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第1話
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「悪いけど、君は一旦戦線を離脱してもらう」
「は?」
ぽかんとした表情で目の前の女性の顔を見る少年、ロロ。そしておどかれてもなお表情を崩さず凛とした表情の女性、シルヴィ。
「何言ってるんですか、シル隊長」
「一旦戦線を離脱してもらう」
「いや、聞こえなかったわけではなく俺はなぜそう言ったのか理由を聞きたくてですね」
この世界では人間が住む人間界と魔物たちが生息する魔境が存在しており、魔物たちが人間を求めて人間界に襲い掛かることがある。それを抑えるべく、人間の中で魔物たちをせん滅する魔導士と言うものが存在している。
ロロとシルヴィはその魔導士の1人であり、ロロはシルヴィ隊の隊員で直属の部下と言う関係である。
「ここ1年近くで魔境から襲い掛かる魔物も減少しているし、魔導士の数もかなり多くなっている。そこで君には少し休息はあってもいいんじゃないかと」
「俺6歳のころからこの生活だから今更離脱してもどうするんすか」
「君ももう13歳だ。こんな地獄のような生活をずっと送り続ける必要もない」
「つまり、何が言いたいんですか?」
「君には学校に通ってもらう」
この世界では13歳に魔法学園に通い、魔導士としての鍛錬を積む者が多い。しかし、ロロは6歳からすでに魔物との戦闘をしているため縁の無いものだった。
「今さら学校に通ってなにか為になるんすか」
「うるさいうるさい!!とにかくお前は1週間後にここを離れてもらう、これは隊長命令だ」
ロロは釈然とはしないものの、隊長命令と言うことで渋々と部屋を出ていった。
「はあ、ロロの周りへの興味の無さはほんと驚かされるな、13歳にはまるで見えないな」
ロロは約7年間、魔物たちとの戦闘しか行ってきておらずもはや戦いが生活と言っても過言ではなかった。これは想像を絶する過酷さでそれが彼の人格にも多少なり影響を与えてしまった。
「できれば普通の学園生活を送っているうちに、あいつの楽しみを見つけてほしいものだ」
「シルヴィ隊長、新たな隊員の面接のお時間です」
「了解だ、すぐに向かう」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「俺が入学して何を学ぶんだ?」
ロロは自室に戻りベッドで横たわりながら考えていた。ロロはまだ13歳であり、シルヴィのように10年以上やっているわけではないが、それでも彼は隊の主戦力であった。
「一旦離脱って言われたけど、これ多分数年間ぐらい離れるよな」
魔導士を目指すものが学園に入学した場合、平均3年間は在学する。中には更に数年間を使い、より専門的な魔導士を目指すものもいる。
「とりあえず、隊長が戻れというまではいたほうが安全だろ。変に戻ってもどうせ追い返されそうだし」
そのまま彼はベッドの上で目をつむった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「それじゃあ、今までお世話になりました。また戻ってくるとは思いますが、一旦ここを離れます」
ロロは次の朝、シルヴィ隊の隊員たちに別れを告げた。
「おう。お前がいない間も俺たちが食い止めるから心配すんなよ」
「また新人も増えてきたし、お前は心配する必要ないよ」
隊員の中には、まだロロと知り合って間もない者もいれば、ロロがまだ幼いころから知っている者もいたため人によって反応がかなり異なっていた。
遠くから見ていたシルヴィもその瞳には少しの涙がついていた。当然これっきりではなく、しばらくすればまた会えるが、彼女もロロとは長い付き合いである。
「それじゃ、またな」
ロロはそう言って、シルヴィ隊の部隊の建物から出ていった。彼としても少しだけ寂しさを感じており、足取りはかなり重いものだった。
「隊長、あいつは学園にいってどうなりますかね。今でも十分強いしまだまだ伸びしろもあるし」
「確かにあいつの単純な実力は十二分にある。だがあいつには知っておかなくてはならないことがある。そのために私はあいつを学園に通わせることにしたんだ」
「は?」
ぽかんとした表情で目の前の女性の顔を見る少年、ロロ。そしておどかれてもなお表情を崩さず凛とした表情の女性、シルヴィ。
「何言ってるんですか、シル隊長」
「一旦戦線を離脱してもらう」
「いや、聞こえなかったわけではなく俺はなぜそう言ったのか理由を聞きたくてですね」
この世界では人間が住む人間界と魔物たちが生息する魔境が存在しており、魔物たちが人間を求めて人間界に襲い掛かることがある。それを抑えるべく、人間の中で魔物たちをせん滅する魔導士と言うものが存在している。
ロロとシルヴィはその魔導士の1人であり、ロロはシルヴィ隊の隊員で直属の部下と言う関係である。
「ここ1年近くで魔境から襲い掛かる魔物も減少しているし、魔導士の数もかなり多くなっている。そこで君には少し休息はあってもいいんじゃないかと」
「俺6歳のころからこの生活だから今更離脱してもどうするんすか」
「君ももう13歳だ。こんな地獄のような生活をずっと送り続ける必要もない」
「つまり、何が言いたいんですか?」
「君には学校に通ってもらう」
この世界では13歳に魔法学園に通い、魔導士としての鍛錬を積む者が多い。しかし、ロロは6歳からすでに魔物との戦闘をしているため縁の無いものだった。
「今さら学校に通ってなにか為になるんすか」
「うるさいうるさい!!とにかくお前は1週間後にここを離れてもらう、これは隊長命令だ」
ロロは釈然とはしないものの、隊長命令と言うことで渋々と部屋を出ていった。
「はあ、ロロの周りへの興味の無さはほんと驚かされるな、13歳にはまるで見えないな」
ロロは約7年間、魔物たちとの戦闘しか行ってきておらずもはや戦いが生活と言っても過言ではなかった。これは想像を絶する過酷さでそれが彼の人格にも多少なり影響を与えてしまった。
「できれば普通の学園生活を送っているうちに、あいつの楽しみを見つけてほしいものだ」
「シルヴィ隊長、新たな隊員の面接のお時間です」
「了解だ、すぐに向かう」
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「俺が入学して何を学ぶんだ?」
ロロは自室に戻りベッドで横たわりながら考えていた。ロロはまだ13歳であり、シルヴィのように10年以上やっているわけではないが、それでも彼は隊の主戦力であった。
「一旦離脱って言われたけど、これ多分数年間ぐらい離れるよな」
魔導士を目指すものが学園に入学した場合、平均3年間は在学する。中には更に数年間を使い、より専門的な魔導士を目指すものもいる。
「とりあえず、隊長が戻れというまではいたほうが安全だろ。変に戻ってもどうせ追い返されそうだし」
そのまま彼はベッドの上で目をつむった。
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「それじゃあ、今までお世話になりました。また戻ってくるとは思いますが、一旦ここを離れます」
ロロは次の朝、シルヴィ隊の隊員たちに別れを告げた。
「おう。お前がいない間も俺たちが食い止めるから心配すんなよ」
「また新人も増えてきたし、お前は心配する必要ないよ」
隊員の中には、まだロロと知り合って間もない者もいれば、ロロがまだ幼いころから知っている者もいたため人によって反応がかなり異なっていた。
遠くから見ていたシルヴィもその瞳には少しの涙がついていた。当然これっきりではなく、しばらくすればまた会えるが、彼女もロロとは長い付き合いである。
「それじゃ、またな」
ロロはそう言って、シルヴィ隊の部隊の建物から出ていった。彼としても少しだけ寂しさを感じており、足取りはかなり重いものだった。
「隊長、あいつは学園にいってどうなりますかね。今でも十分強いしまだまだ伸びしろもあるし」
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