21 / 33
第21話:空飛ぶ物流革命と、マヨネーズという名の制裁
しおりを挟む
第一王子派閥による「経済封鎖」の影響は、即座に数字となって表れた。
「……お嬢様。今朝、南の街道の検問所で、輸送隊が追い返されました」
執務室にて、ハンスが悲痛な面持ちで報告する。
「隣領の伯爵が『通行税をこれまでの十倍(一〇〇〇パーセント)に引き上げる』と宣言したそうです。実質的な通行禁止です。これにより、原材料の輸入も、商品の輸出も完全にストップしました」
私は冷静に、真っ赤に染まった損益計算書(PL)を眺めた。 典型的な兵糧攻めだ。 物流(サプライチェーン)を断てば、いかに繫栄した都市も干上がる。工場の火は消え、歓楽街のビールは尽き、民は不満を抱く。第一王子クラウス、なかなか的確で嫌らしい手を打ってくる。
「……で、向こうの要求は?」 「はい。『ローゼンベルク家の全事業権の譲渡』と『リリエラ様の王都への出頭(人質)』です」
私は鼻で笑った。 この私が、手塩にかけた会社(領地)を明け渡す? あり得ない。
「ハンス。私が常々言っている『BCP(事業継続計画)』の基本は何?」 「えっと……『一つのルートに依存しないこと』、です」 「正解(コレクト)。陸がダメなら、別の道を行けばいいだけよ」
私は椅子から立ち上がり、窓の外――遥か頭上に広がる青空を見上げた。
「『プロジェクト・イカロス』を発動するわ。準備なさい」
***
領都の郊外、山間の盆地に設けられた秘密ドック。 そこには、私の指示でドワーフの技師たちと、裁縫が得意なエルフたちが総出で作り上げた「巨大な物体」が鎮座していた。
巨大な球体の布袋。その下には頑丈な籐(とう)で編まれたゴンドラ。 そして中心部には、火属性の魔石を組み込んだ強力なバーナーが設置されている。
「お嬢様、これ……本当に飛ぶんですか?」
見上げるハンスの声が震えている。 無理もない。この世界には「空を飛ぶ乗り物」など存在しない。ワイバーン騎兵はいるが、大量の荷物を運ぶことはできない。
「飛ぶわ。熱された空気は軽くなる。物理法則は絶対よ」
私はドワーフの工場長に合図を送った。
「点火!」
ボォォォォォッ!! バーナーが爆音を上げ、青白い炎を噴き上げる。 熱気が球皮(エンベロープ)の中に送り込まれるにつれ、しぼんでいた布が生き物のように膨れ上がり、そして――ふわりと、巨体が地を離れた。
「う、浮いたぁぁぁーーっ!!」
作業員たちの歓声が上がる。 一機だけではない。次々と十機の熱気球が空へと舞い上がる。 ゴンドラには、「マヨネーズ」「ガラス製品」「レンガ」といった商品が満載されている。
「これが『空輸(エア・カーゴ)』よ」
私は満足げに頷いた。
「空に関所はない。通行税もない。風に乗れば、王都まで陸路の半分の時間で到達できる。……さあ、第一王子の鼻先を飛んでやりなさい」
***
一方、ローゼンベルク領へと続く街道の検問所。 第一王子派の兵士たちは、退屈そうに空を眺めていた。
「へっ、もう一週間も物流を止めてるんだ。今頃、あの生意気な領地はパニックになってるだろうぜ」 「ああ。食い物が尽きて、泣きついてくるのも時間の問題だ」
彼らが下卑た笑い声を上げていた、その時。 ――ゴォォォォォォ……。
奇妙な音が頭上から響いた。 風の音ではない。何かが燃えるような轟音だ。 兵士の一人が空を指差し、絶叫した。
「お、おい! あれを見ろ! 空に……空に何かが!」
彼らが見上げた先。 雲の合間から、巨大な「空飛ぶ船」の船団が現れた。 色とりどりの球体には、堂々たるローゼンベルク家の紋章(とマヨネーズの絵)が描かれている。
「な、なんだあれは!? 魔獣か!? いや、船だ!」 「関所の上を通っていくぞ! お、おい! 止めろ! 通行税を払わせろ!」
隊長が叫ぶが、弓矢が届く高度ではない。 気球団は、地上の混乱など意に介さず、悠々と検問所を飛び越えていった。
ゴンドラからは、操縦士の狼人族が身を乗り出し、兵士たちに向けて「アッカンベー」をしているのが見えた(私の指導ではない。彼のアドリブだ)。
***
気球団の到着により、王都の市場は大騒ぎになった。 品薄で価格が高騰していた「天使のクリーム」や「ローゼン・ビール」が、空から大量に供給されたのだ。
「おお! 待っていたぞ! これがないと飯が食えん!」 「空から商品を運んでくるなんて……やはりローゼンベルク家は神に愛されている!」
市民たちは歓喜し、第一王子の「封鎖失敗」を嘲笑った。 だが、私の反撃はこれだけではない。 私は、気球便に「ある手紙」を持たせていた。
宛先は、今回の封鎖に加担した貴族たちの屋敷だ。
***
第一王子の側近、バルガス侯爵邸。 夕食の席で、侯爵は不機嫌そうにナイフを置いていた。
「……おい、料理長。今日のサラダ、味が薄くないか? あの『白いクリーム』はどうした?」 「も、申し訳ありません、旦那様……」
料理長が青い顔で震えている。
「実は……本日、ローゼンベルク家より通達がありまして……」
料理長が差し出した手紙には、冷徹な筆跡でこう書かれていた。
『貴殿による不当な通行妨害に対し、遺憾の意を表します。つきましては対抗措置として、貴殿およびその一族への当社製品(マヨネーズ、ビール、ガラス製品、石鹸等)の販売を、今後一切お断りします。――リリエラ・フォン・ローゼンベルク』
「はぁ!? 販売拒否だと!? たかが調味料ごときで!」
侯爵が激昂した瞬間、食卓に悲鳴が上がった。 侯爵夫人と娘たちが、絶望の表情で叫んだのだ。
「嫌よ! あのクリームがないと、野菜なんて食べられないわ!」 「お父様のせいよ! お肌がツルツルになる石鹸も買えないの!?」 「学校で『マヨネーズも買えない家』なんて馬鹿にされるわ! なんとかしてよ!」
「え、いや、しかし……」
家庭内暴動の勃発だ。 同様の悲劇が、王子派の貴族たちの家々で同時多発的に発生していた。 彼らは知らなかったのだ。自分たちの生活(QOL)が、すでに私の商品に依存しきっていたことを。 ――マヨネーズ中毒(アディクション)。 一度知れば戻れない禁断の味を盾にした、えげつない「逆制裁」だった。
***
数日後。 第一王子クラウスの元には、側近たちからの悲痛な陳情が殺到していた。
「殿下! もう限界です! 封鎖を解いてください!」 「妻が実家に帰ると言い出しまして……マヨネーズのためなら裏切ると……」 「空輸で稼がれ、地上では家庭崩壊……。これ以上は持ちません!」
クラウスは、執務机を拳で殴りつけた。
「……おのれ、リリエラ! 空を支配し、貴族の胃袋まで人質に取るとは……!」
一方、私は執務室で、窓の外を飛ぶ気球を見上げながら、優雅に紅茶を飲んでいた。
「……レッドオーシャン(地上の競争)がダメなら、ブルーオーシャン(空)へ。ビジネスの基本ね」
これで当面の危機は去った。 だが、第一王子がこのまま黙っているとは思えない。 次なる一手は、おそらく「武力」か「政治的圧力」の最終手段だろう。
(来るなら来なさい。こっちには『筋肉』と『金』と『民衆』がついている)
私は不敵に微笑んだ。 スローライフを取り戻すための戦いは、いよいよ最終局面(エンドゲーム)へと向かおうとしていた。
「……お嬢様。今朝、南の街道の検問所で、輸送隊が追い返されました」
執務室にて、ハンスが悲痛な面持ちで報告する。
「隣領の伯爵が『通行税をこれまでの十倍(一〇〇〇パーセント)に引き上げる』と宣言したそうです。実質的な通行禁止です。これにより、原材料の輸入も、商品の輸出も完全にストップしました」
私は冷静に、真っ赤に染まった損益計算書(PL)を眺めた。 典型的な兵糧攻めだ。 物流(サプライチェーン)を断てば、いかに繫栄した都市も干上がる。工場の火は消え、歓楽街のビールは尽き、民は不満を抱く。第一王子クラウス、なかなか的確で嫌らしい手を打ってくる。
「……で、向こうの要求は?」 「はい。『ローゼンベルク家の全事業権の譲渡』と『リリエラ様の王都への出頭(人質)』です」
私は鼻で笑った。 この私が、手塩にかけた会社(領地)を明け渡す? あり得ない。
「ハンス。私が常々言っている『BCP(事業継続計画)』の基本は何?」 「えっと……『一つのルートに依存しないこと』、です」 「正解(コレクト)。陸がダメなら、別の道を行けばいいだけよ」
私は椅子から立ち上がり、窓の外――遥か頭上に広がる青空を見上げた。
「『プロジェクト・イカロス』を発動するわ。準備なさい」
***
領都の郊外、山間の盆地に設けられた秘密ドック。 そこには、私の指示でドワーフの技師たちと、裁縫が得意なエルフたちが総出で作り上げた「巨大な物体」が鎮座していた。
巨大な球体の布袋。その下には頑丈な籐(とう)で編まれたゴンドラ。 そして中心部には、火属性の魔石を組み込んだ強力なバーナーが設置されている。
「お嬢様、これ……本当に飛ぶんですか?」
見上げるハンスの声が震えている。 無理もない。この世界には「空を飛ぶ乗り物」など存在しない。ワイバーン騎兵はいるが、大量の荷物を運ぶことはできない。
「飛ぶわ。熱された空気は軽くなる。物理法則は絶対よ」
私はドワーフの工場長に合図を送った。
「点火!」
ボォォォォォッ!! バーナーが爆音を上げ、青白い炎を噴き上げる。 熱気が球皮(エンベロープ)の中に送り込まれるにつれ、しぼんでいた布が生き物のように膨れ上がり、そして――ふわりと、巨体が地を離れた。
「う、浮いたぁぁぁーーっ!!」
作業員たちの歓声が上がる。 一機だけではない。次々と十機の熱気球が空へと舞い上がる。 ゴンドラには、「マヨネーズ」「ガラス製品」「レンガ」といった商品が満載されている。
「これが『空輸(エア・カーゴ)』よ」
私は満足げに頷いた。
「空に関所はない。通行税もない。風に乗れば、王都まで陸路の半分の時間で到達できる。……さあ、第一王子の鼻先を飛んでやりなさい」
***
一方、ローゼンベルク領へと続く街道の検問所。 第一王子派の兵士たちは、退屈そうに空を眺めていた。
「へっ、もう一週間も物流を止めてるんだ。今頃、あの生意気な領地はパニックになってるだろうぜ」 「ああ。食い物が尽きて、泣きついてくるのも時間の問題だ」
彼らが下卑た笑い声を上げていた、その時。 ――ゴォォォォォォ……。
奇妙な音が頭上から響いた。 風の音ではない。何かが燃えるような轟音だ。 兵士の一人が空を指差し、絶叫した。
「お、おい! あれを見ろ! 空に……空に何かが!」
彼らが見上げた先。 雲の合間から、巨大な「空飛ぶ船」の船団が現れた。 色とりどりの球体には、堂々たるローゼンベルク家の紋章(とマヨネーズの絵)が描かれている。
「な、なんだあれは!? 魔獣か!? いや、船だ!」 「関所の上を通っていくぞ! お、おい! 止めろ! 通行税を払わせろ!」
隊長が叫ぶが、弓矢が届く高度ではない。 気球団は、地上の混乱など意に介さず、悠々と検問所を飛び越えていった。
ゴンドラからは、操縦士の狼人族が身を乗り出し、兵士たちに向けて「アッカンベー」をしているのが見えた(私の指導ではない。彼のアドリブだ)。
***
気球団の到着により、王都の市場は大騒ぎになった。 品薄で価格が高騰していた「天使のクリーム」や「ローゼン・ビール」が、空から大量に供給されたのだ。
「おお! 待っていたぞ! これがないと飯が食えん!」 「空から商品を運んでくるなんて……やはりローゼンベルク家は神に愛されている!」
市民たちは歓喜し、第一王子の「封鎖失敗」を嘲笑った。 だが、私の反撃はこれだけではない。 私は、気球便に「ある手紙」を持たせていた。
宛先は、今回の封鎖に加担した貴族たちの屋敷だ。
***
第一王子の側近、バルガス侯爵邸。 夕食の席で、侯爵は不機嫌そうにナイフを置いていた。
「……おい、料理長。今日のサラダ、味が薄くないか? あの『白いクリーム』はどうした?」 「も、申し訳ありません、旦那様……」
料理長が青い顔で震えている。
「実は……本日、ローゼンベルク家より通達がありまして……」
料理長が差し出した手紙には、冷徹な筆跡でこう書かれていた。
『貴殿による不当な通行妨害に対し、遺憾の意を表します。つきましては対抗措置として、貴殿およびその一族への当社製品(マヨネーズ、ビール、ガラス製品、石鹸等)の販売を、今後一切お断りします。――リリエラ・フォン・ローゼンベルク』
「はぁ!? 販売拒否だと!? たかが調味料ごときで!」
侯爵が激昂した瞬間、食卓に悲鳴が上がった。 侯爵夫人と娘たちが、絶望の表情で叫んだのだ。
「嫌よ! あのクリームがないと、野菜なんて食べられないわ!」 「お父様のせいよ! お肌がツルツルになる石鹸も買えないの!?」 「学校で『マヨネーズも買えない家』なんて馬鹿にされるわ! なんとかしてよ!」
「え、いや、しかし……」
家庭内暴動の勃発だ。 同様の悲劇が、王子派の貴族たちの家々で同時多発的に発生していた。 彼らは知らなかったのだ。自分たちの生活(QOL)が、すでに私の商品に依存しきっていたことを。 ――マヨネーズ中毒(アディクション)。 一度知れば戻れない禁断の味を盾にした、えげつない「逆制裁」だった。
***
数日後。 第一王子クラウスの元には、側近たちからの悲痛な陳情が殺到していた。
「殿下! もう限界です! 封鎖を解いてください!」 「妻が実家に帰ると言い出しまして……マヨネーズのためなら裏切ると……」 「空輸で稼がれ、地上では家庭崩壊……。これ以上は持ちません!」
クラウスは、執務机を拳で殴りつけた。
「……おのれ、リリエラ! 空を支配し、貴族の胃袋まで人質に取るとは……!」
一方、私は執務室で、窓の外を飛ぶ気球を見上げながら、優雅に紅茶を飲んでいた。
「……レッドオーシャン(地上の競争)がダメなら、ブルーオーシャン(空)へ。ビジネスの基本ね」
これで当面の危機は去った。 だが、第一王子がこのまま黙っているとは思えない。 次なる一手は、おそらく「武力」か「政治的圧力」の最終手段だろう。
(来るなら来なさい。こっちには『筋肉』と『金』と『民衆』がついている)
私は不敵に微笑んだ。 スローライフを取り戻すための戦いは、いよいよ最終局面(エンドゲーム)へと向かおうとしていた。
21
あなたにおすすめの小説
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
世界最強の公爵様は娘が可愛くて仕方ない
猫乃真鶴
ファンタジー
トゥイリアース王国の筆頭公爵家、ヴァーミリオン。その現当主アルベルト・ヴァーミリオンは、王宮のみならず王都ミリールにおいても名の通った人物であった。
まずその美貌。女性のみならず男性であっても、一目見ただけで誰もが目を奪われる。あと、公爵家だけあってお金持ちだ。王家始まって以来の最高の魔法使いなんて呼び名もある。実際、王国中の魔導士を集めても彼に敵う者は存在しなかった。
ただし、彼は持った全ての力を愛娘リリアンの為にしか使わない。
財力も、魔力も、顔の良さも、権力も。
なぜなら彼は、娘命の、究極の娘馬鹿だからだ。
※このお話は、日常系のギャグです。
※小説家になろう様にも掲載しています。
※2024年5月 タイトルとあらすじを変更しました。
何故か転生?したらしいので【この子】を幸せにしたい。
くらげ
ファンタジー
俺、 鷹中 結糸(たかなか ゆいと) は…36歳 独身のどこにでも居る普通のサラリーマンの筈だった。
しかし…ある日、会社終わりに事故に合ったらしく…目が覚めたら細く小さい少年に転生?憑依?していた!
しかも…【この子】は、どうやら家族からも、国からも、嫌われているようで……!?
よし!じゃあ!冒険者になって自由にスローライフ目指して生きようと思った矢先…何故か色々な事に巻き込まれてしまい……?!
「これ…スローライフ目指せるのか?」
この物語は、【この子】と俺が…この異世界で幸せスローライフを目指して奮闘する物語!
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから
渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。
朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。
「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」
「いや、理不尽!」
初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。
「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」
※※※
専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり)
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる