銀狼【R18】

月夜の陵辱

月夜の陵辱＿5

　これが自分の初めてなのかと

　こんな酷い話があるのかと

　取り消しのきかない現実が、セレナの心をズタズタに切り付けている。

　今まで大切に守ってきた純潔を、こんな形で…

　しかもその相手は人間ですらないのだ。

「そん、な‥ｯ」

　夢なら早く、覚めてほしい──。

　セレナは痛みに堪えながら、深い絶望に悲しみの涙を流した。



「──…」



　涙──


　それは…



「……痛み故の涙か」


「……ｯ…ふ ぐっ…」


　最奥まで貫いたところで男の動きは止まった。

　嗚咽を漏らすセレナを見下ろし、首を横に傾ける。


「こんな の‥‥酷い わ‥…!! 」

「……」

　こんな辱しめを受けるなんて…

「……もう…ｯ…‥…死んで…‥しまいたい」


　啜ススり泣く音の中に、そんな言葉が混じる。



《 死んでしまいたい 》



「……？」

　それを聞いた銀狼は彼女の両手首を離した。

　情味のない顔で涙の粒を眺める。まるで──その真意を測っているかのように。

「なるほどお前たち人間は……、自ら命を捨てたがる珍しい生き物だったな……」

　手を解放されたセレナは涙で濡れたその顔を隠した。

　何の言葉も返せずただ泣き続けるその姿からは貴族の威厳は無いに等しい。

　だが泣き顔を見られまいとするこの行動は、紛れもなく彼女のプライドからだ。

　それなのに…

　そんな小さな誇りさえ、彼女は持つことを許されない。

「…ああｯ…いや‥‥」

「死にたいというのは真実か？」

　止まっていた腰がまた…動き出す。

「答えろ…!! 」

　銀狼は顔を隠すセレナの手を掴み剥ぎ取ると

　身体中を舐め回した狼達の舌が、唯一触れなかった彼女の顔──そこに唇を落とした。

　男の唇は

‥‥‥ﾁｭｯ

　頬へ落ち…そしてセレナの薄紅色の唇へゆっくりと重なる。

「…んんｯ‥‥‥ﾝむ……ﾊｧ‥」

　そして舌が差し込まれ──

「…っ…それほど死を望むなら、このまま私が…喰ってやろう」

「…‥!!‥……ﾝ‥ﾊｧっ…」

　同時に、蜜壺をえぐる動きが激しくなる。

　自然と強張るセレナの身体を溶かさんと、男の舌が口の中で厭らしく蠢いた。

“ 今度は何 を、している、の……!? ”

　セレナは上手く拒めずに、口の穴までも彼に捧げるしかない。

　動揺を色濃く映した声が、熱い吐息と共に、二人の唇のあわいから漏れ出していた。

　ハラリと垂れた男の横髪がセレナの頬に当たる。

「…ﾊｧ…ﾊｧ‥…っ………止まっ、て‥…ﾝ…!! 」

　口を塞がれながら身奥をえぐられる苦痛。

　それと一緒になって彼女を襲うのは、得たいの知れない疼きだった。

　中の肉壁を掻き撫でられる度にそれは身体中を駆け巡り、彼女の思考を霞ませる。

「…!!‥っ‥……んっ…、…ﾊ ｧ…ｯ」

　そのせいか──

　絡み合う舌からにさえ、蕩けそうな感覚を与えられてしまうのは。


「…っ…人間の娘よ」


　美しい顔を僅かに歪ませ、銀狼が熱い息を吐きながら問い掛けた。