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第4章 集まれ仲間達

X-Day Count down -6-

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「いまみせたみたいに、こうしてもじのぶぶんにさわれば、ないようみれるようにしといたから。ほかになにか、コイツからしりたいじょうほうとかある?」
「……いえ。これをみれば、計画に関わっているデルタズマフェンの間諜が誰かすらも分かるようですので、大丈夫です。お手数おかけいたしました。六精霊の魔導術士様」

 エルの問いにそう答えて法務の人は、深々と頭を下げた。

「かまわないよ。こんかい、きょうりょくをもうしでたのは、おれだからね。おうめいでもあったし」
「それでも。有り難うございます。これで王国騎士団や魔法士団が動けます」
「うん。よろしくね。かのうなら、ここにあるけいかくは、たっせいされるまえにつぶしておくべきだとおもうから」
「はい」

 そうね。

 この超級イベを事前情報で潰す選択肢は “花キミ” プレイヤー時のわたし達にはなかった。

 告知にイベントが発生する情報が出て、プレイヤーそれぞれが自分のプレイとしてイベントに対処して、予備期間中にクエストをクリアして得たランクによって自動的に振り分けられたグループで全プレイヤー対象のレイド戦が期間終了後に発生する。

 そんなイベントが3度目を数えた時、ついにプレイヤー達は、団結を決意した。

 その為にまず、15ch攻略掲示板で情報をやりとりする面子を中心に強プレイヤーや課金プレイヤーをワザとイベント周回することで狙ったランクに落とし込み、可能な限り各ランクの戦力を高火力でならす芸当をやり遂げる。

 全ては、オールクリア報酬や、イベントの成功クリアスチルゲットにかける、わたし達プレイヤーの執念と情熱の賜物だ。

 協力しないプレイヤーや、初心者プレイヤーが居ることなど最初から織り込み済みの配置なので、当時、ほぼ死角はなかった。

 でも、そんな心強いプレイヤー達は、今、居ない。

 だけど、ゲームでは絶対に出来なかった事前情報入手段階からの対処が可能。

 ならば超級イベント自体を起こさずに済ませることだって、出来る筈よね。

 リリエンヌをこうして、18禁サブスト前に助け出せたみたいに。

「ねぇ。もし、こんご、わたしたちのちからが、ひつようなときには、えんりょなくこえをかけてほしいの。たしかにわたしたちのなかで、しょうごうにかくせいしてるのは、エルとルナ、リリエンヌのさんにんだけだわ。でもだからこそ、わたしたちは、デルタズマフェンやベーターグランディアあいてに、きしだんや、まほうしだん、かくりょうぐんや、ぶんかんのみなさんといっしょに、たたかうために。そして、いずれまおうにいどむひのために、いっこくもはやく、ちからをえなくてはいけないだろうから。はいってきたばっかりのしんじんきたえてやってるくらいのいきおいで、いろいろやらせてほしいのよ!」

 気づけば、わたしは法務の人だけを相手にではなく、国王陛下や王妃様、そして周囲に居る大人達に向かって、そう進言していた。

「そうだね。アリィのいうとおりだ。ぼくからもおねがいするよ。ぼくたちに、キミたち、くにのためにひび、たたかうものたちをすこしでもてだすけできるよう、とりはからってくれないだろうか。おさなさをいいわけにはしない。ぼくたちが、このせかいをまもりきることができるよう、キミたち、ひとりひとりのちえとちからを、ぼくたちにかしてくれ。ぼくたち、しょうごうもちだけじゃなく、みんなできょうりょくして、まおうにかとうよ!」

 エンディは、最初の迷宮へ入る時に会ったギルドの受付嬢から言われたことをずっと気にしていた。

 そして、それ以上にあの時、強硬にわたし達を止めようとした受付嬢にエルが言い放った「戦うの自分じゃない癖に笑わせんな」という言葉を誰よりも疑問に思っていたようだった。

『みんながいきていく、みんなのせかいでもあるのに、ぼくたちだけが、がんばるみたいのって、ぜったい、おかしいよ。ほかのひとに、かわってほしいとか、ほかのひとでもいいじゃないかっていみじゃなくて、ひとりでもおおくのひとに、じぶんだって、まおうをたおすために、がんばったんだって、むねをはっていえるようにしなきゃ、いつか、ぼくらみたいなしょうごうもちが、うまれてこなくなっちゃったり、ぎゃくに、しょうごうもちがいるんだからいいよね? みたいなかんじになっちゃったら、まおうに、かてなくなっちゃうきがする』

 エンディが抱いたこの危惧は “花キミ” で彼が辿る可能性のあるBAD END2つを見事に言い当てていて、わたしは物凄く驚いた。

 エンディ以外の称号持ちが1人も覚醒しない上、彼が1人で戦い、敗戦するBAD END。

 そして、自分達が称号持ちであることと王侯貴族の子であることに増長し、誰も会敵すらしたことのない魔王を甘く見る周囲のゴマスリ発言を真に受けた挙句、敗戦するBAD END。

 教えていない以上、彼は自力でその危険を察知して、未来の次世代称号持ちの為にも、いざという時の協力体制を確立しておくことを思いついたようだった。

 その場凌ぎなわたしの言葉とは違い、既に為政者としての視点を持ち始めたエンディ。

 凄いわぁ。

 カッコイイわぁ。

 キラキラ眩しい男の子が、どんどん目の前で素敵な男性へと成長していく様を。

 それも大好きなエンディミオン殿下で見れるなんて。

 有り難うございます、サーシャエール様。

 エンディ達と一緒にアリューシャわたしも、この世界の為に頑張ります!

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