

「――おめでとうございます。凄まじい魔法なので驚いてしまいました。まだドキドキしてしまっています」
「……監査会会長?」

 予想外にローズマリーを待っていたのは、これまで全く関わりのなかった学生監査会会長のヨナだった。話した事すらない。何度か見かけた程度だ。

「憂さを晴らすやもとも考えていたのですが、お優しいのですね。私はそのようなローズマリーさんが凄く素敵だと思います」
「……ありがとうございます。そう言っていただけて光栄ですが、私に何か用ですか?」
「少し特殊なお話があるのですが……お時間をいただけませんか?」
「特殊……?」

 ヨナと交わされる話は確かに特殊なものだった。想像を絶するもので、躊躇って然るべき選択を突きつけられる。
 しかし、ローズマリーはそこまで間を置く事なく……その問いに首肯を返していた。

「――私達と、世界を救ってみませんか?」
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