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第2章~新たなる旅立ち~
第3話Part.2~謎の野生娘~
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茂みから突如現れた少女、顔立ちを見ると人型魔族などではなく俺たちと同じ種族の人間にしか見えないが、格好は異様だった。服をほとんど身につけていない状態だったのだ。
身長が150センメラーほど、幼い顔立ちの割にかなり豊かな胸の部分は何かの葉のような物を付けており見えないが、下半身には何も身につけておらず無防備にその全てを晒している。
何も服を身につけていないような状態であるため、彼女の肌には生傷が多く、どうやらその姿のままで過ごしている時間は相当長そうに見える。
これは相当に深い理由がありそうだがまずは意思の疎通ができるのかどうかすら分からない。
「君は一体何者かな?」
俺はいくらか口調を柔らかいものに変えてもう一度彼女と意思の疎通を図ってみる。構えていた剣も鞘に戻して警戒心を与えないようにするが返事は帰って来ない。
彼女の表情から何か分からないかと顔を見るとこちらに対して害意はなさそうには見える。どちらかといえば俺たちに興味を示しているようにも思えるが、こちらの言葉に何も返してくれないので何も分からない。
彼女は少し足元をふらつかせながら俺たちの方へとゆっくりゆっくりと歩いて来る。勇者としてこんな幼い少女に危害を加えることなどあってはならないと思うが、これがもし変幻自在に姿を変えられる魔族だったりした時はどうすればよいのか。考えれば考えるほど彼女がよく分からない。
彼女が少しずつ俺たちとの距離を詰めてくると彼女の細かい動きが少しずつ見えてくる。彼女の綺麗な緑の瞳はキョロキョロと動いている。
そして彼女の鼻先がスンスンと動いているのが見えた。これは明らかに匂いを嗅いでいる様子だ。俺たちの匂いを嗅いでいるのか、それとも俺たちの食事の匂いを嗅いでいるのか。
「もしかしてこれを探しているのか?」
俺は彼女から目を離さないまま少しずつ竈の方へと近づいて行く。俺が動いたため彼女は俺の方を見つめてくる。そして目がしっかりと合った。
俺は竈周辺にまだ1本残っていたマッサオの塩焼き串を取ろうと手を伸ばす。よく見ていなかったため手を火に近づけ過ぎて火傷しかけたが、なんとか串を取って彼女に見せながら尋ねた。
彼女の鼻がひくひくと動く。そして自分が探し求めていたものだったようで彼女の目がキラキラと輝き始めた。相当お腹が空いていたらしい。彼女は俺の元へ駆けつけた。
「これは、大丈夫そう、ですね?」
「でありますね」
俺と共に彼女に警戒をしていたミリアとアンも警戒態勢を解いてこちらへ来て彼女の姿を困惑が混じった目で見ているが、かわいらしい様子でもあるので愛らしいものを見るような目でもあった。
彼女は俺の持っているマッサオの焼き串の胴体部分を手づかみしてきた。まだ十分に熱を持っていたマッサオに触れれば熱いに決まっており「ミューッ」という鳴き声を上げて手を離した。
俺はそれを見かねて「ここなら熱くないから」手を触れた逆の手に串の部分を持たせてやる。ほとんど熱くないのを不思議そうな顔でこちらを見つめる彼女は串の両側を両手で持ってから地に腰を下ろす。俺たちも腰を下ろしている時、彼女はマッサオの熱を冷ますため息を吹きかけた後に胴体にかぶりついた。
一口食べた後は顔が幸せそうに弛んでそのまま一気にパクパクと食べ進め、マッサオは頭から尻尾まで全て平らげられてしまった。
「気に入ったみたいだな」
「ミュ……おい、しい」
「今、おいしいって!」
「たしかに聞こえたであります!」
俺はマッサオを一気に平らげてしまった彼女に話しかけてみると、一度小さな鳴き声を上げた後に片言ではあったがたしかに『おいしい』と返してきた。
俺だけではなくミリアもアンも聞こえていたようで、うれしそうな顔で彼女を見る。
彼女はそんな俺たちの沸き立つ心など気にしていない様子で再び鼻をひくひくさせて何かの匂いを嗅ぐ。そして俺の方を向いてきた。目と目が合って、俺は一体どうしたのだろうと思ったか思わないぐらいの時、いきなり彼女が俺に抱き着いてきた。
身長が150センメラーほど、幼い顔立ちの割にかなり豊かな胸の部分は何かの葉のような物を付けており見えないが、下半身には何も身につけておらず無防備にその全てを晒している。
何も服を身につけていないような状態であるため、彼女の肌には生傷が多く、どうやらその姿のままで過ごしている時間は相当長そうに見える。
これは相当に深い理由がありそうだがまずは意思の疎通ができるのかどうかすら分からない。
「君は一体何者かな?」
俺はいくらか口調を柔らかいものに変えてもう一度彼女と意思の疎通を図ってみる。構えていた剣も鞘に戻して警戒心を与えないようにするが返事は帰って来ない。
彼女の表情から何か分からないかと顔を見るとこちらに対して害意はなさそうには見える。どちらかといえば俺たちに興味を示しているようにも思えるが、こちらの言葉に何も返してくれないので何も分からない。
彼女は少し足元をふらつかせながら俺たちの方へとゆっくりゆっくりと歩いて来る。勇者としてこんな幼い少女に危害を加えることなどあってはならないと思うが、これがもし変幻自在に姿を変えられる魔族だったりした時はどうすればよいのか。考えれば考えるほど彼女がよく分からない。
彼女が少しずつ俺たちとの距離を詰めてくると彼女の細かい動きが少しずつ見えてくる。彼女の綺麗な緑の瞳はキョロキョロと動いている。
そして彼女の鼻先がスンスンと動いているのが見えた。これは明らかに匂いを嗅いでいる様子だ。俺たちの匂いを嗅いでいるのか、それとも俺たちの食事の匂いを嗅いでいるのか。
「もしかしてこれを探しているのか?」
俺は彼女から目を離さないまま少しずつ竈の方へと近づいて行く。俺が動いたため彼女は俺の方を見つめてくる。そして目がしっかりと合った。
俺は竈周辺にまだ1本残っていたマッサオの塩焼き串を取ろうと手を伸ばす。よく見ていなかったため手を火に近づけ過ぎて火傷しかけたが、なんとか串を取って彼女に見せながら尋ねた。
彼女の鼻がひくひくと動く。そして自分が探し求めていたものだったようで彼女の目がキラキラと輝き始めた。相当お腹が空いていたらしい。彼女は俺の元へ駆けつけた。
「これは、大丈夫そう、ですね?」
「でありますね」
俺と共に彼女に警戒をしていたミリアとアンも警戒態勢を解いてこちらへ来て彼女の姿を困惑が混じった目で見ているが、かわいらしい様子でもあるので愛らしいものを見るような目でもあった。
彼女は俺の持っているマッサオの焼き串の胴体部分を手づかみしてきた。まだ十分に熱を持っていたマッサオに触れれば熱いに決まっており「ミューッ」という鳴き声を上げて手を離した。
俺はそれを見かねて「ここなら熱くないから」手を触れた逆の手に串の部分を持たせてやる。ほとんど熱くないのを不思議そうな顔でこちらを見つめる彼女は串の両側を両手で持ってから地に腰を下ろす。俺たちも腰を下ろしている時、彼女はマッサオの熱を冷ますため息を吹きかけた後に胴体にかぶりついた。
一口食べた後は顔が幸せそうに弛んでそのまま一気にパクパクと食べ進め、マッサオは頭から尻尾まで全て平らげられてしまった。
「気に入ったみたいだな」
「ミュ……おい、しい」
「今、おいしいって!」
「たしかに聞こえたであります!」
俺はマッサオを一気に平らげてしまった彼女に話しかけてみると、一度小さな鳴き声を上げた後に片言ではあったがたしかに『おいしい』と返してきた。
俺だけではなくミリアもアンも聞こえていたようで、うれしそうな顔で彼女を見る。
彼女はそんな俺たちの沸き立つ心など気にしていない様子で再び鼻をひくひくさせて何かの匂いを嗅ぐ。そして俺の方を向いてきた。目と目が合って、俺は一体どうしたのだろうと思ったか思わないぐらいの時、いきなり彼女が俺に抱き着いてきた。
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