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ハッピーエンドが始まった
6 ※微エロ
しおりを挟む空が見えるくらい上を向いて耐えているうちに、彼の手は先に進んでいたらしくとうとうスカートをまくられた。
清楚なワンピースだと思ってたけど意外にも裾は短かったようで、すぐに膝に触れ太ももに熱い手のひらが触れる。
胸を触っていた時より高く汗ばんだ温度に、もしかして、この人興奮してる?と気づいた。
こんなイケメンが私なんかに対して・・・神様、ありがとうです。もうじき、直接お礼に伺うかもしれません。
そんな喜びを覚える反面、この先の展開を予測して緊張が走る。
なんたって、私は男子と付き合ったことはおろか、他愛に会話すら遠い記憶の彼方なのだ。
ゲームや漫画で得た『女子っぽい反応』は大いにダメ出しを食らったばっかだし、いざショーツの中に手を突っ込まれたらどうすればいいのか・・・
「あっ」
結局、声を出してしまった。しかも無意識に。
自分から喘いだ時の方が音量は大きかったはずなのに、今になって急に恥ずかしくなり頬に熱が集まる。
反射的に手で口を覆うと、すぐに邪魔というように振り払われ、彼が顔を近づけた。
「さっきみたいな声出せよ」
「うっ・・・」
「嫌でも出ると思うけど」
イケメンの癖になんてあくどい笑顔だろう!
目は笑わないまま唇の片側だけ釣り上げる表情に、これはもしや敵方の役割では、とドキドキする。
もちろん不安な方のドキドキじゃなく、敵だけど恋に落ちちゃう的な。敵対するイケメン剣士(多分)に襲われる、冥土の土産にはふさわしい萌シチュだ。
そのトキメキも相まって、いよいよ核心に触れられた時の快感と言ったら今までの比じゃなかった。
「んっんっ・・・」
ぐいぐいと無遠慮に指で押され、長年閉ざされていた門が徐々に柔らかくなり開きはじめるのがわかる。
イケメンはこんな地味女子の体も知り尽くしているのか、気持ち良いところばかりを的確に見つけて弄んでる。
「ひゃ・・」
やがて爪の先で縦になぞられ、何かが染み出るような感覚に自分が濡れてることをハッキリと自覚した。
私、処女なのに。
自分の体にこんなことが起きるなんて誰が予想できただろう。
やっぱり冥土の土産には十分すぎる。
あちこち撫でて押し潰されて、固くなった核心を指で摘ままれ、もはや息も絶え絶えになってきた。
「足りねえな、まだまだ」
ククッと喉で笑う音がして、目をつぶってても、彼が何をしようとしてるか気づいた。
ぐうっと膝が折り曲げられ熱い感触が当たり、それが何度も擦り付けられる。
ああ、いよいよだ。
あと何分間、私は生きていられるんだろう。
出来れば幸福と快感の絶頂の中、いろんな意味でいきたいな――
耳元で感じる吐息に、ドクンと胸が鳴ったその時、命がぶつかった。
いってええええええええええええ なんじゃこりゃああああ
そして鈍い圧迫感に襲われたと思った直後、味わったことのない激痛があらゆる方向へと向かって走り出した。
今、私の周りには感動も夢も快感もへったくれも存在してない。頭の中には『痛い』という単語しかない。
「い・・・っい・・・」
「・・・はっ、んだよ、もうイくって?」
違いますうううう ある意味逝きそうですけど違うんでドヤ顔でスピード早めないでくださああああ
「まっ、ま・・・」
ギブ、と震えて力の入らぬ手でなんとか彼の腕を叩くけど、全く伝わっていないらしく、容赦なく身体を揺さぶられる。
これじゃあのまま死んでた方がましだったかも。
ていうか、世の中の女子は皆この痛みを乗り越えてきたの!?私より年下で初体験した子もわんさかいるのに!
大人の私でも泣いてるのによく耐えられたねえ!
歯をくいしばって耐えているうちに意識が朦朧としてきた。
そういえば、階段から転げ落ちた時もこんな感じで目の前が掠んで、周りの音がどんどん小さくフェードアウトしていったっけ。
今、聞こえるのは彼が発する熱い吐息の音と、空から降ってくるムードのない鳥の声のみだ。
それすらも消えてなくなって、目を閉じた時、私という存在はどこへ飛ばされるんだろう?
生まれ変わるなら今度こそ、ハッピーという言葉がありふれた世界に行きたい。
ぼんやりと願った時、言わせないとでもいうように熱い唇が再び私を覆った。
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