勇者ブレイドの冒険~無能な勇者(リーダー)呼ばわりで皆脱退?!でもかわいい女の子たちとハーレムパーティー組んだんで戻りたいと言っても遅い!

三浦ウィリアム

文字の大きさ
24 / 35
第2章~新たなる旅立ち~

第1話Part.2~長槍の騎士・アンの戦い~

しおりを挟む
「ブレイド殿、今からどちらへ赴かれるのでありますか?」
「昨日受けた薬草採集の仕事が少し残ってるんだ。そう時間は掛からんと思う」
「分かりました!」

 騎士のアン・オーウェンを仲間に加え、俺はロデードの町から出て再び昨日薬草を集めていた草原に出た。俺が先頭でアンが最後尾、そして中央にミリアで草原を進む。
 昨日はイングジャミが姿を現していたが、基本的にそこまで強い魔物は出ない。彼女のとりあえずの力量を見るにはちょうどいい。

「ところでアン、胴体はどうしてそのような鎧なんだ……?」
「あっ……こ、これでありますか?」
「ああ。手足はしっかり固めているのに胴体だけは随分肌が出ているが」

 町を出る時にアンは外套を脱いで動きやすい格好になったのだが、それが何とも妙な姿に思えて思わず聞いてしまった。彼女の手足は白銀の鎧でしっかりと防御を固めているのだが、胴体部分が妙に肌の露出が多かった。
 まずお腹はほぼ隠れておらず、隠れているのは胸の部分ぐらいだった。彼女の鍛え上げられた腹は腹筋が薄っすらと割れているのがはっきりと見える。
 肩当てとそしてそこから繋がった紐の部分で胸当てを支えており、肩当てが無ければほとんど下着のような形。そして彼女の胸がまた豊満でハリがあり、非常に挑発的だった。
 好き者には眼福な代物だろうが、そうはいってもやはり戦闘にはあまり向かないだろう。それを敢えて装備している理由が気になったのだ。

「実は……わた、自分の体形に合う鎧がこれしか無かったであります……」
「あ……」
「自分もこれはあまりにも向かないと思ったでありますが、胸が入る鎧はこれか男物しかなく、男物だとお腹の隙間が開き過ぎてしまって動きづらくなってしまい仕方なくこれを……」
「そ、そうか……悪かった」

 アンは顔を真っ赤にしながら答えた。これは我ながら失言だったと思う。まだ駆け出しの彼女は装備を自分専用に特注で作ってもらう費用が無く、防御力に劣るこの鎧をつけるしかなかったようだ。パリッシュ王国への道中、少しでもお金を稼いで彼女に新しい鎧を買った方がいいかもしれない。

 そういった会話をしながら草原を進んでいると、草むらから魔物が飛び出してきた。コイツらはケンゲール・ティグサラ。前の仲間と旅をしていた時にも遭遇した魔物。それが2体だ。2体なら俺とアンで倒せるだろうと判断し、俺とアンが1体ずつ、ミリアには周囲の警戒を指示した。
 俺が担当したのは2本の片手剣を扱うケンゲール。二刀流で素早く剣を振るってくるが剣術といったものは無くただ剣を振り回しているだけだ。俺は盾で無造作に振るわれる剣を全て受け流し、俺は攻撃の瞬間を見計らってこちらから盾を押し出してケンゲールの体勢を崩して、俺はすかさず剣を突き出してケンゲールの身体を貫いた。

 俺は剣に付着したケンゲールの血を払ってからアンの戦いを見る。アンの使う武器は鉾槍の一種。穂先が肉厚な三角形の刃で左右対称の突起があるのが特徴の武器で、穂先の刃が重く鋭いため斬撃、刺突両方で威力を発揮する武器だ。
 だがそうなるとますます俺に弟子入りした理由がよく分からない。俺は鉾槍どころか普通の槍すら扱ったことは無い。

 彼女と対峙するケンゲールは右手に剣、左手に盾を装備した個体。アンは何度か槍を突こうと牽制し、ケンゲールはその度に引っかかる。そして鋭い突きが飛んでケンゲールの盾を弾き飛ばしたと思えばそのままケンゲールの胴体に刃先が突き刺さる。だが威力が落ちていたようで致命傷には至っていなかったが、それを見るや刃を引き抜いて一閃してケンゲールの胴体を真っ二つにしてしまった。
 俺は彼女の戦いぶりを見て思った、(やっぱり俺の指導いらないんじゃないかな?)と。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました

かにくくり
ファンタジー
 魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。  しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。  しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。  勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。  そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。  相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。 ※小説家になろうにも掲載しています。

チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?

桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」  その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。  影響するステータスは『運』。  聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。  第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。  すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。  より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!  真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。 【簡単な流れ】 勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ 【原題】 『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

処理中です...