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2にゃす「包み紙の中身」
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はてさて、このお尻の痛みは現実か。この包み紙は一体何か。たみことは誰か。
謎を一つずつ解いていこうと、お一人様用のダイニングテーブルに包み紙を置いた。
それにしても、あの生物は一体なんだったのだろうか。
白くてもふもふしていて、尻尾も生えて猫より少し大きめ。腑抜けた顔して日本語を話すし、ハンコ欲しがるし、なんといっても可愛い!あの愛らしさだったら騙されてもいいと思ってしまった。新手の詐欺かもしれない。
ダイニングテーブルと一緒に購入した、木製の椅子に腰掛けて手早くスマートフォンを手に取る。たみこの当てがあるのだ。
SNSでたみこに一報を送る。
「最近、何かわたしに贈り物してくれた?」
ブッ
と、手の中ですぐにスマートフォンが小さく唸った。
「あら、良かった届いたのね。大したものじゃないけれど」
「包み紙のやつ?」
「そうよ、まだ開けてないの?」
「なんか、変なのが届けに来て」
と、軽快にタイムラインが進んだところで、スマートフォンの画面表示が切り替わり、小刻みにリズムをとりながら唸った。
ブブー ブブー
緑色の応答ボタンをタップし、ゆっくりと耳元にあてる。
「わこ、元気してる?可愛い子が届けに来てくれたでしょー」
「かあさん、すごくびっくりしたよ。怪奇現象とか詐欺とか、警察に届け出ようかとか考えたよ」
「あらあら、あんなに可愛いのにそんなこと」
「確かに可愛かったけど」
まず、中身が安全だとわかりほっと胸を撫で下ろした。中身はなんだろうか。
スマートフォンを肩と耳に当てながら包み紙に手を伸ばした。外包装はすぐに開けたが内包装のビニールがなかなか開かない。
ガ、ガザガザ、ガザガザ
と、反対側の耳に大きく不快感を響かせる。多少、向こう側にも届いているかもしれない。
中身はマスクとお菓子だった。少し前、花粉症を発症したかもという話をしたから、気を遣って送ってくれたみたいだ。
これで一気に三つの謎が解けた。
「ありがとう、開けたよ。わざわざ送ってくれて悪かったね」
「本当に花粉症だってわかったら送ろうと思ってたんだけど、おうちにチラシが入ってて可愛いから使わせてもらったのー」
「そう、あれ、あの子は何?猫?新種の生物?妖怪?物の怪?」
三つの謎なんて些細なものだ。この謎が知りたい!
「うーん、かあさんもよく知らないんだけど、にゃすらしいわよ」
「にゃす」
確かに語尾はにゃす、とかにゃ、とかだった。生物の名前?だからって何も答えになってない。
「あ、ごめんね、誰か来たみたいだから電話切るわよ。とにかく無事に届いてよかったわ。二週間ぐらいかかるのねー」
「二週間?」
はいはーい、という声が遠くにハウリングするように聞こえている途中で電話が切れた。
二週間。このご時世、実家から私の家までせいぜいかかっても四日だ。県は隣だし、母もわたしもそこまで片田舎に住んでない。
感謝の気持ちが薄れ、もやもやが深まった。
ああ、とにかくまた会ってお話してみたい。
謎を一つずつ解いていこうと、お一人様用のダイニングテーブルに包み紙を置いた。
それにしても、あの生物は一体なんだったのだろうか。
白くてもふもふしていて、尻尾も生えて猫より少し大きめ。腑抜けた顔して日本語を話すし、ハンコ欲しがるし、なんといっても可愛い!あの愛らしさだったら騙されてもいいと思ってしまった。新手の詐欺かもしれない。
ダイニングテーブルと一緒に購入した、木製の椅子に腰掛けて手早くスマートフォンを手に取る。たみこの当てがあるのだ。
SNSでたみこに一報を送る。
「最近、何かわたしに贈り物してくれた?」
ブッ
と、手の中ですぐにスマートフォンが小さく唸った。
「あら、良かった届いたのね。大したものじゃないけれど」
「包み紙のやつ?」
「そうよ、まだ開けてないの?」
「なんか、変なのが届けに来て」
と、軽快にタイムラインが進んだところで、スマートフォンの画面表示が切り替わり、小刻みにリズムをとりながら唸った。
ブブー ブブー
緑色の応答ボタンをタップし、ゆっくりと耳元にあてる。
「わこ、元気してる?可愛い子が届けに来てくれたでしょー」
「かあさん、すごくびっくりしたよ。怪奇現象とか詐欺とか、警察に届け出ようかとか考えたよ」
「あらあら、あんなに可愛いのにそんなこと」
「確かに可愛かったけど」
まず、中身が安全だとわかりほっと胸を撫で下ろした。中身はなんだろうか。
スマートフォンを肩と耳に当てながら包み紙に手を伸ばした。外包装はすぐに開けたが内包装のビニールがなかなか開かない。
ガ、ガザガザ、ガザガザ
と、反対側の耳に大きく不快感を響かせる。多少、向こう側にも届いているかもしれない。
中身はマスクとお菓子だった。少し前、花粉症を発症したかもという話をしたから、気を遣って送ってくれたみたいだ。
これで一気に三つの謎が解けた。
「ありがとう、開けたよ。わざわざ送ってくれて悪かったね」
「本当に花粉症だってわかったら送ろうと思ってたんだけど、おうちにチラシが入ってて可愛いから使わせてもらったのー」
「そう、あれ、あの子は何?猫?新種の生物?妖怪?物の怪?」
三つの謎なんて些細なものだ。この謎が知りたい!
「うーん、かあさんもよく知らないんだけど、にゃすらしいわよ」
「にゃす」
確かに語尾はにゃす、とかにゃ、とかだった。生物の名前?だからって何も答えになってない。
「あ、ごめんね、誰か来たみたいだから電話切るわよ。とにかく無事に届いてよかったわ。二週間ぐらいかかるのねー」
「二週間?」
はいはーい、という声が遠くにハウリングするように聞こえている途中で電話が切れた。
二週間。このご時世、実家から私の家までせいぜいかかっても四日だ。県は隣だし、母もわたしもそこまで片田舎に住んでない。
感謝の気持ちが薄れ、もやもやが深まった。
ああ、とにかくまた会ってお話してみたい。
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