愛されたい!

おでこ

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出会い

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「あーーーーーーーーーダメだ!
なんで俺はこんなに仕事ができないんだろうか。」
パソコンの画面に入力していた文面を消しながら呟く。
俺は生徒会で副会長をやっているが仕事ができない。
なにせ容量が悪いのだ。
生徒会へも立候補して入ったわけでなく、現生徒会長の推薦枠として半強制的に入れられたという感じだ。
あの生徒会長め!幼馴染だからって俺のことこき使って…!

「やば!仕事に手こずってたらもうこんな時間か!」
ふと時計に目をやると学校を出発しなくてはいけない時間を過ぎてしまっていた。

今日は、第1志望の大学のオープンキャンパスに行く予定が入っていた。
俺は中学生の頃いろいろあった関係で大学では心理学を勉強したいと思っていて、それで見つけたのがこの大学だ。
心理学にすごく力を入れていて、偏差値も頑張れば届くぐらいの位置。これは運命だと思う。しかも家からめっちゃ近い。

大学に急行し、早速校内を見てまわる。
高校とは桁違いに大きいし、色んなものがある。しかも、オープンキャンパスということもあって人もめっちゃ多い。圧倒されてばっかりだ。

(結構歩いたな。疲れた…ちょっと休んだら帰ろう。)
俺は大学の裏側にある庭のベンチで休むことにした。

「あれ…先客がいたか」
庭に1つしかないベンチにはもう既に誰かが座っていて、船をこきながら居眠りをしている。
「結構ぐっすり寝てるみたいだし申し訳ないけど隣に座らせてもらおう」
その人の隣に座ろうと近付いたところで、居眠りをしている彼がすっごくイケメンな事に気づいてしまった。
(うわ……まつ毛なが、、鼻高いな、、)
思わず見とれてしまう。
「んん…なに…なんか用?」
ジロジロ見すぎたのか起こしてしまったようだ。
機嫌が悪そうに聞かれる。
「ごめんなさい…!視線ウザかったですよね。
少し休んだらすぐ消えるのでお気になさらず!!!!」
俺が早口でまくし立て、恐る恐る顔をあげるとイケメンな彼は俺の顔を見つめたまま真顔になっている。
「あの、、なんか顔変ですかね…」

「いや、全く変じゃない。可愛すぎてびっくりしてた」

(今この人俺のこと可愛いって言った…?
そんな訳なくないか?
あ!きっと俺の後ろに可愛い子が立ってるんだな!)
そう思った俺は後ろを振り返る。
誰もいない。おかしいな。

「何後ろ見てるの?かわいい
もっとこっち見てよ」
イケメンから声がかかる。
「お、俺のこと可愛いって言いましたか…?
ごめんなさい俺…」
「男に可愛いとか言われても嬉しくない?
でも、俺一目惚れしちゃったみたい。君に。」
言葉を遮るように言われ、顔を覗き込まれる。

「俺は晃って言うんだ。君の名前は?」
「あの、えっと、、秋原悠紀です…」
「ユウキね。かわいい名前だね似合ってる」
めちゃくちゃにかっこいい笑顔で言われる。
今まで家族以外からこんなに好意をぶつけられたことがない俺は半分パニックになっていた。

「ごめんね。びっくりするよね。
だけど俺は本気でユウキのことが好きになっちゃったんだ。もし良ければ付き合って欲しいな、、なんて」

彼の熱意に押されたのか顔が好みすぎたのかよく分からないが、気がつくと告白をOKしていた。

「お、俺でよければ…よろしく、お願いします、」

「ほんと?嬉しいほんとありがとう!」
満面の笑みを向けられ抱きしめられる。
(うわ…!めっちゃいい匂いするじゃん
これはどうするのが正解?俺も抱きしめ返すべき?わかんない、、、
てか付き合うってなに俺なんかでいいのかな)

「困ってるねかわいい。
LINE教えてほしいな。今日はもう帰らないといけない時間でしょ?
だからLINEでいっぱい話そう?」

その日はLINEを交換してなんだかフワフワした気持ちで家に帰った。
現実味がなさすぎるのだ。
付き合うといったってここから何をすればいいんだろう…

そもそもこんな俺でほんとにいいんだろうか



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