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第5章 女神の間にて

花咲く丘にキミと2人で -19-

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 15歳エンディミオンと一緒に東での戦闘が終わった女主人公ヒロインアリューシャは、次に北で戦闘している15歳マックスの元へと駆けつける。

 攻略対象が1人だけのルートと逆ハールートのこれが大きな違いな訳だ。

 攻略対象が1人なら2人で5ヶ所を回ることになるけど、逆ハーでは、それぞれの攻略対象が各方面で既に対処に出ていて、女主人公ヒロインアリューシャが彼等を助けに行くような形になる。

 女主人公ヒロイン的には、物凄く都合のいいことに戦闘終了後、彼等はその場の事後処理に残り、次に行くべき場所にいる仲間のことを頼む、と告げるのだ。

 そして女主人公ヒロインは、次の攻略対象の元へと駆けつける。

『マックス! 助けに来たわ!』
『アリィ!』
『むっ⁈ 貴様が聖女の娘か! ならば貴様から死んでもらおう‼︎』
『そうはさせない! アリィには、この私が指1本とて触れさせはしない!』
「はあっ♡ なんかみんなのせいで、ぜんぜんひたれないけど、やっぱりマックスさま、かっこいい……っ♡」

 比較的本性出して生きてるっぽく見える亜梨沙さんルナルリアも、実はそれなりに自重はしていたらしい。

 舞子さんアリューシャのシャウト程ではないが、マックスの賢者覚醒前最大の見せ場である四天王戦で、最推しへの萌えをじんわりたっぷりと放出していた。

 そして、やっぱりここでも。

『アリィ。私達の溢れ出る愛を力に変えて、共に悪を討とう!』
『はいっ!』
『ラブラブアターック!』
『ぐあぁぁぁぁぁぁぁっ‼︎』
「……してんのうっていうまぞくは、あいがたらないから、これでダメージうけるの?」

 「こっち側」のエンディミオン殿下が、素朴な疑問音程全開で口にしたことは、この逆ハールートならではの戦闘に於いて撒き散らされるハートで切り刻まれる四天王の姿を目にした全プレイヤーが1度は感じる疑問、そのままだった。

 もうね、そうとでも思わないとね、ハートがドシュドシュ音立てる意味にすら疑問を感じるようになるからさ。

「ツッコミどころって、わりかし、せかいきょうつうよねぇ」
「寧ろここに突っ込まないで、初見のヤツに何処、突っ込めと?」
「ぎゃくハールートのべつめいは “つっこみどころしかないルート” でございますから。まだまだ、つっこめるところは、まんさいでごさいますわよ?」
「やっぱりアレよね。ぎゃくハーってふつうありえないだろっていう、こうしきのしこうがすけてみえるわよね。このやるきないのダダもれなのに、えんしゅつだけは、むだにこってるかんじ」
[面白いわねぇ、これで攻撃出来るのって。パラメーターの親愛とか愛情に拘るより、一目で分かっていいかも?]
「頼むからこの世界にアレを採用するのは、やめてくれ。自分がアレやるとか考えただけで恥ずか死ぬ!」

 サーシャエール「様!」が何かしみじみとした口調で、真面目に検討し始めたような空気を感じて、俺はゲーム内のことよりも激しくそれに突っ込んでいた。


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