勇者ブレイドの冒険~無能な勇者(リーダー)呼ばわりで皆脱退?!でもかわいい女の子たちとハーレムパーティー組んだんで戻りたいと言っても遅い!

三浦ウィリアム

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第1章~無能な勇者~

第5話~新たな仲間、魔導士ミリア・ベルナール~

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 俺が勝利を決めた瞬間観客から大きな歓声が上がった。賭けの倍率は俺の方が高かったらしくそこかしこから「大儲けだああああっ!」とかいう声が聞こえてくる。

 俺は跨っていたシューインから降りてヤツを見下ろす。目は閉じているが口は半開き、さっきまで勝利を確信していたところからのこの姿、俺は情けないこの男の様子に自然と鼻で笑い、そして木剣を地面から抜いて鞘に納める素振りを見せた。

「勝者!ブレイド!これで君の主張が全面的に受け入れられる。スケールズ君もそれで良いな?」
「……。」
「認めるかッ?」
「は、はい!」

 コング支部長が改めて勝者の名を告げると更に大きな歓声が上がった。俺の勝利。これで何とか俺の正当な主張が受け入れられた。
 支部長からも改めてこの闘いの結果において、あのイングジャミを討伐したのは自分とミリアが討伐したという主張を全面的に受け入れる。そう決まったと今この場に居る者たちの前で宣言された。
 シューインもやっと起き上がって彼の言葉を聞いているが露骨に不満そうな顔を見せて返事をしない。何とも見苦しいがそれを一喝したのがコング支部長。まるでその一喝の声だけで吹き飛ばされそうな勢いの喝にコイツも相当驚いたらしく、慌てて返事をしていた。
 俺はコング支部長に一礼してから装備が準備されていた場所へ行く。決闘の装備はこのギルドからの貸し出しだったので脱がなければならない。そしてそこにはミリアが待っていた。

「ブレイドさん!」
「ミリア、なんとか勝ってきたよ。」
「はい!」

 迎えるミリアは満面の笑顔。俺と初めて会った時はイングジャミに襲われていて大ピンチ。倒した後は大怪我、町に戻って足を治してみれば言いがかりを付けられと、笑顔になれる機会がなかったので彼女の笑顔を初めて見た。
 ここまでずっと気を張っていたようで、もう気を張る必要が無くなり気が抜けたのか、彼女はふにゃりとした柔らかい笑顔を俺に向けてきた。元々かわいらしい子という印象を受ける顔立ちをしているミリアのその笑顔は魅力的。俺も自然と相好が崩れた。

「ブレイドさん。」
「ん?」
「ブレイドさんは魔王を倒すため旅をしてるんですよね?」
「ああ。勇者ブレイド。まだまだ自称に過ぎないが。」
「わ、私にとっては本当の勇者様です!」

 借りた防具を外している時、ミリアに改めて話しかけられる。俺は防具を外しながら彼女に答える。そして彼女は俺の旅の目的を確認してきた。まあ俺とシューインが闘っている時にヤツが何度も何度も「勇者サマ」と揶揄する言葉を吐いたり、俺も魔王を必ず倒すと散々言っていたし当然彼女も聞いていた。
 俺は彼女の質問にそうだと答え、自分は勇者だと名乗る。だがまだ皆から認められてはいないと思うので自称だがと付け加えて。だがミリアは俺の事を「勇者様」と言ってくれた。アイツのような揶揄する言葉ではなく心から。俺は喜びに打ち震える。そして

「ありがとう。」
「あ、あの……ブ、ブレイドさん…………?」
「ん?どうした?」
「えっと……その。」
「うん。」
「わ、私を一緒に連れて行ってくれませんか?」
「なっに……?」

 俺は少し涙が出そうになったが上を向いて目を閉じ、強引に涙を引っ込めさせる。そして彼女に向き返って感謝の言葉を言う。
 ミリアは続けて何かを言いたい様子だが少し言いかねているような様子。よく分からなかったが、彼女は何か言おうとしていることは分かるのでその言葉を待ち続けた。
 そして彼女から出た言葉は自分を旅に同行させてほしいという言葉。俺も思ってもいない言葉で思わず彼女に聞き返してしまった。手を前に組んで上目遣い。意を決して言った彼女の表情は弱弱しく、眉も唇も下がり気味。瞳も少しウロウロとしている。

「ギルドに所属しているからには分かると思うけど危険な旅になる。さっきの怪我の比ではない程の怪我を負って一生そのままになったり、最悪死ぬことだって有り得る。その隣合わせで生きることになる。それでも行くのか?」
「…………私の力が役立つなら、私行きます。連れて行ってください。」
「ありがとう。ミリア、俺と一緒に来てくれ。」

 彼女が旅に同行することはやぶさかではない。だが確認のために尋ねる。彼女がイングジャミとの戦いで負った大怪我の比ではない怪我を負うことだって有り得る。命を落とすことだって度々だ。少し沈黙が続いた後、ミリアは付いて来てくれると答えた。俺は感謝の言葉を言ってから、彼女に旅に一緒に来てほしいと伝えた。

「はい。勇者様。」

 ミリアの顔からは不安そうな顔が消え去り、柔らかく微笑んだ笑顔でそう答えた。
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